夢の続き
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夢の中での出来事は本当に微睡みの中の幻想だと何故言い切れるのか
「毎晩変な夢見せられて、それは俺の脳内だけで起きてる出来事でしかないなんて思えない」
どんな夢って言われても、現実っぽいなにかとしか言いようがない、記録でもしない限りすぐにでも忘れてしまうだろう
そう、俺は現実が大嫌いなのだ
ただそれなりに現実に目を向けてはいる。
親の口癖はいつも「いいかげんに現実を見なさい」
と、現実とはなんなのか?まぁ誰しもが言われた事のある台詞じゃあないか?
(ったく分かってるんだよ…せめて俺の脳内環境だけは自由にさせてほしいものだ、俺から二次元を奪わないでくれ
だが考えて見てくれ、この世界も作られた物で、所謂空想の世界と表しても否定など出来ないじゃないか。
人間から空想、想像、を取ってもいいと思う人はいないと思うだろ?残念ながら存在する
石器時代に戻ったとして同じ事を言えるのか、思考能力の進化を否定するとはそういう事。母は何も分かっちゃいない
父ちゃんに関しては俺が小さい頃に亡くなったらしい、はっきり言ってどーでもいい、母さんも話をしたがらないし、わざわざ俺からも聞かない 人生で起きる出来事、物事は自分たちらが行動をしたからこそ生まれる出来事、物事だと思う、言わば未来は既に完成してるといっても過言ではない。逆ならばどうだろう?それは未来から過去に干渉してる場合
純粋に未来から決まっていたとしたならば、だとしたら父ちゃんが死のうがそれは運命だった、ただそれだけの事でしかない
空
「なんかまだ肌寒いな…春なのにな、入学式早々やる気が損なわれていく」
俺の心とは裏腹に今日は波が穏やかでなんだかぱっとしない、いっその事、嵐でも来ればいいのに、ほんとに来たら困るのだが
渡
「お前はいつもやる気ないように見えるけどな、まあいいじゃん今日は入学式だけで午前中には帰れるんだからさ。いやーにしてもこの道懐かしいな〜」
空
「失礼な、お前だけには言われたくわない。
一応やる気はある、午前で帰れるのは嬉しいけどね…そういえば子供の頃うち遊び来るとき通った道だっけか?それにしてもまあいいかげん飽きてきたな」
渡
「おいおい…空が飽きてきたって言うと色んな意味で怖いぞ…早まるなよ?そうそうその道が今俺たちが歩いてるこの道だな」 空
「飽きたからと言っていちいち死んでるような人類なら絶滅まっしぐらだな、それにそんな根性があるならとっくにこんな世界とはお別れしてるさ」
そう
こんな世界とはもうお別れしてるさ。
ただ、なんだって好き好んで女の子を知らないウチにこの世界から逃げると言うのか?それは単に惜しいと思うから…?
