【南九州税理士会事件と群馬司法書士会事件】
〔南九州税理士会事件〕特別会費を徴収して特定の政治団体に政治献金したことが、構成員
の思想良心の自由を侵害しないか→決議が民法43条の目的の範囲外として無効とされた。
〔群馬司法書士会事件〕阪神淡路大震災のときに兵庫司法書士会(被災者一般ではない)に
義援金を送ったことが、構成員の思想良心の自由を侵害しないか→民法43条の範囲内とし
て有効とされた。
〔上記両事件は矛盾しないか〕矛盾しない。税理士会事件においては政治献金という投票の
自由と表裏をなす行為であり、自分で決めるべき要請が強いものであったため、構成員の思
想良心の自由の侵害の程度が大きかった。これに対して、司法書士会事件においては義援金
ということで、構成員の思想良心の自由の侵害の程度が比較的小さかった