2024-03-06 15:23:51
ホンダの次世代電気自動車『ゼロ』。いろんな意味で「う~ん!」。少量生産車なら「いいね!」
2024年3月6日 [最新情報]
https://kunisawa.net/?p=67179

ホンダ・ゼロのお披露目が行われた。取材に行こうと思ったけれど、事前に入ってくる情報は厳しい内容ばかり。人柄の良いエンジニアだったりすると批判するパワーが鈍る。おそらく皆さん全開の「よいしょ!」だろうから。以下あえて課題を並べさせて頂く。電気自動車の普及は「ほぼトラ」で後ろ倒しになる可能性大。今から見直したって間に合うと思う。
https://i.imgur.com/4ORVbkR.png
セダンのスーパーカーですね

最大の「う~ん!」がクルマのコンセプトだ。ホンダ・ゼロの方向性は「スポーツセダン」でありながら「コミューター」としての航続距離しか持たせていない。アメリカじゃ使い道無いです。「メカミニマム・マンマキシマム」思想を貫くという。あんなにフラットで低い床じゃ電池搭載量稼げず。上を見て60kWhくらいか? それだと新車の実用航続距離は300kmです。

おそらくホンダの調査で「1日あたりの走行距離は多くて200km」みたいな結果が出ているんだと思う。確かにその通り。ただ充電や充填が必要な電気自動車や燃料電池車を所有した経験から言えば、航続距離は長ければ長いほどストレス無し。加えて10年で30万kmは走る。3元系リチウム電池を使うホンダ・ゼロの場合、24万kmくらいすると航続距離は20%ダウンする可能性大。

アメリカの使い方だと長寿命のリン酸鉄リチウム電池を80kWh(実用航続距離400km)以上積まないと体力的に厳しいと思う。つまりホンダeの失敗を繰り返すことになる。ホンダとしちゃコストダウンのためにも電池搭載量を減らしたいということなんだろうが、同じ価格で電池いっぱい積んだ電気自動車出てきたら、間違いなく全員ソッチを選ぶと断言しておく。

安全性にも強い「う~ん!」を付けておく。アメリカに行くと解るけれど、クルマの”身長”は高くなる傾向。ホンダ・ゼロみたいなボディ形状のクルマが渋滞で追突されたら、前の車両に潜り込む。トラックだったらフロントガラス直撃。ADASだってカメラの位置低いと不利。もっと言えば、アメリカの死亡事故に多い側面衝突はサイドシルの位置が低くて恐ろしい。

ホンダ・ゼロに人が座っている絵を見ると、サイドシルが幅広くて着座位置低い。普通のヒンジドアにしたら乗降性が極端に悪くなりそう。だからこそガルウイングになっているのだろう。その場合、横転した時の脱出に苦労する。テスラ・モデルXのようにガルウイングがリアだけならいいけれど、ホンダ・ゼロって左右2枚のみ。スポーツカーならいいと思いますけど。

続く