みずうみ

数分ののち、ぼくはひとりで、なぎさを歩いていった。そして、足をとめ、なにかを見おろした。ここが、監視人の彼女を発見したところだ。
そのみぎわに、砂の城が、半分つくられたまま残っていた。タリーとふたりで、つくったとおりに。彼女が半分。ぼくが半分。
ぼくはそれをみつめた。そのそばにひざまずいて、小さな足跡を見た。それはみずうみから出てきて、また、水にもどって、二度と帰ってきていない。
それで―――ぼくは知った。


悲しく幻想的なホラーですね
アメリカによくあるグロテスクな怪物ホラーじゃなくてこういうもの悲しさが日本人の琴線に触れるので
ブラッドベリは熱狂的なファン層を獲得した