そうして遂に、三人は弘に追い付いた。弘は抜かれまいと走り出すものの、転んで足を挫いて動けなくなってしまう。「俺たち弘に勝ったんだ!」。喜び勇んで頂上へ向かう三人。

けれども、頂上の手前に来たとき、幸太は弘のことを心配し、光男と共に引き返す。義之は、約束の12時までに頂上に着いてメダルを貰うから、と一人で行ってしまった。

「来年ももう一遍勝負だ!」と弘を助けて歩く幸太と光男の前に、先に行ったはずの義之が現れ、弘のために木の枝で作った松葉杖を差し出した。弘は涙を流して義之に謝った。

一方、頂上で待ち受けていた先生や仲間たちは、助け合って登る四人の姿に喜びと感動の声を上げて迎えるのであった。

そうして夏休みも終わり、二学期のある日、陣馬山競争の後、4年1組のクラスは、前と違った楽しいクラスになってきたようだった。フクロウ先生と子供たちの楽しい声が響いてくる。