アンはランカスター家に嫁いだ以降、延々と被害者面不幸のヒロインごっこをしてますが、それがかなり滑稽に見える

特に第2部以降に不幸面が顕著になるのは、アンの周辺に対等な友人や親身になってくれる人間がいないからだと思う。
色々な人間がアンのことを親しくするより利用すればいい、「その程度」の人間だと思っている。でも、アンって確かに「その程度」の人間でしかないし、そもそも本人がそう見られる原因を作っている。 

「ウォリック伯の娘」「莫大な財産の相続人」である事の価値以上の、個性や才能や人格といったアン・ネヴィルだけが持ち得るものは特に持ち合わせていないし、むしろ自分で自分の価値を下げて、さらに子エドのようなアンにとって大切な人間にも不幸を及ぼしているので、それはもう、人生の大半の時間を充足よりも不満、多幸感よりも薄幸のまま送るのは当たり前だなと思った。