新型コロナウイルスの影響が広がるなか、黒毛和牛の生産が盛んな鹿児島県で、
地元のJAが職員への期末手当として和牛の肉を支給しました。

この取り組みを行ったのは鹿児島県鹿屋市にある「JA鹿児島きもつき」です。
31日、JAの本所で、下小野田寛組合長が本所に勤務する職員に
冷凍パックされた県産和牛のバラ肉1キロを手渡していきました。

「JA鹿児島きもつき」では例年、年度末には業績に応じて職員や子会社の社員に
期末手当を支給していますが、ことしは新型コロナウイルスの影響を受けている畜産農家を支援するため、
現金ではなく、期末手当相当分の牛肉を購入し、それを支給することにしました。
今回、638人分を支給したということです。

鹿児島県は黒毛和牛の生産が日本一で、鹿屋市を含む大隅半島地域でも
多くの畜産農家が肥育や繁殖に取り組んでいます。
和牛の消費については新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて外食利用などが減少しているため、
低迷傾向が続いているということです。

「JA鹿児島きもつき」の下小野田組合長は
「外食、インバウンド事業、それに給食が大きく落ちこんでいます。
そういう中で和牛の単価も大きく落ち込んでいます。このことは肥育農家の経営を直撃します。
まず、私たち職員がこのことを認識して周りに伝え、そして消費者や国民の皆さんに
少しでも伝わっていけばと思っています」と話していました。