君の名はファシズム
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村上春樹ノーベル賞と同じで、「踏み絵」質問だよな(笑)
君の名は
糞みたいなアニメで一々質問してくんなよ。
ココロコネクト
転校生
東野圭吾の小説
のパクリなんだから 漫画家でタレントの江川達也さん(55)が、大ヒット中のアニメーション映画「君の名は。」について、
「プロから見ると全然面白くない。大人のドラえもんみたいなもんでね」
「批判が許されないファシズム映画だ」
「男女が入れ替わったのに、"やるべきこと"をやっていない」
などと発言。
ネットでは「よく言った」などの声が上がる。
「ええ、あの、これ売れるなとは思いましたけど。いやいや。丁寧に売れる要素をぶち込んでいて。言ってみりゃ、大人のドラえもんみたいなもんでね」と不満げに発言
江川さんは続けて「プロから見ると、全然面白くないんですよ」と発言。
江川さんはその意味を「作り手から見ると、作家性が薄くて売れる要素ばっかブチ込んでる、ちょっと軽い、ライトな」
と説明。 江川達也がめっちゃいいこと言ってる
江川達也その通りだわ。アニメとしての人気ではない。
そして君の名はに限らずこの手のブームは否定派を悪者にする。
こういうアニメ映画はアニメに興味がない人気にも受けるような作りなのがうまいんだよな。
だから江川達也の批判はすごいわかる。
わかるわー。江川達也さん。私もあれは嫌だわ。
映像がキレイで何度も見たいってリピーターがいてるからね人気なんだよ。
商売上手なんだな。私は、人気映画は苦手なもんだからTVでみるよ。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ヒットの原因となったキャラクターの顔描いてるのが金で引っ張ってきた元ジブリのスタッフ。
他人の活躍でメダル取る福原愛と一緒だな。
新海誠は恥を知れよ。
宮崎駿も新海なんかと一緒にされて迷惑と日テレで3週連続ジブリ放送。
NHKで宮崎駿特集。
馬鹿しか見ないミュージッククリップまがいのアニメで宮崎駿と並ぼうとする新海誠。
170億、170億の大合唱いくらやっても作品の質は味噌と糞の違い。 『君の名は。』がアメリカで酷評された理由
『君の名は。』の世界での評価は一体どのようなものなのだろうか。
アメリカのニュースサイトでは酷評されているという報告も上がっている同作。
一方では厳しい評価も。アメリカのニュースサイト「モーニングニュースUSA」において
「『君の名は。』はオスカーにエントリーしたが、受賞できるか?」というタイトルで記事がアップされた。
記事の中では、「『君の名は。』は受賞するだけのものをもっているか?」と疑問を呈しており、
ディズニー作品の『ズートピア』やディズニー・ピクサー作品の『ファインディング・ドリー』のような
強力な候補がいるため、「絶対に受賞できない」という声が上がっていることを報告。
これに対し日本では、「日本でこんだけヒットしてんだから十分だよ!」「海外でどう評価されようと
『君の名は。』の凄さは変わらん、気にすんな」「米国人がどう思おうがいいじゃねぇか。すごいぞ、君の名は!」
と、同作の良さを改めて称賛する声が上がった。中には「この作品はリア充じゃないと良さがわからないからな。
アメリカのアニメファンは非リアが多いんだろ」「ディズニーの方が上等だとは思わんがな。
アメリカ人には受けるってことだろ」といった声も。
「絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」と評した漫画家・江川達也の見方を裏付ける結果となった。 ◆新海誠監督、“『君の名は。』は売れる要素の組み合わせ”批判に反論「そんなに容易ならやってみればいい」
大ヒット映画『君の名は。』を手掛けた新海誠監督が、18日に放送されたTBSラジオ「道上洋三の健康道場」に出演し、
『君の名は。』へ寄せられている批判に反論した。
番組には今年を代表する映画監督として『君の名は。』の新海監督が出演。
新海監督は、音楽に画をあてるという通常とは異なるプロセスで製作したことや、
『君の名は。』に寄せられている反響について赤裸々に語った。
最も嬉しかった反響を問われた新海監督は、「無数にあって選べない」と回答。
一方、最も嫌だった反響には、「新海は作家性を捨ててヒット作を作った」「魂を商業的に売ってそれが結果的にヒットになった」、
「ありがちなモチーフの組み合わせだけで、そりゃヒットするよ」「こんなキャッチーなモチーフだけだったら100億超える映画になるよ」
といった批判を挙げた。
これらの批判に対して新海監督は、「それはその通りかも知れないと思うと同時に、
そんなに容易なことならば皆さんやってみればいいんじゃないかなとも思います」と穏やかな口調で反論。
「売ろうと思って作ったものが売れるわけではないですよね」、「2年間本当にもがいてもがいてもがいて来たわけなので、
『キャッチーな要素の積み重ねだよね』みたいな言われ方をすると、やっぱり多少腹が立ちますよ」と心境を明かした。
↑効いてる、効いてる(笑)
このスレも見てるかな(笑) ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 【映画】<君の名は。>井筒監督「あんなもの、別にオレらが観る理由はないわ」「あれは「映画」ちゃうから」
マツコ 「それ、今度観てみる。私なんか「君の名は。」もまだ観てないしね‥‥。」
井筒 「あんなもの、別にオレらが観る理由はないわ。「シン・ゴジラ」も40分で観るのやめたもんな。
最初にヘンな虫みたいなものが出てきて、それが10分ほどで進化してゴジラになったら、いつもと同じ形かい!
