>>391 続く

 そのうえで上海モーターショーでは世界最大の電池メーカーであるCATLが
「凝聚態電池」(コンデンスドバッテリー)という半固体電池を出してきた。
三元系リチウム電池の2倍程度のポテンシャルを持つという。

 さらにBYDはリン酸鉄リチウムより安価な「ナトリウム電池」を搭載した新型車を出展
している。こういった電池が実用化されたら三元系リチウム電池など勝負にならない。

■中国勢はスマートグリッド構想やその先までを想定して動いている?

https://i.imgur.com/9Z4q19Q.png
中国車のインテリア。その完成度はすでに日欧米メーカーの域にまで迫っており、
エンタメ性などもはや凌駕さえしている面も

 続いて2)は日米欧勢メーカーが最も苦労している部分といえる。
トヨタを見ると「アリーン」と呼ばれる電気自動車用次世代OSを総力挙げて開発しているし、
ソニーホンダモビリティはソニーが専用OSを作っているという。

 具体的に説明すると、例えば先ほど挙げたスマートグリッド。太陽光発電や風力発電
など再生可能エネルギーは発電量が時々刻々と変化していく。有効に利用しようとすれば
蓄電池が必要。

 電気自動車を充電カプラーに繋いでおけば蓄電池として使えるため、相当な容量の
電力を出し入れできる。余った時は充電。足りなくなったら放電します。
そのコントロールは現在の車載OSだと難しい。

 中国勢はスマートグリッドや、交通の流れの統合システム、クラウドやビッグデータを
使うことまで想定したコネクテッド機能など動かせる。トヨタのアリーンは2025年の完成
を目指してます。

■内外装のデザインも中国車は驚くべき進化を見せている

https://i.imgur.com/nX1TqWr.png
北京市内のショッピングセンターに出店しているEVブランド、NIOのショップ内で。
本気で欧州メーカーのデザイナーを招いて独自のスタイリングを作り上げている

 3)についていえば今まで中国勢が最も苦手としてジャンル。文化やブランドを持って
いなかったため、日米欧の人気車をパクるしか手はなかった。上海モーターショーに
出展された中国勢を見ると依然パクりが残るものの、BYDやNIOなど世界的に高い評価を
受けているデザイナーをヘッドハンティングして起用。小さい車種から高額車まで素晴らしい
デザインが次々と出てきた。

 特に日米欧のデザイナーは電気自動車的なフロントデザインに四苦八苦している。
ポルシェですら電気自動車らしさを出せていない。対する中国勢は電気自動車しか
考えていない。

 デザイナーも新進気鋭の人材を多くのメーカーが投入してきており、新しい世代の
電気自動車の輪郭やイメージが生まれつつあるように思う。日米欧はエンジン車を
引きずってます。

 続く