稲村 後半の三葉と瀧(主人公の少年少女)が山の上で出会う「カタワレ時」の辺りを担当しました。具体的には、カタワレ時に三葉と
瀧がついに出会って、「瀧くん、瀧くん、瀧くんがいる……」という三葉の台詞から、雲海と彗星をバックに二人で笑い合うまでです。

――後にポスター(田中将賀さん作画)にもなった感動的なシーンですね。クライマックスと言ってもいい。

稲村 本当に難しかったです。三葉が感極まって泣き出すんですが、どのタイミングでどのような仕草で泣けば彼女らしい演技になるのか
でかなり悩みました。社外での参加なので、キャラクターの演技を社内の人たちがどのくらいの温度で描いてるかも推測しながら描いて
いくしかなくて。「明るい性格」と聞いていましたが、明るさにも色々ありますから。涙をいつ手で拭うのか、流れるままに任せるの
か……とか。