ただそれだけの理由なら、なんて青春バカなんだろう
渡
「そうだな…それは置いといてと、空ってさ屁理屈ばっかな所とか変わってないよな。いや、やっぱなんでもないわ、それに冗談で言ったんだっての」
空
「俺がなんて?いきなり本音をぶつけてくる所、お前も変わってない、屁理屈で悪かったよ〜、とでも言うと思ったか?」
渡
「まあまあ!そうカッカしなさんなって!ほら!いっぱい女の子だっているぞ〜?」
(ったく…そうこうしてるうちに俺たちが…
いや、俺と渡が入学する高校、西ヶ浜高校に着いたのであった。
いい忘れていたが渡とは少中違うが親が知りあいで所謂、幼馴染ってところだ、高校通うためにこっちの方に越してきたらしい、一人暮しってやつ)
空
(一年二組か、いや〜渡が同じクラスで良かった…他に知ってる奴いないからな。まあこれから上手くやって行けるだろうか…)
渡
「俺ら以外みんな知らない人ばっかだな…俺らやって行けるのか…」
空
「だだだ大丈夫だろ?初日はこんなもんだろ?うん…」
渡
「そそそうだよな…!」
スマホでこそこそと渡と連絡を取り合ってるなんて、普段なら気持ち悪いが…この殺伐とした空気に耐えられない…未知数な場所に居ると本能で怖いと思うのだからやはり人間も動物と同じなんだなと思う
俺達、言わば 人類は運が良かっただけの話、進化したから…いや、進化論も中々に嘘臭いが、とりあえず人類は言語を作り出しコミュニケーション能力が向上した、俺には当てはまらないがな。世界的に言語は何百…同じジャンルの生き物でこのくらい違いがあるんだ
いや、確認しきれてない、埋もれて消えていった言語も相当数あるはずだ。
数なんて当てにできないからそれこそ∞に…そもそも暮らす場所が違うだけで思想も法律も常識も違うんだ
それこそ無法地帯なんて探せばいくらでもある、一人一人からすればそこが、世界そのものであって他の国なんてどうでもいいのかもな
言語を話せたといって分かり合えない人だっているのだから不完全生命体=人類なのだ
なんせ常識外れなんて言葉自体狭い、人の数だけ常識があると言っても過言ではないんだからな
慢心するな人類と声を大にして伝えたいところ。
平和ボケしてるこの時間は束の間の休戦でしかないのだから。
支離滅裂に頭の中で思考がグルグルとしていた
俺達みたいにそもそもこんなくそしょうもない世界に興味など無いのではないだろうか
だから俺はなにも言わない
話が反れたが、簡潔に状況説明するとビクビクしてると言うことだ
担任
「えぇそれでは出席を取ります、その後に軽くでいいので自己紹介してください」
○○さん……
ハイ!えっと僕は○○中学…で○○
(全く、律儀に自己紹介っと、渡も無事に終え、一番大切な第一印象もそう悪くないだろう…多分)
担任
「えぇ〜と……
一人欠席ですね
今日のところは授業もないので、これで終わりです」
(おいおい…初日欠席とはどんな奴なんだ…それに興味が引かれたのは俺だけじゃないはずだ、良くも悪くもみんなの興味を引いたのは確実だろうな)
「起立、礼、さようなら」
渡
「帰ろうぜ〜空、どしたー?悩んでるのかキメてるのか分からない顔して〜ははっ」
空
「なんでこんな状況下でキメてると思ったんだ…?悩んでるほうの顔だろ、あれか?お前は俺がキメてる顔を見たとして、あー悩んでるなって思うのか?とんだ勘違いだなまったく腹立たしい」
渡
「そう怒んなって!
冗談に決まってるだろー」
(冗談だと分かってても突っ込まないと誤解が生まれるだろ?まったく…)
渡
「それでなに考えてたんだよ?
あれか、一人欠席の子がいたけど、その事とか?んな事、空は気にしないかぁ〜」
空
「お前もやっぱり気になるだろ?初日で休む人とか」
渡
「お、図星かよ…でもさぁー考えたって分からなきゃ意味なくないか??あの様子じゃ先生ですら、何も知らないみたいだったし」
(考えても分からなきゃ考えないって…コイツの頭の中には無駄がないな…ある意味空っぽだ)
空
「お前なぁー…興味を引く対象に価するんだよ…どう考えてもな!それに分からないから面白いんだろ?分かってる事ほど面白くない物はない」