とひっくり返って、そのまま映画館から逃げるように出てきたわ。」
マツコ 「アタシ、ゴジラも観てないからね。でも「君の名は。」で思ったけどさ、
日本人ってホントにアニメが大好きになっちゃったわよね。」
井筒 「あんなオタクのオナニー動画を、1000万人が観るようになったら、オレは終わりやと思うけどね。。」
マツコ 「確かに言えてる。アニメって、ヘンタイさんが後ろ指さされたり、白い目で見られながらも、
コツコツと築いてきた特殊な文化じゃない。でも、これだけメジャーになっちゃうと、いつか破綻するよね。
テレビや雑誌と同じ。ほとんどのものがデータで作られるようになって、中庸を目指し始めて、
最後にはオタクどころか、一般大衆すらボッキしなくなって「つまらない」で片づけられちゃうものだらけになると思う。
そもそも、アニメは日本の誇るカルチャーだとか言って国が動き始めた時点で終わりだけどね(笑)。」
井筒 「これは大島渚監督の受け売りやけど、「敗者は映像を持たない」って言葉があるんよ。
つまり、原爆の映像も全てアメリカ側の映像で、負けた日本側の撮った映像は何も残ってないというわけよ。」
マツコ 「なるほど〜! 」
井筒 「オレはそれがずっと続いてると思うね。全て勝者の国のマネ。アニメの顔を見たら、
そこに日本人の顔は一人もいないやろ。」
マツコ 「そうよね。みんな目が大きくて、金色みたいな髪を風でなびかせて、そんなわけないだろって! 」
井筒 「日本人は、負けた日本人のリアルな顔が見たくないねん。それが常に深層にあって、
根づいてしまったいうことよ。」
マツコ 「そっかぁ。昭和の映画に出てくる女優さんも日本人離れしたバタ臭〜い顔の人が多かったしね。
最近は最近で、無味無臭な顔ばっかりだし‥‥。」 井筒 「だから、日本のドラマでも映画でもアニメでもたとえクソ真面目に脚本書いたところで、
ニセモノの顔しか出てこないから、結局は薄っぺらいねん。どこの国の話か不明やもん。」
マツコ 「日本はアニメの顔っていう、特殊な世界を作っちゃったんだね。」
井筒 「アニメの聖地巡礼って片腹痛くなるわ。マジでアホちゃうかと。そこにあんな
目玉のデカい女子はおりまへんがな! 」
マツコ 「「スラムダンク」の江ノ電とか、「君の名は。」の聖地巡礼もそうだけど、
何であんなに写真ばかり撮りたがるんだろうねえ。食べ物屋さんでも、
料理が運ばれてくると「ちょっと待ったー!」って(笑)。 」
井筒 「あれは何だろうな。料理の写真を必ず撮るキショい連中。
雲や桜を見ないで写真だけ撮ってるヤツ。風景を覚えられない連中。」
マツコ 「あれだけは何が楽しいのかさっぱりわからなくて。「ちょっと待ったー!」って言うなら、
自分の分は自分で注文しろって話よ。」
井筒 「最終的に味なんかどうでもええねん。撮って誰かに送るだけのビョーキ。」
マツコ 「まあ、こんなことに文句言ってる私たちこそ古〜い人間なんだろうね。」
井筒 「ええのよ、こうやって毎年同じことを語れるのは楽しいこっちゃ!」
マツコ 「そうよね。ネット社会の一瞬だけにアジャストしていく
生き方のむなしさったらないからね。この対談が生きてる証拠(笑)。」
井筒 「ほんまやで。アサ芸も生き残ってくれよ! 」 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 漫画家でタレントの江川達也さん(55)が、大ヒット中のアニメーション映画「君の名は。」について、
「プロから見ると全然面白くない。大人のドラえもんみたいなもんでね」
「批判が許されないファシズム映画だ」
「男女が入れ替わったのに、"やるべきこと"をやっていない」
などと発言。
ネットでは「よく言った」などの声が上がる。
「ええ、あの、これ売れるなとは思いましたけど。いやいや。丁寧に売れる要素をぶち込んでいて。言ってみりゃ、大人のドラえもんみたいなもんでね」と不満げに発言
江川さんは続けて「プロから見ると、全然面白くないんですよ」と発言。
江川さんはその意味を「作り手から見ると、作家性が薄くて売れる要素ばっかブチ込んでる、ちょっと軽い、ライトな」
と説明。 江川達也がめっちゃいいこと言ってる
江川達也その通りだわ。アニメとしての人気ではない。
そして君の名はに限らずこの手のブームは否定派を悪者にする。
こういうアニメ映画はアニメに興味がない人気にも受けるような作りなのがうまいんだよな。
