――そもそも、ストレスを溜めやすいのは、どんなタイプの人なのでしょうか?

高木 マイナス思考や自己否定感が強い人、完璧主義者や気の短い人、また、他人に気を使いすぎ
たり人目を気にしたりする人や、プライドが高い人などで、ストレスをうまく発散する術を持たな
い人です。

――そのような人に、マイメロ論的思考は合いますかね……?

高木 特に、真面目で几帳面、完璧主義者の人がマイメロ論を取り入れようとすると、「マイメロ論
のような考え方をしなきゃ」と、余計にストレスを溜めてしまうかもしれません。なので、あまり向
かないと思います。

――では逆に、向いているタイプなどはあるのでしょうか?

高木 例えば、他人の言葉を一字一句気にしてしまうくらいあらゆることが気になる人や、全ての出
来事をマイナスに捉えてしまうような人には、ある意味有効かもしれませんけれど……どのようなタ
イプの人であれ、マイメロ論はおすすめできるものではありません。

――あらためて、若い女性の間でマイメロ論が広まっていることについて、率直な感想を教えてください。

高木 こんな論理が出てくること自体に衝撃を受けました。意図して、解離性障害の状態に、自分を
持っていくなんて……って、びっくりしたというのが正直な感想です(笑)。ただ、最近の若い人は、
「頑張って稼いで、いい車や家を買いたい!」などの考えがあまりないと聞きます。あえて困難に立
ち向かい、それを乗り越えようと頑張るより、イヤなことから逃げることも大事といった感覚が強い
ゆえに、マイメロ論がはやっているのかもしれませんね。

 ただ私からすると、マイメロ論的思考が通用するのは、人格の確立していない10代までじゃないかと思っ
てしまいます。

もし20〜30代でこのような考え方をしている方が患者として私のところへ来られたら、マイメロ論的な思考
をするよりも、「認知行動療法」や「アサーショントレーニング」をおすすめするでしょうね。