2018年07月12日(木)07時10分
中国人民元の下落がドル高要因に、米中協議の行方に注目

米中貿易摩擦が深刻化する可能性が警戒されている。
米国のトランプ政権は、2000億ドル相当の
中国からの輸入品に追加関税を賦課する計画を発表。
これに対し、中国も早速、報復措置をとると訴えた。

ただ、関税で規模的に米国と対抗できない中国は、
M&Aの承認を遅らせるなど
他の報復措置を検討していると報じられた。
中国は人民元を人為的に切り下げることも可能。
中国人民元は対ドルで急落し、2015年8月以来で最大の
下落幅を記録し、ドルを押し上げる一因ともなった。

警戒感をよそに、貿易論争が改善する兆候も見られる。
当初、トランプ大統領は1000億ドル相当の
中国輸入品に対して25%の関税を発動するとしていたが、
決局2000億ドル相当の輸入品に10%の関税を課す
計画に変更。全体的には方針を緩めた形となった。

米中貿易協議が水面下で進んでいる兆候も見られる。
米国のサプライヤー業者との取引を禁じられている
中国通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)が
制裁解除に向け一歩前進したと述べた。
米商務省が11日、電子メールで発表した声明によれば、
ZTEは商務省とエスクロー協定に署名したという。
ZTEが同勘定に4億ドルを入金次第、制裁は解除される模様。

同社は現在、米国政府から一時的な免除を受けて
事業活動を行っているが8月1日で期限切れとなるようだ。
米中貿易協議では、ZTEの制裁が鍵となっていた形跡もあり、進展に注目が集まる。