「アベノミクス」の発想を根本的に変えない限り日本経済は沈む

減少し続ける家計消費

家計の賃金が増えないうえに、税や罰金、社会保険料などの「非消費支出」の増加が圧迫しているために、
実際に使える所得としての実質可処分所得は賃金以上に減少しています。
例えば、家計調査から今年2月の勤労者世帯の所得を見ると、実質実収入が前年比2.4%減少したのに対し、
非消費支出が3%増加し、実質可処分所得は前年比3.4%の減少となっています。
次に、年金が「マクロ経済スライド」で年々実質減少していることです。
従って、年金受給世帯の実質所得は減少していることになります。

マイナス金利政策の逆効果

そして「マイナス金利」の圧迫です。
将来インフレになると思えば、それに備えてますます貯蓄を増やしておかねばならず、
更に預金金利が下がれば、金利収入が減る分、今まで以上に貯蓄しなければならないと感じ、貯蓄が増えて消費が減っているのです。
1月末に日銀がマイナス金利を打ち出したあと、2月の「消費者態度指数」は、マインドが急速に悪化し、これが消費を抑制したのです。
マイナス金利のが誤ったのは、そんなに景気が悪いのかという漠然とした不安だけでなく、
老後に備えて蓄えた貯蓄が増えない、ないしはマイナス金利でいずれ減少するとの不安を惹起した面もあります。