仏企業「Edenred」と調査会社「IPSOS」が世界15カ国で行なったこの調査によると、日本人は世界と比べて、ダントツで仕事にいい印象をもっていないことが分かった。
日本人は仕事に対する意識が異様に低い。ちなみにこの調査によると、世界で最も仕事に前向きなイメージを持っているのはインド人だった。

 この調査結果のリポートをもう少し詳しく見ると、日本人は仕事に次のようなイメージをもっていることが指摘されている。
「朝、出社するのが苦痛」で、「職場環境は刺激的ではなく」、多くの社員が「上司から尊重されていない」と感じているが、
「会社から何を求められているのかは明確に分かっている」。つまり、日本人は会社が自分に求めることははっきりと認識しているが、会社が嫌いなのである。
この結果を見ると、日本人は会社から仕事を押し付けられて、いやいや働いている人が多いという印象を受ける。

外国や外資系企業で働いたことがある人なら分かるはずだが、多くの外国人にはこういう「責任感」はないと言っていい。筆者は英企業に勤めた経験があるし、
米国でもいくつもの企業や大学、研究所を訪問したり、友人などから話を聞いたりするが、
勤務終了時間になれば、見事なまでにオフィスから皆いなくなるし、他人の仕事を気遣って残業するなんてことはまずない。特に米国では、上司が帰るのを待ってから、とか、ダラダラとオフィスに残って仕事をするなんてことがない。

 ただそんな米国は、今も世界最大の経済大国である。これについては、なぜなのかと疑問に感じていたが、英エコノミスト紙はその理由を皮肉たっぷりに書いている。
「(日本の)超過労働は経済にあまり恩恵をもたらしていない。なぜなら、要領の悪い労働文化と、進まないテクノロジー利用のおかげもあって、
日本は富裕国からなるOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも、最も生産性の悪い経済のひとつであり、日本が1時間で生み出すGDPはたったの39ドルで、米国は62ドルである。つまり、労働者が燃え尽きたり、
時に過労死するのは、悲劇であるのと同時に無意味なのだ」