■売りが売りを呼ぶパニックのメカニズムを解説(初心者向け)
金融市場という所では、値下がりすると売り注文が増える力が働きやすい。
たとえば「損切り」という自主ルールを設けている投資家は多い。
一定以上の損が出た場合には、一度すべての持ち物を売る、
というルールである。損失が無限に拡がる事を回避する目的、
負けが込んだ担当者が冷静になるための時間を設ける目的、
等があるとされている。このルールにより、
値下がりが売り注文を増やすのである。
借金で国債を買っていた投資家には、不安になった
銀行から返済要請が来るので、泣く泣く売らなけ
ればならない、という場合もある。国債先物を
買っていた投資家も、同様である。株式であれば、
「信用取引」を行っている投資家が株価の下落
によって「証拠金の追加」を要求され、
払えない場合には泣く泣く持ち株を手放す
事があるが、同様のことが国債についても
通貨についても発生し得るのである。
このように、「売りたくない売り」が
大量に出てくる事が予想されると、
先読みをして「売りたくない売りが出て
くるはずだから、自分が先に売っておこう」
と考える一般の投資家たち(及び投機家)
が出てくるので、一層価格が下落することになりかねない。