だから江川達也の批判はすごいわかる。
わかるわー。江川達也さん。私もあれは嫌だわ。
映像がキレイで何度も見たいってリピーターがいてるからね人気なんだよ。
商売上手なんだな。私は、人気映画は苦手なもんだからTVでみるよ。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ヒットの原因となったキャラクターの顔描いてるのが金で引っ張ってきた元ジブリのスタッフ。
他人の活躍でメダル取る福原愛と一緒だな。
新海誠は恥を知れよ。
宮崎駿も新海なんかと一緒にされて迷惑と日テレで3週連続ジブリ放送。
NHKで宮崎駿特集。
馬鹿しか見ないミュージッククリップまがいのアニメで宮崎駿と並ぼうとする新海誠。
170億、170億の大合唱いくらやっても作品の質は味噌と糞の違い。 『君の名は。』がアメリカで酷評された理由
『君の名は。』の世界での評価は一体どのようなものなのだろうか。
アメリカのニュースサイトでは酷評されているという報告も上がっている同作。
一方では厳しい評価も。アメリカのニュースサイト「モーニングニュースUSA」において
「『君の名は。』はオスカーにエントリーしたが、受賞できるか?」というタイトルで記事がアップされた。
記事の中では、「『君の名は。』は受賞するだけのものをもっているか?」と疑問を呈しており、
ディズニー作品の『ズートピア』やディズニー・ピクサー作品の『ファインディング・ドリー』のような
強力な候補がいるため、「絶対に受賞できない」という声が上がっていることを報告。
これに対し日本では、「日本でこんだけヒットしてんだから十分だよ!」「海外でどう評価されようと
『君の名は。』の凄さは変わらん、気にすんな」「米国人がどう思おうがいいじゃねぇか。すごいぞ、君の名は!」
と、同作の良さを改めて称賛する声が上がった。中には「この作品はリア充じゃないと良さがわからないからな。
アメリカのアニメファンは非リアが多いんだろ」「ディズニーの方が上等だとは思わんがな。
アメリカ人には受けるってことだろ」といった声も。
「絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」と評した漫画家・江川達也の見方を裏付ける結果となった。 ◆新海誠監督、“『君の名は。』は売れる要素の組み合わせ”批判に反論「そんなに容易ならやってみればいい」
大ヒット映画『君の名は。』を手掛けた新海誠監督が、18日に放送されたTBSラジオ「道上洋三の健康道場」に出演し、
『君の名は。』へ寄せられている批判に反論した。
番組には今年を代表する映画監督として『君の名は。』の新海監督が出演。
新海監督は、音楽に画をあてるという通常とは異なるプロセスで製作したことや、
『君の名は。』に寄せられている反響について赤裸々に語った。
最も嬉しかった反響を問われた新海監督は、「無数にあって選べない」と回答。
一方、最も嫌だった反響には、「新海は作家性を捨ててヒット作を作った」「魂を商業的に売ってそれが結果的にヒットになった」、
「ありがちなモチーフの組み合わせだけで、そりゃヒットするよ」「こんなキャッチーなモチーフだけだったら100億超える映画になるよ」
といった批判を挙げた。
これらの批判に対して新海監督は、「それはその通りかも知れないと思うと同時に、
そんなに容易なことならば皆さんやってみればいいんじゃないかなとも思います」と穏やかな口調で反論。
「売ろうと思って作ったものが売れるわけではないですよね」、「2年間本当にもがいてもがいてもがいて来たわけなので、
『キャッチーな要素の積み重ねだよね』みたいな言われ方をすると、やっぱり多少腹が立ちますよ」と心境を明かした。
↑効いてる、効いてる(笑)
このスレも見てるかな(笑) ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 【映画】<君の名は。>井筒監督「あんなもの、別にオレらが観る理由はないわ」「あれは「映画」ちゃうから」
マツコ 「それ、今度観てみる。私なんか「君の名は。」もまだ観てないしね‥‥。」
井筒 「あんなもの、別にオレらが観る理由はないわ。「シン・ゴジラ」も40分で観るのやめたもんな。
最初にヘンな虫みたいなものが出てきて、それが10分ほどで進化してゴジラになったら、いつもと同じ形かい!
