昨年3月まで6年間ほど、ある私立大学で授業を持っていた筆者の経験では、就職戦線に臨む大学生は、
全国区のメガバンクばかりでなく、地元の地銀や第二地銀なども含めて銀行から就職の内定をもらうと、
就職の成功者、いわゆる「勝ち組」的な周囲からの評価と、自己認識を持つことが多かった。
銀行は、友人に自慢でき、親にも安心してもらえる「いい就職先」だったのだ。

 ただし、実はずっと前から、銀行はどこの大学を卒業したかという学歴がいつまでもついてまわる職場で、
出世しやすい一流大学(典型的には慶應義塾大学)以外の大学を卒業して入社しても、将来の出世は見込みにくい。
また、実質的な"選手寿命"が短いので(詳細は後述)、よほど銀行員向きの学生以外には、勧めにくい就職先だと思っていた。

「銀行は、必ずしもいい就職先ではない」という認識は、すでに学生の間に広がり始めているようだ。