●「「漁協の承諾」を得るよう指導 桑名市が工事業者に 組合長の恐喝未遂事件」(出典:『伊勢新聞:2020-09-12 11:00』)

https://www.isenp.co.jp/2020/09/12/49885/

「三重県桑名市内の宅地開発工事を巡る桑員河川漁協組合長、・・・被告(61)の恐喝未遂事件は市が業者に対し、工事について「漁協の承諾」を得るよう行政指導し、起きたことが11日までに、市への公文書開示請求で判明した。
 ・・・被告が組合長の立場を悪用し、業者に金を要求する一方、市が業者に漁協から「工事の承諾」を得るよう指導し、事件が成立したことが明らかになり、開発を許可する市都市整備課の・・・課長は指導の結果、事件が起きたことを認めた。」

「起訴状などによると、・・・被告は平成30年11月―31年4月、東員町の漁協事務所で、四日市市の不動産会社社長らに対し「言うことを聞かんと現場の工事が止まるぞ」などと脅し、現金200万円を要求。
 さらに、母親が経営する川ア建設などを下請け業者として使うよう強要したが、同社はいずれの要求にも応じなかったとされる。」

「開示された公文書は、宅地開発に伴って業者が作る調整池について、同課と業者の間で交わされた協議メモや業者が開発申請を行う前に、両者で申請内容を確認するチェックシートなど。
 このメモに「漁協との協議が必要」と記され、シートには市職員の手書きで「漁協の承諾は?」と記載されていた。」

「市の指導を受け、業者は・・・被告のいる東員町の漁協事務所へ出向いた。
 市は指導に基づく漁協との協議録を提出するよう業者に求めており、今回の恐喝未遂事件で業者が提出した協議録の日付は、業者側が・・・被告に脅され、金や下請参入の要求を受けたとされる30年11月1日だった。」

「・・・課長は行政指導が恐喝未遂事件につながったことを認める一方「悪いのは組合長であり、市に責任は一切ない」と主張する。
 指導は今回の事案を含めて計10件行ったが、他の開発業者が恐喝被害に遭っていないかを市として調べる考えはないという。」

「ある建設業関係者は「恐喝を行う者が悪いのは当然だが、恐喝行為を後押しする役所も同じくらい悪い。非を認めて潔く謝らなければ根本的な解決にはならない」と指摘している。」