>>54
>科目を減らさないと上位大学の比例劣化版の学生しか入らない

確かにその通り。名工も農工も電通も多分そう考え、独自色を出すために理科1科目で選抜していたのだろう。
しかし、最近になって、農工と電通は2科目に宗旨変えした。これははなぜか?
背景には、中部とは異なる首都圏の受験事情がある。

首都圏の場合、農電の上には、国立で言えば東大東工大筑波大千葉大横国大、私立で言えば早慶といった大学があるが、
いずれも理系には基本的に個別で理科2科目を課している。
もし、農工や電通が、これら上位の大学から溢れてくる層を拾うことを主に考えるのであれば、同様に理科2科目を課してハードルを上げておけばいいし、
理科1科目のマーチ理科大を主に考えている層にも農電を視野に入れてもらおうと考えるのであれば、理科1科目にして間口を広げておけばいい。

農電は、当初は後者の考え方を採り、理科1科目で選抜していた。しかし、首都圏のマーチ理科大志望者層は何と言っても母集団が膨大だ。
そういう層に門戸を拡げれば、高校段階で理科を1科目しかきちんと勉強していない学生が増えることになる。
実際に増えたところで問題が顕在化し、教育現場側からそれではやはり困ると指摘され始めた。

結果として、上位の大学とは異なった個性に門戸を拡げる、という理念よりも、基礎学力不足という現実的な問題への対応を優先せざるを得なくなり、
個別入試で理科2科目を課すことにしたということなのだろう。
首都圏の場合、マーチ理科大の理科1科目受験者をシャットアウトし、筑横千や早慶から溢れてくる層にターゲットを絞っても、
十分な数の志願者を確保できるし、むしろ入学者の質の維持という観点からはそのほうが望ましいというというのが、農電が辿り着いた結論だ。