文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、同省前科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者(58)=受託収賄容疑で逮捕=の息子を不正合格させたとされる東京医科大が、
過去に不正合格させた受験生の名前などを一覧にしたとみられるリストを作成していたことが関係者への取材で明らかになった。東京地検特捜部もリストを入手しており、以前から不正合格が行われていた可能性もあるとみて捜査している模様だ。

 関係者によると、リストは近年のものもあり、受験生の名前に加え、同大側に依頼したとみられる親族の名前なども記載されているという。ある同大関係者は毎日新聞の取材に「今回の事件のような裏口入学は過去にもあったと聞いたことがある」と証言。一方で、別の同大関係者は「最近は合否判定が厳格になっており、不正合格など考えられない」と話している。

 佐野前局長は官房長だった2017年5月、同省の「私立大学研究ブランディング事業」の対象大学選定で便宜を図るよう同大の臼井正彦前理事長(77)から依頼された見返りに、今年度の同大入試で息子を不正合格させてもらった疑いがあるとして逮捕された。臼井前理事長や鈴木衛前学長(69)は特捜部の任意の聴取に不正への関与を認めているという。

 同大は今月6日に開いた記者会見で、臼井前理事長と鈴木前学長が贈賄容疑で捜査を受けていることを認めて陳謝。過去の不正合格について「あったという認識はない」としながらも、弁護士に依頼して事実関係を調査する方針を明らかにした。【巽賢司、遠山和宏、金寿英
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