《若き日のバレンタイン。宮アのばあちゃんに飛行機代をなんとか捻出してもらって、スポーツジムでインストラクターとして働くまでの軌跡》

●19歳、夢と現実の狭間。
天才的な頭脳を持つ青年・バレンは、ケンブリッジ大学医学部首席合格という栄光を手にした。医師としてお金持ちになる未来を夢見ていたバレンは、輝かしい未来への第一歩を踏み出すかに思われた。
しかし、高額な授業料という現実が、バレンの夢を打ち砕く。年額1280万円という壁は、制服以外の服を買えなかったバレンの情熱を冷まし、医師への道を断念せざるを得ない状況へと追い詰める。

●20歳、新たな挑戦への船出。
夢破れたバレンタインは、全く違う道を歩み始める。音楽の世界に飛び込み、D-CLANという全員ハーフで構成されたヒップホップユニットにシンガーとして加入する。
かつてのガリ勉生活とは一変、華やかなミュージックシーンでの挑戦が始まった。
しかし、バレンは音楽的な知識も歌唱力も持ち合わせていなかった。
唯一のレパートリーは、幼い頃から宮崎のばあちゃんが好んで聴かせてくれた美空ひばりの「愛燦燦」だけだった。

●再び挫折、バレン23歳。
音楽的才能とは無縁だったバレン。それでもバレンは夢を諦めなかった。
自分が大好きなバレンは D-CLANの中心メンバー、リーダーとして、そして世界的スーパーミュージシャンになる壮大な野心を抱く。
しかし、自己中な性格ゆえにメンバー間の確執は絶えず、グループ崩壊へと繋がり、バレンのスーパースターへの野望は音楽の世界でも潰えてしまう。