明日がござる
第8回 放送日1975(昭和50)年 11月19日
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三がパチンコ屋の店先きで、落ちている玉を拾って持ち帰るくせは、一向に直らない。
集子が叱ると、三は自分から押し入れに閉じこもった。集子は、家中から、厳しすぎると批判されたが、三のために、心を鬼にして叱りつづけた。もちろん、おにぎりの差し入れも忘れなかった。
中は、パチンコ屋の才男から、三が芸者たちのおまじないを立ち聞きしていたと知り欣太郎と郁子のパリ行きを足止めするための玉拾いだったと、理解した。
中の話を聞いた家族は、三のいじらしさに同情し、集子を冷酷な姉だと白い眼でにらんだ。
その日、思いがけなく、欣太郎の妹の静枝(香川京子)が、パリからやってきた。こうして、すっかりパリが身近になった世渡家の人たちは喜んだが、静枝には目的があった。板前の徳友の亡妻の法要に出席するためで、徳友との再婚も考えているようすだった。
一方、八奈見家では、前世が風邪で寝込み、各一が看病に追われたが、男の身ゆえ、かゆいところに手が届くようにはいかず、前世はその不満を郷子や秋に訴えた。
その夕、集子は公園の片隅で半ベソをかいていた。そこへ、やはり家族に尽くしながら報われなかった各一が、しょんぼりやってきた。ふたりは、明日はきっといいことがあるさ、と慰めあうのだった。