とひっくり返って、そのまま映画館から逃げるように出てきたわ。」
マツコ 「アタシ、ゴジラも観てないからね。でも「君の名は。」で思ったけどさ、
日本人ってホントにアニメが大好きになっちゃったわよね。」
井筒 「あんなオタクのオナニー動画を、1000万人が観るようになったら、オレは終わりやと思うけどね。。」
マツコ 「確かに言えてる。アニメって、ヘンタイさんが後ろ指さされたり、白い目で見られながらも、
コツコツと築いてきた特殊な文化じゃない。でも、これだけメジャーになっちゃうと、いつか破綻するよね。
テレビや雑誌と同じ。ほとんどのものがデータで作られるようになって、中庸を目指し始めて、
最後にはオタクどころか、一般大衆すらボッキしなくなって「つまらない」で片づけられちゃうものだらけになると思う。
そもそも、アニメは日本の誇るカルチャーだとか言って国が動き始めた時点で終わりだけどね(笑)。」
井筒 「これは大島渚監督の受け売りやけど、「敗者は映像を持たない」って言葉があるんよ。
つまり、原爆の映像も全てアメリカ側の映像で、負けた日本側の撮った映像は何も残ってないというわけよ。」
マツコ 「なるほど〜! 」
井筒 「オレはそれがずっと続いてると思うね。全て勝者の国のマネ。アニメの顔を見たら、
そこに日本人の顔は一人もいないやろ。」
マツコ 「そうよね。みんな目が大きくて、金色みたいな髪を風でなびかせて、そんなわけないだろって! 」
井筒 「日本人は、負けた日本人のリアルな顔が見たくないねん。それが常に深層にあって、
根づいてしまったいうことよ。」
マツコ 「そっかぁ。昭和の映画に出てくる女優さんも日本人離れしたバタ臭〜い顔の人が多かったしね。
最近は最近で、無味無臭な顔ばっかりだし‥‥。」 井筒 「だから、日本のドラマでも映画でもアニメでもたとえクソ真面目に脚本書いたところで、
ニセモノの顔しか出てこないから、結局は薄っぺらいねん。どこの国の話か不明やもん。」
マツコ 「日本はアニメの顔っていう、特殊な世界を作っちゃったんだね。」
井筒 「アニメの聖地巡礼って片腹痛くなるわ。マジでアホちゃうかと。そこにあんな
目玉のデカい女子はおりまへんがな! 」
マツコ 「「スラムダンク」の江ノ電とか、「君の名は。」の聖地巡礼もそうだけど、
何であんなに写真ばかり撮りたがるんだろうねえ。食べ物屋さんでも、
料理が運ばれてくると「ちょっと待ったー!」って(笑)。 」
井筒 「あれは何だろうな。料理の写真を必ず撮るキショい連中。
雲や桜を見ないで写真だけ撮ってるヤツ。風景を覚えられない連中。」
マツコ 「あれだけは何が楽しいのかさっぱりわからなくて。「ちょっと待ったー!」って言うなら、
自分の分は自分で注文しろって話よ。」
井筒 「最終的に味なんかどうでもええねん。撮って誰かに送るだけのビョーキ。」
マツコ 「まあ、こんなことに文句言ってる私たちこそ古〜い人間なんだろうね。」
井筒 「ええのよ、こうやって毎年同じことを語れるのは楽しいこっちゃ!」
マツコ 「そうよね。ネット社会の一瞬だけにアジャストしていく
生き方のむなしさったらないからね。この対談が生きてる証拠(笑)。」
井筒 「ほんまやで。アサ芸も生き残ってくれよ! 」 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 >>1
キャラ以外を全スキャンしているので
(コンテも背景もシナリオも全部パクリトレース)
https://www.ようつべ.com/watch?v=fRfa9TRIt3Q
https://i.im消去して見てねgur.com/SSjGFo5.jpg
https://i.im消去して見てねgur.com/y8Za474.jpg
