■フィリピン 高等学校用「フィリピン国の歴史」(一九八一年版)
日本軍の残酷さとくに地方での女性に対する邪悪な扱いは、多くの市民がゲリラになる
要因の一つであった。多くのフィリピン人は、有罪無罪を問わず捕らえられ、サンディアゴ砦や、
日本軍が接収し刑務所とした他の施設に送られた。家に戻ることができた者にしても、不自由な身体となっていた。

■インドネシア 中学校用「社会科学・歴史科 第五分冊」(一九八八年版)
日本時代にインドネシアの民衆は、肉体的にも精神的にも、並はずれた苦痛を体験した。
日本は結局独立を与えるどころか、インドネシア民衆を圧迫し、搾取したのだ。

■ベトナム 十二年生用 「歴史 第一巻」(一九八四年版)
もう一つの非道な政策は、日本への供出用と戦争の備蓄用とのために、食料、とくに米の
強制かつ廉価な買いつけをしたことである。この非道な政策こそ、市場における深刻な食糧
不足をもたらし、一九四五年初頭の数ヶ月の間に、北部で、二〇〇万人以上のわが同胞が餓死した直接の原因となった。

■シンガポール 中学校初級用 「現代シンガポール社会経済史」(一九八五年版)
日本軍がシンガポールを攻撃したとき、人々は戦争の恐怖を体験しなければならなかった。
日本軍が島を占領した三年半の間は、さらに大きな被害と困難な状況が待ち受けていた。
この時期は、日本軍占領時代として知られている。

■マレーシア 中学校二年生用 「歴史のなかのマレーシア」(一九八八年版)
「日本は、マレー人の解放獲得への期待を裏切った。日本人はマラヤを、まるで自分たちの
植民地であるかのように支配した。今度は彼らがイギリス人の座を奪ったのだ。日本の支配はイギリスよりずっとひどかった。」
「日本がマラヤを占領したとき、彼らは中国人に対して、厳しく乱暴だった。彼らはすべての
中国人は反日であると疑っていた。シンガポールを占領したのち、日本は数万人の中国人を殺した。

■ミャンマー 八年生用 「ビルマ史」(一九八七年版)
日本時代にもっとも強大な権力を見せつけたのは、日本軍のキンペイタイン(憲兵隊)である。
一般の国民は、憲兵隊の思うがままに逮捕され、拷問され、さらには虐殺されたのである。