実のところコードのサイズが重要なのではない、という考えは、
ケント・ベックがオリジナルのSmalltalkシステムにおける実例に
よって示してくれたものだった。当時のSmalltalkはモノクロディスプレイで
動作していたので、テキストやグラフィックをハイライト表示したいときには、
画像を反転させることで実現する。そしてSmalltalkの画像のクラスには
この“Highlight”(ハイライト)と呼ばれるメソッドがあり、
この実装は単に“reverse”メソッドを呼び出すものだったのだ[4]。

この名称は実装よりも長いのたが、コードの意図とコードの
実装のあいだには大きな距離があったから、そのことは大きな問題にならなかった。