心底気味が悪かったのは、元夫も妹も生まれてくる赤ちゃんと自分たちが祝福されると信じて疑っていなかったこと。
元夫に至っては、私と娘たちとも元通りの関係になれると思い込んでいたみたい。
誰も来ない披露宴をやって、誰も祝ってくれないと嘆いた妹はその後男の子を生んだけど、事情を知っている親戚が「おめでとう」と言えるはずもない。
興味もなかったし、そっちはそっちで勝手にやれって呆れていたんだけど、
しばらく没交渉だったけど、義父が亡くなった際の遺産相続で騒ぎ出した。
義父が一人息子をすっ飛ばして孫娘二人に遺産を遺したことに逆恨みしていた。
「一番多感な時期に孫に不憫な思いをさせたから」って生前の元義父が遺言したそうで。葬儀が終わった後に落ち着いてから元義母から聞いた。
「俺を差し置いて」とか「うちの子だって孫なのに!」って二人が電話越しに喚いた。
相続の知識なんかないから、てっきり配偶者と子供に分配だと思っていたんだけど故人の遺言がある場合はその限りじゃないらしい。
元夫と妹は全力でアテにしていたようで、しばらく電話がうるさかった。
仕事の都合で番号を変えるわけにはいかず、着拒しても別の携帯から掛かってくるんで再度弁護士にお出ましいただいた。
娘たちも成人しているので、相続に関しては本人の意志に任せて、相続するつもりなら身の丈に合わない暮らしをしないように言うにとどめた。