2024-08-17 10:17:59
フロンクスの価格は254万1千円。WR-Vより安いがヤリスクロスより高い。安全性は低い、かも
2024年8月17日 [最新情報]
https://kunisawa.net/?p=69824

インド工場で生産されるフロンクスの価格が発表された。例によってメディアは絶賛である。このクルマ、インドだと高級車の価格帯。ナビを標準装備し、WR-Vに無い電動パーキングを装備するため、アダプティブクルコンは停止まで制御可能。装備内容を揃えて比較するとWR-Vより実質40万円くらい安いと思う。デザインもよいため、購入の候補にしている人は多いかと。
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未試乗のためクルマの評価は不明ながら、注意すべき点がある。衝突安全性だ。スズキは伝統的に乗員の保護性能より価格を重視する傾向。こんな評価も何だけれど、安全性という概念はおそらくインドより高いと思われる欧州向けのスイフトですら、ユーロNキャップはぶっちぎりの☆☆☆。下は2024年の試験対象車種。スイフトの乗員保護評価点は、たった67%とな!
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Eクラスの92%はさておき、日本車のミニマムは80%台中盤。スイフトの67%は日本車としちゃ飛抜けて悪いと言われているZR-V(79%)よりはるかに厳しい。速度によっちゃ80%台のクルマだと怪我で済むところ、重篤な状況になるくらい深刻だ。ユーロNキャップのデータが公表されて以降、スイフトの試乗レポートをするときは必ず安全性について言及します。
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ちなみにスイフトと同じ☆☆☆に沈んだフォードは、ADASの性能が悪かった。少しマシなセーフティパッケージを選ぶと☆☆☆☆になる。フロンクスと同じクラスに属すヤリスクロスといえば、3年前の2021年に試験対象車両になっていた。☆☆☆☆☆で、衝突安全性は86%。しかも事故に未然に防ぐためのADAS性能も、ヤリスクロスの81%に対しスイフト62%。ダンチです。
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遠からずフロンクスも公的な安全審査を受けると思う。その時に厳しいデータが出ることは想定しておくべきだろう。安全性やリセールバリューを総合して考えれば、来月から生産再開となるヤリスクロスを推奨しておく。1500ccエンジン搭載車でもフロンクスの”なんちゃってハイブリッド”と燃費差なし。価格は『Z』で243万5千円(6万1600円追加でTVまで付くフルAV)です。