「うーん、藤間くん間違いなく死んでるよーキミ!」
妙に明るい呑気な声が聞こえて来たので、砂利の上から体を起こす。
ドロリと粘度を増したドス黒い血液が胸に開いた穴から流れ出てくる。
声のする方を向くと、アロハシャツにチノパン、そしてビーチサンダルを履き赤いセルフレームのサングラスをかけた老人がこちらを見つめている。
禿げた頭に、顎には長い白髭……子供の頃に見たアニメ、ドラゴンボールの亀仙人みたいな出で立ちだ。
「自分が撃たれて死んでる上に、亀仙人みたいな爺さんって、我ながらセンスの無い夢だな!」
思わず、そう吐き捨てるように叫ぶと
件の亀仙人……いや、老人は言い放った
「夢じゃないよ藤間春雄くん。キミは間違いなく死んでるよ。」
あぁ、夢なら覚めてくれ!今すぐにだ!!
頬を思いっきりつねってみたが、夢から覚める様子はない。それどころか、痛みも全く感じないのだ。