(とは言ったものの、初日に欠席する謎の子に対してにしか興味が引かれなかったと言う事になるが…。ダメだ、まじめに考えると俺が馬鹿みたいだ)
空
「まああれだ…少し気になっただけの話だ、明日になったら来るだろ
それに休んだ理由を聞く機会なんていつでもあるだろうしな、欠席って一人だっけか?もう1つ机あったよな?」
渡
「お、おう…。俺まだなんも言ってないんだけど…自己完結したんだったら別にいいけどさ…あーなんか机あったな、あれだろ?余ってるとかじゃね?」
空
「まあ机が余るのとかは高校生だとよくあるのかな?それに今年の代は人数が少ないらしいからな。
まあどうでもいいわ」
渡
「あれ、てか欠席の子なんて名前だっけ?」
空
「お前やっぱ気になってんじゃねーかよ…日向鞘ヶ谷?だった気がする」
渡
「ほ〜ん…鞘ヶ谷?…ね」 空
(どうしたこいつ…めんどくさいから突っ込まないからな…無視無視)
「かくかくしかじか」これほど使い回しも出来、且つ都合よく物事を説明する言葉は他にあるのだろうか?そう、いつもの交差点まで来たのだ。俺がまっすぐで、こいつは右
空
「そんじゃまた明日」
渡
「おう!じゃあなー!」
空
「はあー眠い…さっさと帰って飯くって昼寝でもするか」
空
「ただいまーって誰もいないよな、まぁ母ちゃんパート行ってるしそりゃ俺一人か…昨日の残り物でも食べるか」
(明日の持ち物ってなんかあったか?渡に聞くか…「明日ってなんか持ってく物とかあんの?」っと、あいつはそうゆう所しっかりしてそうだから分かるだろ)
空
「返信遅いなあいつ…何してんだ、別に時間はあまりに余ってるんだから律儀に待っててもアホらしいな、昼寝でもしよう」 窓も開けっぱなしにし、縁側に倒れこむように横になると、相も変わらず海の風が気持ち良くて昼寝日よりと言わんばかりの心地よさだ
それだけがこの現実でいいなって思った……
なんて悲しい男なんだ俺は…そういえばもう高校生になったんだよな…もっと…こう…なんかないのかよ…ほら、彼女が出来て一緒に学校行ったり遊びに行ったりとかさ?高校初日なのに、妄想だけが膨らんでいく
母「…実を…現…を…現実…を…見な…」
空
「あーー終いには頭の中まで侵食されてきてる…あーーいいかげん現実を見ろ…って事なのか、自分でも分かってるが」
もういいねよう 頭の中で何かが鳴っているのに気がつき俺は目を覚ました
起きた所でこれが夢なのか現実なのか保証のしようがない
(うっさいな…家の電話?だな)
空
「はいもしもし…?もしもーーし?」
ったくタチ悪いな無言電話か?
空
「もしもし?切りますよ?」
ざーーっさーーっ
空
「ん?うっわ…こわ」
ガチャ
空
「はあ…最高だよ全く、気持ち悪い寝起きだ
っともう十六時過ぎか、結構寝ちゃってたな…そういえば、渡から返信きてるだろうか?」
おっ来てる、なになに「家に来い」だ?
空
「いきなり過ぎるだろ、まあいいか「向かうわ」っと
夕方から夜になると流石に冷えるんだよな…まあでも長居はしないから大丈夫だろ、それ相応の用事なんだろうな」
ピーンポーン
渡「おっ結構早かったな!まぁまぁ上がれ上がれ!」
空「お邪魔します、で、何の用なの?まさか何もない訳ないよな?」
渡
「そんな訳ないだろ!暇をもて余して且つ非現実的な事が好きな空にうってつけの話があるんだよ!なんだって海岸で怪奇現象でお馴染みの幽霊がでるらしいんだよ!」
空「あーそうなんだーとしか言いようがないんだが、気になるは気になる…それで具体的にどんな?」
幽霊ねー、信じてない訳じゃないが、見たことがないから分からないんだよな、分からないから信じないのは滑稽物だって分かってる
ほら、月を観測出来なければそこには月はないのかもしれない。どこかの哲学者が言っていた気がする
渡「いや、それがさ、海岸としか分からなくて…よく出没する時間帯とか海岸の、どの辺りかとかはよく分からないんだよ」
おいおい随分と曖昧な情報だな
空「誰からそんな話聞いたんだ?」
渡「なんてゆうかさ、見たんだよ」
空「見た!?なにを?その幽霊をか?」
(話をする順序が可笑しい、なら先にその話をすればいいじゃないか)
