>>544のつづき
<<具志堅に指摘された井上尚弥のニエベス戦を思い出させる事件>>

●映画化された、グローブの石膏づけ中綿を抜く事件

試合はルイス・レストが10回3-0の判定で勝利したことが告げられ、
レストがコリンズのコーナーへ行き、コリンズのトレーナー兼父親の
ビリー・シニアに握手を求めた。しかしビリー・シニアがレストの
ボクシンググローブが普通よりも薄いことに気づき、ニューヨーク州
ボクシングコミッションにグローブの調査を要求する。
調査の結果、それぞれのグローブの手のひらの部分に0.75インチの穴が見つかり、
1オンスずつ中綿が抜かれていたことが判明した。コリンズは虹彩を損傷するなど
視力障害でこの試合を最後にボクシングを引退せざるを得なくなった。
1983年7月1日、ニューヨーク州コミッションはパナマ・ルイスがグローブに
細工をしたと断定し、パナマ・ルイスのボクシングライセンスを永久に剥奪すことを決定。試合結果もノーコンテストに変更した。

1984年3月6日、コリンズがテネシー州の自宅近くで排水溝に車を激突させ事故死する。ボクシングを続けることが出来なくなったことに悲観しての自殺と言われている
1986年10月、ルイスとレストは裁判にかけられ、暴行罪、武器の不法所持、
犯罪の共謀で有罪となり、ルイスに懲役6年、レストに懲役3年が宣告される。
(ルイスは1990年に出所する)
数年後、この事件に焦点を当てたドキュメンタリー番組「リングの中の暴行罪」
の中で、レストはルイスが少なくとも2回グローブから中綿を抜いたことがあった事と、パンチ力を増すためにバンテージを石膏に浸していた事を証言している。