論文対策で一番厄介なのが、著名な基本書1冊では論証が完成しないということです。1冊で完成するなら予備校はいらないです。学者ごとに見解や微妙な表現が異なる憲法、刑法、刑訴なら尚更です。著名な基本書や過去の出題趣旨・採点実感など様々な文献・資料を参照しながら、できる限り司法試験委員会の理解に沿った論証を作る必要があり、ここが一番大変なのです。

なお、今回法学セミナーで「論証パターン」を掲載してくだった刑法研究者の先生方を批判しているのではありません。先生方には、研究者という立場でありながら、論証パターンという予備校発症の論述例に踏み込んでくだった姿勢には頭が上がりません。