渡「正確には俺ではない、ある子から聞いたんだよ!」
空「おう…じゃあ話は早いじゃないか、で?それから?」
渡
「海?の方にいるらしいんだよ…」
空
「沿岸沿いか…それで、あっ!…俺を呼ぼう!ってか?」
ありえん、こいつの嘘かホントか分からない話など興味なんてない…どうせそんな事あるわけ無いのだから
空
「なあ帰っていいか?」
渡
「いやちょっと待てって!気にならないのか?結構まじなんだって!!」
空「おう」
渡「お前信じてないだろ…小学生の時好きだっただろ!?まあ仕方ない、それでその幽霊は誰か探してるんだけど、いなくて…みたいなんだよ」
空「何だよ、その、いなくて//みたいなノリはよ。なんだかお前の言ってる事がよく分からないんだが、そのさ、また今度にしてくれないか?俺お腹空いちゃってさ、それに母さん帰って来る時間だから、飯とか作っとかないと怒るんだわ、帰るわ」
渡「おい!正気かよ?!お前ご飯とか作る人だったか?何なら俺のも作ってくれよ」
空「馬鹿か、何で俺が通い妻みたいな事しなきゃいけねーんだよ…ありがと笑ったわ、じゃまたなー、現実見ような」
渡「…お前に言われたくないわ」
バタン
(あいつも遂に俺みたく現実から逃避するようになったか…俺から伝染したとかじゃあるまい、あくまであいつが勝手に発症したのだろう。きっとそうに違いない、そうだろうきっと)
渡の所で無駄話を聞かされてるうちに太陽は月と入れ替わっている、まったく…とんだ夢話だったな…あれは俗に言う明晰夢ってやつだろうな、簡単に説明すると、夢の中で自由に動けるらしい、俺も何度か経験した事がある
(っと…結局明日の持ち物なんだったんだよ、…)
空「はあ…夜の海も綺麗だな…ん?」
体を海に向けて誰か突っ立ってる…気味悪いな……いや、夜の海が好きなだけかもしれないじゃないか。渡の事で少々イラついてるんだ、俺がどう思おうが今は許してくれ、見知らぬ少女
「そこのあなた」
空(………!)
うお…!びっくさせんなよ…俺じゃないよな?身体を海に向けて話してるし…こんなシーンをアニメとかで見た事ある…ここは華麗にスルーをしよう、もしも心中とかだったらヤバイだろ、勘弁してくれよ
空「………」 「なに無視してるの」
(まずい…やっぱ俺か?…俺なのか?)
「あなたに決まってるじゃない、他に誰がいると思うのかしら?」
へ??いやいや、あなた海に話しかけていたじゃないですか!…ん…?俺の心を読まれてる?!
空「な!?」
俺は振り向き言葉を投げ掛けた、俺の動きと同期して、ゆっくりと彼女もまた体をこちらに振り向かせる。
春とはいえ日が落ち始めたら海からは冷えた夜風が疾走し身体中に纏わりつく、心地いいとは微塵も思えない。
風で靡く髪の毛は銀髪?いや、白髪に近いそれだ、言葉を無くすほど綺麗な髪の毛。
おもむろに彼女は微笑んだ
「ふふっ、心を読んだ訳じゃないわよ」
空
「じゃ…じゃなんなんだ…?」
「簡単な事じゃない?あなたがそう思ったからそう思うのでしょう?」
(いや…あの、説明になってないと思うのだが)
空
「………」
「あなたがその答えを自らに呼び掛け、心に問い掛けていない、思ってなかったのなら、それは私の独り言に聞こえたはずよ?私はあなたの心を読んだ訳じゃない、予測、予想をしただけよ、それが的中したからそう思ったのでは?」
(なるほど、確かにそうだな…なら反応しなければ、ただの独り言となるわけだ…この状況で言われたなら大概のやつは心を読んだのか?と思うはずだ。まあ理由を聞く前に逃げ出すだろうが)
空
「そう…だな」
「そうよ」
空
「………」
(やっぱ話しかけない方が良かったか、もう完全に電波入ってそうだしな…もう行くか、にしても不思議な子だな)
「あなたも探しに来た訳?」
空
「探す?なっ何を?あれだぞ…生憎、俺はまだ死に場所を探すほど末期な訳じゃない…からな)
「ふふ、何を言ってるの?私は別に死に場所を探してる訳じゃないわよ。ゆ・う・れ・い・幽霊を探してるのよ」
空
「幽霊??」
そう言えば渡も言ってたな、もしかして結構有名な話だったりするのか?
