「日本国債のデフォルト確率はゼロ」話題のMMT提唱者語る
ダイヤモンド編集部
政策・マーケット 有料記事限定公開
2019.7.24 5:54
https://diamond.jp/articles/-/209691
世界中で話題の「現代貨幣理論(MMT)」。財政赤字を積極評価する“異端の理論”とも言われるが、
提唱者の一人、ステファニー・ケルトン教授(ニューヨーク州立大)に話を聞いたところ、日本の経済・財政
に対して驚きの主張を展開した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 竹田幸平、西井泰之)

――10月の消費増税に対しては、否定的な考えを示されていますが。
 消費増税が適切ではないと考えているのは、増税が景気や消費に与える影響を心配しているからです。
それに、日本の消費増税はインフレと戦うために行うものではありません。
 ただし、もし何らかの要因で、急激な物価上昇が起きたら、人々は自分たちの賃金や購買力が侵されて
しまいかねません。
 そこで、むしろ購買力を守るためにこそ必要だと理解すれば、国民は消費増税を歓迎するか、少なくとも
理解して受け入れやすくなるでしょう。ですから、人々が増税を常に拒否することになるとは思いません。

――財政拡張を続けると、日本国債が海外投資家の売りを浴びて金利が急騰し、通貨安・インフレの歯
止めがかからなくなる恐れはないのでしょうか。
 誰もが何かを恐れることができます。しかしそのシナリオが起こり得る合理的な恐怖かといえば、違います。
 これまで日本国債の空売りを仕掛けて失敗に終わったヘッジファンドなどは、この取引に賭けて資金を失っ
たのが現実です。投機家は日本の通貨に対してネガティブな賭けを行ったり、デフォルト(債務不履行)に近
づけようとしたりするかもしれませんが、そんなことは起こりません。日本政府が自ら債務不履行になる可能
性はというと、ゼロ%でしょう。