まず、試験問題をすべて確認したうえで私が感じたこと それは
公認会計士監査審査会の威厳を見せつけられた試験
だったという想いです。

これは、昨年12月の試験が予想以上に簡単な試験問題だったこともあり、
合格最低点を71%としたにも関わらず合格率は19.8% 実に1,200名弱もの合格者を
輩出してしまった背景に起因します。
率直に言って、「難易度調整ミス」とも取れる前回の試験。
この反動が今回の試験で出たように思います。
とはいえ、資格試験(日商簿記や英検等)や大学受験等の各種試験において、
前回試験の難易度による反動をうけることはよくあります。
(前回が難しすぎたから、今回は簡単にしよう。的な)
問題は、その反動の反映方法にあります。
これが「審査会の威厳」を見せつける理由につながります。
結論から言うと、今回の難化の元凶は「高度すぎる計算問題」の存在に尽きます。
財務も管理もとにかく計算が難しかった。
それも
知らなければ解けない問題(例:有価証券の売り気配、買い気配、連結税効果の税率等)
分量が多すぎて時間内に解けない問題(例:管理の個別原価計算、財務の連結C/F等)
不必要な論点を加えたが故に、解けない問題(例:本支店の未達、現金預金の領収書等)
が例年以上に多かったように思います。
明らかに難易度を高くしようという明確な意図を持って作問しようとすると
上記のような悪問・奇問が際立つ出題にせざる負えなくなります。
しかも、この手の問題は事前に出題を想定することが難しいため、
答練や模試、問題集での演習の成果が得点に反映されません。
その意味において、しっかりと良問の反復演習をしてきた受験生が報われない試験
即ち、計算の実力差がそこまで得点差にならなかった試験だとも言えます。
これは本当に受験生にとっては無念極まりない、
短答至上最悪に残酷な試験
だったように思います。