新海 『万引き家族』はすごく社会的な映画だと思いました。『天気の子』は貧困問題に正面から取り組んだ作品では全くなく、アプローチが全然違っています。
僕の映画では、ただ単純にどういう状況であっても楽しそうに生きてる少年少女を描いてみたかった。

食材を買うお金がこれしかなくてこういう食材しか手に入らなくても、その中でササッと鮮やかに美味しそうなものをつくってくれるみたいな。

ラストシーンもそうなんですが、どういう状況であったとしてもそれでも笑顔を見せるような姿をみて、自分自身が励まされたいという気持ちがあったと思います。

『万引き家族』はすごく面白い作品で、いろんなことを考えさせられる映画ではあるけれど、与えようとしている後味は随分違うなと思いました。

──題材は近いけれど、アプローチの仕方が異なる?

新海 そうですね。是枝監督に伺ったわけではないので、作品でやろうとしている目的は分かりませんが、随分違うんだろうなとは思います。

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