「あら、違った?じゃあなんでこんな人通りのない道を歩いてたの?この時間はここを通る人は中々いないと思うのだけど」
空
「いや、違うと言えば違うし…そうであるとも言えるけど…まあ小耳に挟んだと言うか…」
心理的に誘導されたみたいな感じだよな…あんな話をされれば気になってなくても、心が勝手に海岸へ導いたとしか言えない…心も頭も俺本心なのだが… 「私は友達から話を聞いてここに来たのよ、でもそんなに有名な話なのかしら?誰も知らないはずよ?」
空
「???」
「ん、あんまりジロジロ見ないでくれるかしら?」
空
「…ごめん、あのさ…その友達って誰かな?良ければ教えてくれないかな?俺は知らない人かもしれないけど」
「瓜生くんって人よ、西ヶ浜高校に入学するんだっ!とか言ってた少しチャラい人よ」
空
「はあっ!?瓜生って…」
おいおい…まじかよ、瓜生って渡の事じゃねぇーか!!アイツで最初から騙すつもりだったのか…?
空
「その…そいつって「渡」って名前か…?」
「あらあら、ふふ。知りあいだったのね?そうよ、渡って子だと思うわよ」
空
「お前友達とか言ってたのに、なんだその曖昧な反応は…」
「ふふ、一回お話ししたらそれはもう、お友達でしょ?あなたは瓜生くんとはどんな関係なのかしら?」 ※アイツで×アイツは○
空
「幼馴染だよ…それと俺も西ヶ浜高校に入学して、俺と渡は同じクラスになっただけだ…ってそれは別にいいか…それで?いつあいつに変な話吹き込まれたんだ?」
(確かあいつがこの街に来たのだってほんの一週間前だぞ…?来て早々、ナンパとはいや〜、思春期青年は怖いもんだよ)
「そうね〜昨日かしら?いきなり話しかけてきたのよ、ふふ」
「こんな髪の毛だし、人から結構避けられたりするのよね…だから嬉しくてついついね、お話しが弾んでいって「沿岸沿いは幽霊がでるんだぜ!それと俺の友達に空ってやつがいて…」っとかなんとか…彼が言い出したのよ、それが気になってね」
(昨日って、あいつ俺に何も言ってなかったぞ…ったく…あいつは相変わらず気になったら一直線だな、この子に話しかけたのも、渡ならありうるな…この子の髪色…それに沿岸に立ってたから分からなかったが身長も小さい…な
俺が大体、一七〇pあるかないかで、パッと見こいつは、俺のみぞおちぐらいだ。渡はロリコン確定だな…ん?この子ちゃっかり俺の名前を言ってる…気がするが…まあ言わなくていいだろう、空が俺だって事を)
空
「そ、それで?あんたはなんなんだ?少しぐらい教えてくれよ…その…気味悪いからさ」
「失礼ね!そうね、自己紹介がまだだったわよね、私の名前は日向鞘ヶ谷。今年西ヶ浜高校で、二回目の一年生よ!留年…みたいな感じかな〜一応先輩よ?」
空
「は…え…?は?」
(あ…渡のやつ俺が欠席してるやつを気にしてる時ニヤニヤしてたな、そういえば…。あいつ…鞘ヶ谷ってこの子の事って知ってたのか)
鞘ヶ谷
「どうかしたのかしら?そんなにびっくりする事?おっと、引き留めてしまってごめんなさいね、私、用事があるの、それじゃ」
(こいつ…ほんとに無神経だな…ってかこんな時間!?やべっ早く帰らないと、また母さんが鬼になる)
何かおかしい、無言電話の件も、渡が言っていた噂の事もさっきの女の子の事も今はいい、偶然にしては薄気味悪さを感じる。何だったのか知る機会はあるだろうと俺は何故か確信を持って言えた チュンチュン
