●私立大学の中でも特に医科大学の職員について
→医大に関してはやや特殊な位置づけですので以下の書き込みをご覧になってからご質問ください。

医大は職員の地位が極めて低く、待遇も恵まれません。
経済科学に関する研究論文によれば、医学部・歯学部を擁する大学の賃金は
一般の大学よりマイナスであることが実証されています。
大学の運営に職員が参画できる割合が一般の大学に比べて非常に小さいのです。
一般の大学は職員と教員しかいませんが、
医大には医者がいること、医者と教員の兼務者がいること、
教員の比率が設置基準により、文系学部の約23倍ほど必要となりますが、
私立医科大学の学費は概ね5倍から10倍程度です。

また、事務職員については、大学事務職だけではなく病院職員として配属になる可能性もあります。
給与体系は私立大学と一般の病院職員の中間ぐらい、すなわち私大職員としては
待遇は「かなり悪い」ということになります。
教員数の問題だけではなく、どんなに儲からなくても附属病院を置く義務が法律で明記されており、
学生1人あたりの利益率は、他の学位の種類と比較して最も悪いのです。
現在、医療報酬の改正などがあり、附属病院の大半は赤字経営です。
さらに、教育・研究用として患者に行う大量の検査費用は、法令上混合診療となるため
患者は支払えず 、大学病院の負担すなわち大学の経費となっています。

医大は国策上倒産させられないのではという素人意見を目にしますが、
病院を守ることと大学を守ることは別事象の問題です。
病院は守られても大学が守られる保障はありません。
さらに一般の私立大学は理事会と主導のもとに、
専任職員がピラミッドの頂点に立って運営するとされていますが、
医大は病院運営と患者保護の名目上、医事会(=教授会)は法令上で理事会に優越します。
文系の大学では常勤の中で一番地位が高いのは専任職員(理事会は常勤でない)ですが、
医大では相対的に職員の地位は低くなり、
その上待遇にも恵まれないという苦しみを味わうことになります。

医大は私大職員の中では例外の存在として扱ってください。