https://i.im消去して見てねgur.com/R097x6H.jpg
https://i.im消去して見てねgur.com/H8UnfCO.jpg
https://i.im消去して見てねgur.com/uDTGxJ6.jpg
https://i.im消去して見てねgur.com/DKkDtw9.jpg
https://i.im消去して見てねgur.com/Jzfizdh.gif
https://i.im消去して見てねgur.com/RmVa2sz.gif
https://pbs.tw消去して見てねimg.com/media/DGwnSHQXkAQGvXx.jpg
君の名は。の組み紐
https://i.im消去gur.com/fkYX7wy.jpg
そうかの旗
https://i.im消去gur.com/RAYLpoC.jpg
完全に一致
テレビ神奈川、大みそかに「君の名は」(※1953年の映画)を放送
テレ朝元日の「新海誠特集」に先駆け2017年12月27日
しねパクリカスとカルト基地外が
http://www.sokanet.jp/topics/sr1s9k0000005w9x.html >>1
君の名は。のクソ脚本
隕石の当日あたりからは完全に脚本が破綻。
前日にミツハが東京へ会いに事前連絡もせずに行って、
脚本の都合でメールはせず電話はつながらない。
なぜか「会えばわかる」などとキチガイ妄想をして
約束もしないでどうやって東京で会うの?からの
脚本の都合で偶然満員電車の中にいるタキを
脚本の都合で偶然電車の外から見つける。
ミツハは日本野鳥の会か?視力ハンパネェなwクソ脚本すぎだろ
そしてキチガイ会話をして創価ヒモを投げる。
満員電車で押し出されただけなのにwまた乗ればいいじゃん
なんで投げんの?意味が全くわからない。
いい加減にして下さいよ新海さん。
時間に余裕があるんだから普通に話しかけて、
それっぽい理由で手紙に書いて渡せばいいだろ。
〜日に色々あるけど助けてねとか。
脚本の都合で忘れる設定があるけど、
脚本の都合でなんとなく覚えてる設定もあるんだろw
脚本の都合で思い出す事もあるし、、
脚本の都合で時代も場所も飛び越えるし、その日は
脚本の都合で隕石が落ちる朝だったりする。
脚本の都合である朝電車で女に創価3色のヒモを渡され、
脚本の都合でそれを3年間、身につけ続け、
脚本の都合でその理由は「なんとなく付けてた」と、主人公が口で説明。
新海のアホはこれで客が、「うんっ納得」ってなると思ってるの?
おまえと違って客には判断力ってものがあるんだよ >>1
君の名は。のクソポイント
とにかく新海のバカは調査や資料集めをしてない。
目の前に数kmのクレーターが出来るのに、
すぐそばの校庭に避難させるという事がどれだけバカのする事か
わからないのか?新海は義務教育は受けたの?
親の金でコネで入って、ずっと物理化学は寝てたの?
残り数時間しかないのに、主人公たちの考えた計画がバカすぎ。
「放送塔を爆破し、電波ジャックをして放送し、役所を説得して避難させる。」
テッシーはなぜ友人の話を聞いて数時間で爆破を決断できるのか?
残り数時間で金庫に入っている爆薬を出して、セットできるとなぜ考えるのか?
ミツハ「娘から話せば説得できる」←爆破する必要がないよね。普通に避難させろよ。
モブ女「妄想でしょ?」←信じてないのに爆破に協力するキチガイ
テッシ「千年前に隕石が落ちたからもう一度落ちる」←キチガイ
(ちなみにこの辺の説得力0のバカシーンは
爆音のクソギターで死にたくなるほど視聴がキツイ)
君の名は。のクソポイント
ミツハは父に説得を試みて失敗するけど、
そうなるのは誰にでもわかるんだから、そうならないように
あらかじめ別の方法を考えるのが普通だよね?
