むかしむかし日本という国には「サラリーマン」という奴隷階級がありましたとさ

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古代ローマにおける奴隷は戦争捕虜として最初は連れられてくるが、非常に貴重な働き手だった。

そのため「生かさず殺さず、子供を作ってもらいたい待遇」で今で言えばちょうどサラリーマンみたいな存在だった。

現代でも会社に全てを捧げ、奴隷同然に働く会社員は「社畜」と呼ばれるが、21世紀になっても2000年前の奴隷と大して変わらない生活をしているのが現実だ。

奴隷の場合は、生殺与奪の権利が所有者にあるのでサラリーマンとは違う、という意見もあるが、ブラック企業ならば大して変わらない。むしろ「社畜は使い潰されて過労死することもあるから奴隷以下」であるとも言える。

(転載開始)

英ケンブリッジ大学のジェリー・トナー教授も「クーリエ・ジャポン」に2015年6月に掲載された記事で、ローマ時代の奴隷制と現代の「賃金奴隷制」について書いている。

人権意識などない古代ローマでは、奴隷が罰として暴力を受けたり、子供を売り飛ばされたりすることもあった。その一方で奴隷1人の価格は家族4人を2年間養えるほどの大金だったため、奴隷を虐待して疲弊させることは資産価値を損なうと考えられていたという。

そこでローマ人は、よく働いた奴隷には特別に服や食べ物などを与えていた。現代の「賃金奴隷」のインセンティブはお金ではあるが、「原理は同じ」だとする。

奴隷には自由時間もあったほか、主人と良好な関係を築きながら真面目に10年ほど働けば、多くは解放されて自由の身となっていた。こうした長期的なインセンティブも奴隷のやる気を高めていたとしている。

トナー教授は「現代の私たちは、人の上手な管理のしかたについて、ローマ人から数多く学ぶことができるのです」とも書いている。