全国大会にも出場したことのある奈良県立山辺高校のサッカー部で、提携するサッカーアカデミーの監督からパワハラを受けたとして元部員2人が監督らに1100万円の賠償を求めた裁判で、奈良地裁は、原告の1人に6万円を支払うよう被告側に命じました。

 奈良県立山辺高校のサッカー部の部員だった2人は、高校と提携するサッカーアカデミーの監督で元Jリーガーの興津大三氏からパワハラを受け精神的苦痛によって退部を余儀なくされたとして、興津監督らに対して合わせて1100万円の賠償を求めていました。

 訴状によりますと、2人は監督から「そんなんやから何もでできひんねん」「病んでる状態で戻ってくんなよ」などと言われたほか、他の部員の前で父親の悪口を言われたとしています。

 26日の判決で、奈良地裁は、原告の元部員1人について、「他の部員らが原告1人に対しトイレ掃除をさせたことを放置したことに関しては、被告側に不法行為が成立する」として6万円を支払うよう命じました。

 一方、もう1人の元部員については、「原告のみを狙い撃ちをした発言ではなく、サッカー指導との関連においてそのような発言をしたものとして、違法なパワハラ発言であったということはできない」として訴えを退けました。

 判決後の原告側の会見で、不法行為が認定された元部員は、「納得です、訴えたいことは認められた」と話しました。

 また、原告の代理人によりますと、訴えを退けられた元部員については、控訴するか相談して決めていくとしています。