トヨタの不適切事案は「法規要件より厳しい」試験がほとんど……そもそもの認証制度に課題はないの? 豊田会長が登壇で説明
2024年6月3日 / コラム
https://bestcarweb.jp/feature/column/884364
https://news.yahoo.co.jp/articles/2be34c732676b537cb45461871e289e7054fdb32/comments

 6月3日、トヨタ自動車は1月から進めてきた型式指定申請に関する調査の中間報告を行った。その結果、数万件の中から6件の不適切事案が見つかったというのだが、はたしてその内容と影響はどれほどのものなのだろうか。国沢光宏氏に分析してもらった。

■見つかった6件の不適切事案とは?

 ダイハツ不正問題を受け、国交省は自動車関連企業に「3ヶ月を目処に認証申請の不正を総点検しろ」という指示を出していた。本日より各社から五月雨式に状況説明があると思う。そんな中、トヨタは数万件前後の実験、試験データの全てを再確認し、6件見つかった不適切事案の詳細を公表している。具体的な内容は以下の通り。

1)エアバッグのタイマー着火させたデータをマイナーチェンジ車の認証申請に使用(2014年クラウン/2015年アイシス)。
2)歩行者保護の試験を規定と異なる厳しい角度で行う(2015年カローラ)。
3)歩行者保護の試験場所を申請と左右違う場所で行った(2015年シエンタ&クラウン)
4)規定より700kg重い台車を使い後突試験を行った(2014年クラウン/2015年シエンタ)
5)新規定の認定を取っていない荷物試験用ブロックを荷室に積んで試験を行った(現行モデルのヤリスクロス)
6)エンジン出力が申請内容より低かったのでロムチューンした(2015年レクサスRX)

 1)はマイナーチェンジ車両であり、新車登録時はクリア済み。だったらシートベルト性能のチェックをするため、エアバッグの展開を遅らせてみようという趣旨のため、市販車の安全性には問題ないと思う。2)と4)は国交省指定より厳しい条件なので不安なし。3)についていえば構造的に同じ。申請した場所にしておけばよかった。5)ブロックの重さは同じなので差は無い。6)シャシダイナモで使ったエンジンの排気管が一部潰れていた。市販車はクリア確認済み。

続く