理科大工と農工大工の後期に合格して理科大工に行きたいって思ってたけど
周りの大人は誰一人として賛成してくれなかった

両親はもちろん、高校の先生、予備校の先生、旧帝出て大手自動車メーカー勤務の叔父、母が懇意にしている占いの先生
皆、口を揃えて農工に行けと言った

予備校の先生なんか、第一志望の旧帝前期落ちたときには
理科大で頑張れば旧帝に負けない就職出来るからって励ましてくれたのに
後期で農工に通ったら手のひら返したみたいに、理系なら絶対国立の方が就職で有利
理科大に行かずに済んでよかったな、と喜んでた

結局、理科大合格を喜んでくれた人は誰もいなかったのに、農工後期の合格は皆が祝ってくれた
理科大に行けばいいからって言ってくれた予備校の先生の言葉も結局俺を慰めたかっただけ
農工合格を報告した時に、ほころんだ笑みを見て、つくづくそれを実感した