前出とは別の朝日新聞社員は「お金を稼ぐわけではない記者の数を減らし、ビジネス部門へ異動させる。もしそれが嫌であれば辞めてくださいということだ」と語る。

 中村新体制の基本方針の冒頭にはこのように表記されている。「未曾有の赤字を乗り越え、事業構造を一気に転換し、成長するメディア企業として生き残り、ジャーナリズムを守る」。
 しかし、新体制下で社員が不満を持ち、協力する体制が作れなければ元も子もない。大胆なコスト削減とともに、全社の機運を高めることはできるのか。中村次期社長の経営手腕が早くも問われている