皆殺しになるまでの時間が迫っているんだからな。
なんで普通にキチガイ扱いされて落ち込んで歩いてるの?
時間がないんだから別の事をすればいいよね?
例えば街金のATMでカネ借りて、
宝くじ当たったから、時間通りに整列できたら村全員に1万円配布します!って
校庭でやれば、すぐ解決だよね?メールあるよね?電話すればいいよね?
テッシーもチャリで移動する前に携帯で連絡をしろよ。
(後に茄子 スーツケースの渡り鳥よりトレースパクリシーンを入れる為と判明)
このキャラ達は新海みたいな糞バカなの?
まさか新海さんって脳みそが腐ってるの?
しかも前半にご神体は散々山登りで行ったのに、道路があるじゃん。
(茄子 スーツケースの渡り鳥でそうなってるからねwしょうがないね)
https://i.img消去してねur.com/SSjGFo5.jpg >>1
君の名は。の後半の異常なつまらなさ
温泉宿の意味なし喫煙シーン、ヒモがどうたら同じ説明をもう一度する、
山登りでまた同じヒモの説明をする。もう最悪だわ。何回同じ説明するの?
(創価3色のクソ紐を絶対に売りたいなんて言えない)
新海よ、おまえはアホだろうけど、客は正常なんだから一度でわかるよ。
グーグルマップで誰でも見れるクレーターを見つけてなんで喜んでいるのか?
ばばあを背負ってすぐに着く場所なんだから誰にでも行けるし、
(ここ虹色ほたるからパクリ)
わざとらしく驚いてもね、新海さんw客はドン引きですよ?
クレーターのすぐ側の遺跡を何故か再訪し、たまたま発見し、
(すぐ見つけたら宣伝JR癒着してる温泉や観光案内がカットになるから)
(でも自分で酒を置いた記憶はあるというバカ脚本よ)
何もない所で何故かすっころんで、
(ホタルの名シーンのパクリにつなげるために強引に転ばせる)
ゲロ酒を飲んだ後に、唐突に始まるキャラ設定の説明・・・
(ここも虹色ほたるからパクリ)
だからそれを前半描写しないとダメでしょ。
回想で人生全部説明って酷すぎる。酒とか隕石関係ないじゃん。
もう映画の設定集かよってレベルの説明じゃないですか。
君の名は。のクソポイント
入れ替わった後にすぐに話を展開させるかと思いきや
妹が先に家を出るとか、ばばあの昔話とか、要らないシーンばかり。
隕石でみんな死ぬ→お前アホか?と信じてもらえず、
それから試行錯誤する所が面白い所なのに、
なぜか脚本の都合でクラスメイトは一瞬で全員協力してくれる矛盾。
さらに放送塔を使おうとなる課程がネットで調べるだけ。
くっつくなよとじゃれ合う無駄シーンを入れる。
時間がないのに、キャラがキチガイのバカに見えるだけ。
しかも買い出しに行かせ、のんきに飯を食ってる。
隕石が落ちて人が大勢死ぬことを知っていて、救うのに必死になるべきシーンで
なぜ笑いながらじゃれ合う必要がある?
そんなキャラに感情移入して泣ける訳ないだろ?
新海よ。おまえは頭がおかしいのか?
それとも頭が悪すぎて気付かないのか?
もし気付いているなら監督しての資質以前に、人として最低。
新海は倫理観のかけらもないクズだ ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ◆石田衣良氏「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」/たぶん新海さんは
楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか?
