今日は一般に医者は高給取りと思われている世間の誤解を解くべく医師の給与事情についてお話したいと思います。

正直、医学部に進学できるくらいの能力をもっている人でしたらトヨタさんや商社など給与レベルの高い会社に勤めた方がよほど待遇が良いです。
勤務医の場合、50代でも年収1200〜1500万程度でそれ以上は上がりません。
一流企業の部長さんクラスだと年収2000万もあるそうですが勤務医では年収2000万などほぼありえません。
事実、有名商社勤務などのほうが同年齢ではよほど年収が高いですね。
僕の友人にも在京の有名商社に勤めているのがいますが同年代の勤務医よりよっぽど年収が高いです。
しかも医者ほど勤務時間が長くない

医師の年収1000万といっても当直やら残業やら休日出勤をやりまくった挙句の年収です。
普通の9時?18時の勤務では絶対にもらえません。少なくとも平日9時-21時は間違いない。もちろん夜は呼ばれたら行くし休日も出勤。
僕の年収が高い時は残業は月100時間を越していました。おまけに80時間以上の残業代はもらえませんでした。
先にお話した、年収で1000万以上もらえるのは〇〇市民病院などの一般病院の話であって、それが大学病院になりますと年収300~500万円程度です(これは手取り額ではない)。
下手すりゃ年収ゼロの無給医なんていうのも大学にはいます。信じられないかと思いますが本当にその程度なのです。
それではとても足りないのでみんなバイトをして生活費を稼ぎます。当たり前ですがバイトは休日を返上してやります。

それに一般企業では当たり前の福利厚生なんていう言葉はどこの世界のことやら。病院から病院の異動すらも自腹だったりします。
僕も大学の医局の命令でほぼ1?2年に1回勤務地が変わり引越しをしていましたが引越し代が出たのは地方病院に勤務することになった1回だけ。あとは全部自腹でした。

医者の仕事ははっきり言ってブラック企業です。
昔3Kなんて言う言葉が流行りましたが、医者の仕事はきつい、汚い、危険、苦しい、帰れない、休暇が取れない、給料安いなど3K以上のK言葉がぴったりです。
好きでなきゃこんな仕事できません。
そんな仕事でも進んでなりたいといってくださる若い学生さんたちはありがたい存在です。しかし現実に医師になった途端、その重労働のために夢はもろくも崩れてしまったりするのです。
最近はあまりの労働環境の過酷さから現場からドロップアウトする若い医師も多い。
医師の仕事とはいまの若い方にとっては能力に見合わない給与のうえに体力的に相当キツい職業になりつつあります。