(第2部)

■嵐は過ぎ去った
冷静に考えると、今日一日で日銀は1000兆円分の国債を購入している。
政府がドル売り介入で売ったドルは1兆ドル。その代金300兆円を
政府が市場から吸い上げたため、同額を日銀が市場に供給するべく、
国債を購入した。額面の3割に暴落していた国債を額面1000兆円
分購入したのである。

日銀は以前から大量の国債を保有していたため、合計すると、
今では発行済国債のほとんどを日銀が保有している事になる。
政府の財政赤字は、事実上消えたと言っても過言ではない。
政府が売却した1兆ドルは、かつてドル安円高だった時に
ドル買い介入で購入したものである。購入時は1ドルが
100円であったから、取得価格は100兆円という事になる。

政府と日銀を連結決算で見た連合軍は、100兆円で買った
ドルを300兆円で売り、それを使って1000兆円分の国債を買ったので、
今日1日で900兆円の利益を稼いだ事になる。何の事はない。
敗者に見えた連合軍が、実は最大の勝者だったわけである。