http://baseballstats2011.jp/archives/56787639.html
「高校野球は特別」について

恐らく、私もいっちょ噛んでいるのだろうが、「高校野球は特別」と言う言葉に対する議論が起こっている。
「高校野球が特別、なんて誰が言っているんだ。当事者はそうは思っていない。インターハイと甲子園で中止の決定が違ったのは、組織が違うのだから当たり前だ」と言う論調だ。

>この「新型コロナウイルス対策連絡会議」に、高野連がオブザーバーで参加している。これは理解しがたい。プロスポーツは経済行為であり、試合を行うのは公共財としてのNPB、Jリーグを維持、存続させるためだ。いわば、商店が感染のリスクがあっても店を開くのと同じだ。

しかし高校野球は「教育の一環」であり、感染のリスクを冒してまで開催する理由は全くない。プロスポーツが試合を始めたからと言って「高校野球も」とはならないはずだ。

この危難の時期にあって、手を携えるべきは高野連と高体連だ。
両者はなぜ連携しなかったのか。おかれている境遇も、社会的立場も同じ2つの団体が歩調をそろえて、全国大会開催の可否をなぜ決めなかったのか?そうなれば、高校生はみんな、同じ条件で事態を受け止めることができる。

最終的に高野連も高体連も全国大会を中止したが、高野連が別の決断をしていたら、同じ学校で、多くの部活が活動を中止するなかで、野球部だけがグラウンドに出て練習をするような事態が出来する。これ、教育的に見て正しいことなのか?

>高体連と高野連が連携しなかったのは、どちらに責任があるのかはわからない。
しかし、どちらかが、あるいは両方が「高校野球は特別」と思っていたのは間違いない。その意識は、世の中にとって何のメリットもない。自分たちの縄張り意識、特権意識を満たすだけのただのエゴだ。

高校生の将来を本当に考えているのなら、今からでも高体連と高野連は、連携して事に当たる道を模索すべきだ。新型コロナ禍はこの秋冬には再び深刻になると言われる。そのときに、両組織が一緒に知恵を絞るべきだ。
そうでなければ、また学校に混乱が起こる。