日本企業は、雇用の現状維持の傾向が強く、
技術進歩に伴って本来であれば機械で代替できる部分で人間を働かせていたり、
高スキル人材を養成したりしていない。

 順送り人事、過去と同じ業務の繰り返し、
働き方の現状維持、の結果といえる。

 つまり、技術進歩に応じた雇用状態が合っていないため、
生産性低下、企業競争力低下を招いているものと思われる。

 技術進歩にもかかわらず、雇用の現状維持を続けることは、
企業のイノベーションの足を引っ張り、生産性の低下、
競争力低下につながるのだ。

● AI導入で機械への 代替が一気に進む予兆

 前述の図表3でわかるように、
日本での情報化投資は米国よりもコストが高い。
雇用慣行や人事だけでなく、このことも、
日本で情報化投資が遅れてきた背景だ。

 だが、情報化投資のコストは下がり続ける。
日本でもいつかの時点で、
多くの企業で人間を雇用するコストよりも情報化投資の方が安くなる境界点が到来する。