漫画家の人たちの定見はないんだけれど、とにかく面白い漫画を作れるというのと似ている。
「東京喰種」とか「進撃の巨人」とか、直感で今の世界の在り方をシンボリックに落とし込んで、
強引に面白い話に作りかえる力って、日本人はすごいと思います。ようは人が人を食うような怖い世界で、
巨人はブラック企業で、ニタニタ笑い歩きながら人を食っていく。若い子の絶望感もよく表れている。
「君の名は。」の監督の新海誠さんも若い子の気持ちを掴むのが上手いと思いました。
たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか。
それがテーマとして架空のまま、生涯のテーマとして活きている。
青春時代の憧れを理想郷として追体験して白昼夢のようなものを作り出していく、
恋愛しない人の恋愛小説のパターンなんです。
付き合ったこともセックスの経験もないままカッコイイ男の子を書いていく、
少女漫画的世界と通底しています。宮崎駿さんだったら何かしら、自然対人間とか、
がっちりした実体験をつかめているんですが、新海さんはそういう実体験はないでしょうね。
実体験がないからこそ作れる理想郷です。だからこそ今の若者の憧れの心を掴んだのかも知れません。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「タルるートくん」「東京大学物語」などで知られるマンガ家・江川達也先生が出演。
大ヒット中の映画「君の名は。」について、プロならではの持論を展開し物議を醸しています。
これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、
売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品。言ってみれば『大人のドラえもん』みたいなもん
絶賛している人が、面白くなかったと言う人を凄くディスるんですよ。
『見なきゃダメだよ』とか言って
ある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね
経済評論家・岸博幸さんは江川達也先生の持論を受け、アニメ業界の大御所の方の意見も江川さんに近い。
『あれは映画じゃなくて“ミュージッククリップ”だよな』と言っていたと同調。 「薄っぺらい映画だよな〜」
「まあ確かに、こりゃ売れるなとは思いましたよ。丁寧に売れる要素をぶち込んでて、
まあ言ってみりゃ”大人のドラえもん”みたいなもんでね」
「いや〜、だってプロから見ると全然面白くないんですよ(笑)。
作り手側から見ると作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶち込んでる、
ちょっと軽いライトな映画って感じで。絶賛してる人はいるんだけど、そういう人が、
面白くなかったという人に対して凄いディスってるんですよ。”みんな観なきゃダメだよ!”とか言って。
だからある種、『君の名は。』はファシズム映画なんですよね」
岸:「私は新海監督をデビューの頃からずっと知ってるんですが、その観点から言うと、実はアニメ業界の大御所の方も、
江川さんの意見に近くて、”あれは映画じゃなくてミュージック・クリップだよな”って。でも実は、これが大事なポイントで、
新海さんってすごく賢い方ですから、世の中のそういう傾向を分かった上で、ああいう映画にしたんです。もともと映画っていうのは、
本来はじっくり観て考えるもの、それが映画だったんですけど、今の時代って、特にスマホ世代はサラっと見て気持ち良くなるのが好きで、
まさにそういう嗜好に合わせてあるんですよ」
江川:「ただ、それもプロデューサーが良く出来たものを作ってるんですよ、商売として」
江川:「まあ今はSNS時代で、口コミで広がった新しいタイプの宣伝方式だったとは思いますけどね」
岸:「この映画、最終的には200億超えると思うんですよ。凄いヒットですけど、じゃあ何でそれが出来たんだろうって考えると、
新海さんは背景とか世界観を描くのは素晴らしい方なんですよ。それで、デビュー作とか初期のアニメでは彼が自分で絵を描いて
たんだけど、主人公の顔とかに関しては背景ほど素晴らしくはなかった。それが今回、主人公などの絵は元ジブリのスタッフが
描いてるんです。だから、登場人物は凄くジブリ的で魅力的な感じで、さらに背景は今までの新海さんの世界観や背景だから、
当然その組み合わせは素晴らしいものになるわけですよね」
坂上:「これ、要するに大林監督の『転校生』みたいなもんなの?」
江川:「そう。なのに、エロ度が少ないんですよ!」
坂上:「いや、エロは別に必要ないでしょ?」
江川:「でも、リアルを追及すれば、若い女の子と入れ替わったら、
やるべきことがあるじゃないですか、男としては(笑)」 江川:「要は、こんだけヒットしちゃったから、次も絶対ヒットするだろうって期待がかかちゃって、
ヒットさせなきゃってプレッシャーで結局好きなもん作れなくなる…ってことでしょコレ?」
坂上:「これは、今後が大変っていうか…」
江川:「そう、これぐらいのヒットを…お金を期待されちゃう」
岩尾:「でも、次の作品が、また100分の1に戻るってことはもうないですよね?ファンも増えたし…」
江川:「いや、でも逆に次をまた観たいと思って行った時、そこで作家性を出すと、皆がケチョンケチョンに貶すかも」
坂上:「まあ批判の対象になってからが勝負ですよね。賛否は絶対にあるから」 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
馬鹿からスマホを取り上げろ。 「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る
『君の名は。』ヒットの要因
「新海誠はメジャーになるために作家性をあきらめた」
今回、新海誠が挑戦したのは“作家性のあきらめ”なんですよ。
「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、
そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ!
オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。
作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。
だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。 ◆経済評論家で大学教授の岸博幸氏、アニメ映画『君の名は。』のヒット原因はスマホで馬鹿が増えたからと分析
今週はアカデミー賞の授賞式がありました。最後の作品賞の発表で間違えられるというハプニングばかりが報道され
ましたが、個人的には『ラ・ラ・ランド』が6部門で受賞したことに興味を覚えました。というのは、『ラ・ラ・ランド』と
日本で大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』には2つの共通点があり、日本と米国の双方が同じ問題に直面していることを
示しているように感じられるからです。
以前この連載でも書きましたが、『君の名は。』は新海誠監督の世界観や映像の美しさで大ヒットした一方で、
アニメ業界の大御所は「あれは映画というより100分に渡る壮大なミュージック・クリップだ」と評価していました。
つまり、じっくり観て考えるというより、気楽に観て気持ちよく感じるという要素の方が大きかったわけです。
そして、『ラ・ラ・ランド』を観た人の感想を聞くと、同じように「映像が綺麗だった」
という感想ばかりが目立ちます。ストーリーは二の次、というかストーリーの感想はあまりなく、
とにかく映像のことばかり。『君の名は。』と同様に、気持ちよく観られるのが特徴だったのです。
なぜ、日米で同じようなつくりの映画が大ヒットしたのでしょうか。個人的には、
日米の双方で多くの人がスマホ中毒になっているからではないかと思います。
スマホを使い過ぎると、コンテンツを気楽に受け身で流し読みするのが当たり前となり、
またテキストの読み方やコンテンツの鑑賞の仕方が気楽で快適な“浅い読み”ばかりになります。
人間の脳は環境に適応することを考えると、長時間スマホを使っていたら、スマホ以外でも
同じようにコンテンツを観ることになります。そうなると映画についても、オスカー作品賞を受賞した
『ムーンライト』のように、映画に没入して能動的に考える作品よりも、気楽に観られる『ラ・ラ・ランド』
のような作品のほうが、多くの賞を受賞して当然と言えます。 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの
弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で
非常に怠惰になってきているのです。
第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。
『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。
この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪い
とは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、
それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという
出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。
これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、
かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、
パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期を
デジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場
からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。
そう考えると、もちろんデジタルの時代といえども著作権の保護が必要なのは当然であり、
かついまだに導入が主張される“日本版フェアユース規定”(ネット上での複製を自由にする)
などは論外であるものの、保護の度合いの見直しは不可欠ではないでしょうか。 このように考えると、こじつけのようになってしまうかもしれませんが、『ラ・ラ・ランド』と
『君の名は。』の両作品は、作品の出来の素晴らしさのみならず、日米両国にとって重要な
インプリケーションを含んでいるように思えます。
まず、そろそろスマホの使い過ぎの弊害を意識すべきです。スマホの使い過ぎは、
集中力の低下、テキストの読み方が浅い読みになる、行動が受け身になるなど、
クリエイティビティや独創性が重要な時代にもかかわらず、人間をそれと正反対の
方向に導いてしまいます。
個人的には、政府がスマホの利用時間を規制することが必要と思っていますが、
さすがにそれは非現実的なので、それならせめて個人レベルでスマホのリスク
をもっと意識すべきではないでしょうか。
次に、著作権のあり方については、日米双方とも継続的に見直しを行っており、
日本では文化庁が最近、著作権法改正の方向性を示しました。
ただ、こうした見直しはもちろん重要ではあるものの、かつての著作権法の部分的な
修正にとどまっているのも事実です。もしかしたら若い作り手の意識も変わりつつある
という現実を考えると、こうした継続的な見直しを行いつつも、どこかのタイミングで
制度自体を根本から見直すことも必要ではないでしょうか。
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)
以上を要約すると、
@「君の名は」は、金で引っ張ってきたジブリの元スタッフに描かせた絵と音楽を組み合わせたミュージッククリップであって、
映画などでは決してない。
Aヒットの原因はスマホ中毒の馬鹿が増えたから。
B過去のアニメや映画・小説などからのパクリが多い。訴訟起こされてもいいレベル。
それなのに、本人のパクリ・盗作の自覚がないのは不思議だ。
Cスマホの使い過ぎの弊害で浅い薄っぺらい作品になり、深い意義のあるテーマが
描けていない。
【結論】
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