全米野球記者協会に所属する記者が投票権を持つア・リーグ最優秀新人賞の発表が12日に行われ、
エンゼルスの二刀流・大谷翔平選手が2位のミゲル・アンドゥハー内野手(ヤンキース)、3位のグレイバー・トーレス内野手(ヤンキース)に大差をつけ、
日本人選手としては'01年のイチロー(マリナーズ)以来、17年ぶり4人目の受賞を果たした。
だがこの間、決して日本人選手が新人王にふさわしい活躍を見せなかったわけではない。
2003年の松井秀喜(ヤンキース)は打率.287、16本塁打、106打点で地区優勝に貢献も2位。
2005年の井口資仁(ホワイトソックス)も2番打者として地区優勝の原動力となり、打率.278、15本塁打を放ったものの4位に終わった。
投手でも2007年の松坂大輔(レッドソックス)は15勝を挙げ地区優勝を果たしたが4位。
2012年のダルビッシュ有(レンジャーズ)はオールスターに出場し16勝で3位、2014年の田中将大(ヤンキース)は13勝で5位、
2016年の前田健太(ドジャース)は16勝を挙げ地区優勝に貢献したが3位だった。
その理由として、全米野球記者協会の多くの記者から、
★こんな意見を聞いた。
「レベルの高いNPBを経た日本人選手と純粋な新人を比べるのはいかがなものか」
とはいうものの、以前はまったく違った。先駆者・野茂英雄は新人の年にオールスターに出場し13勝を挙げ、236三振で奪三振王。
日本のプロ野球で4年連続最多勝と奪三振王に輝いた経歴がありながら、彼らは「NOMO」を新人王に選んだ。
言うまでもなく大谷はNPB出身のメジャーリーガーだ。日本ハムで5年間も実績をあげた。なのに、今年の大谷に日本のプロ野球云々を問う記者はいなかった。
それはなぜか。大谷がベーブ・ルース以来、100年ぶりにメジャーリーグに現れた真の二刀流であり、その実力が本物であったことを彼が証明したことに尽きる。
それほどのインパクトを与えたのが160kmの直球であり、150m級の本塁打であった。
受賞後、米メディアはこぞって、春キャンプの不調から一転した開幕後の投打にわたる大爆発の理由を聞いた。
“二刀流は無理”とタカを括っていた彼らに残した最高のインパクト。大谷の実力を知らしめるに、これほどの明暗もなかった。
現状に甘んずることなく、常に先を見据えるこの姿勢。メジャーリーグ新時代の先駆者となるために、
二刀流・大谷翔平は前へと進んでいく。