もっとも、高級クラブで2次会が行われるような場合、
有力マスコミの記者らも顔を出していたので、報道に自制がきいていたのかもしれません」
この出席者は「激励会」の記念品だった北の湖親方の手形が押された色紙を手にしながらそう語った。
調べてみると、こんな話があることもわかった。昨年の名古屋場所で山口組系幹部らが観戦していた問題に関連してのことだ。
誰が観戦の手配をしたのかなどは一切、明らかになっていなかった時点のことである。
さる新聞記者が語る。
「発覚当初、記者クラブ内で、暴力団の相撲観戦について報じないよう申し合わせする動きがあったんです。
が、それを是としない社が単独で報道したことをきっかけに、各社があとに続いて問題が大きくなった。
もっとも、それでも頑として報じない社もありました」
相撲界と暴力団の関係が長年、放置されてきた土壌がこんなところにも見て取れるが、さらに別の要因を指摘する証言もあった。
前出の捜査関係者が語る。「恥ずかしながら、A氏は警察も取り込んでいる。
部長級で退職した県警のOBなどがB社の顧問に就任するケースもあった。
それゆえ、羽田空港工事以外にもいろいろと公共工事への参入工作はあるのだが、なかなか断固たる対応が取れない。
マスコミはこうしたことを承知しているので、積極的に報じないのです」