渡「まるで非日常みたいで面白いじゃん?」
空「は?ほんとにお前は何がしたいんだよ…こっちは心臓止まるかと思ったんだからな」
(確かに俺は日常、現実には飽き飽きとしていて、心のそこでは何か起きないかと期待はしていた。しかし俺は面倒ごとなんか期待した覚えはない、ましてはホラーなんかもっての他だ)
空「知ってたんなら言えよ、あの日向鞘ヶ谷って子の事」
渡「あ〜初日に欠席してたあの子ね!いや〜!あの子ほんとおもろいよね、なんつーか俺の直感にびびっとくるような子だったな」
(お前はいつも直感直感って…ただの行き当たりばったりなだけだろ…)
渡「あれだよ!あのー、俺も一昨日会ったばっかりでよく分かってないんだよな〜。
空のほうがあの子の事知ってるんじゃないの?昨日話したんだろ?ニヤ」
(質問を質問で返すな、そしてなにニヤニヤしてやがる
俺はあくまで海岸沿いを歩いていてばったり会った、それだけの話だ、寧ろ俺が聞きたいぐらいなんだ) 空
「なんも知らないって…ただ凄い綺麗な髪の毛だったな…」
渡
「だよな〜。そこは空も共感できるんだな!
あれ?そういえば空さ〜、親が帰ってくるって言ってたよな?なんで沿岸沿いを歩いてたんだ??」
空
「……しらん…早く行かないと遅刻だ」
渡
「まったく〜気になってんじゃんよ!」ドン
空
「………」
渡
「おっおい!ちょっと待てよ〜〜!別に走んなくても遅刻はしないだろ!」
そんなこんなで俺
いや、俺たちの高校生活は始まった、それと同時に桜の花は俺たちを祝うだけ祝って、役目を果たしたとでも言いたげに散ってった 学校が始まってから一週間が経ちそうってゆうのに、日向鞘ヶ谷は一回も顔を出さなかった。
今思えばあれは、一夜の夢?みたいなもんなんじゃないかなとさえ思う
特になにか起きる訳でもなく、だが退屈な日々を…って訳でもなかった
みんなクラスのやつと打ち解け始める頃合いだったし、もちろん俺と渡だってそうだった
まあ無事…多少…は打ち解け始め、土日を挟み、月曜日を向かえ、俺は日直だったからいつもより早く学校へ向かった。
渡はどうしたって?知らん、いちいち連絡は入れないでいいだろう?日頃の恨みをここで返させて頂く。
空
「たまには一人の登校もいいな、さっさと教室掃除済ませるか」
ガラガヤガラ
「あら、おはよ
いつぶりかしら?あなたは…綾瀬空くんだった…わよね?」
そこにはいつか見た、景色がそこにはあった
窓に身体を乗り出して外を向けている彼女はゆっくり振り返る、日向鞘ヶ谷だ
空「おま…俺は苗字なんか教えてないぞ…」
情けない事に俺は顔を背けてしまった
(…夜話すのと明るい時に話すとじゃあこんなに違うなんてな…まともに顔も見れやしない) 鞘ヶ谷
「そうね、教えてもらった覚えは確かにないわね?でもこのクラスで「空」って子、貴方しかいないんだもの。それに黒板に、日直…「綾瀬空」ってあるじゃない、あれ?違ったかしら…」
空
「そう言えばそうだが…お前って勘がいいよな…会った時から思ってたが」
小さいくせに頭がキレるな、とツッコミを入れてみて、この場の変な威圧的な空気感を変えられるならば言ってみてもいいだろう
だが言ったところで「あら、私は一応先輩よ?放課後…分かってるわよね?」なんてテンプレートな事この上無い台詞に加えて、それが冗談なのか本気なのかも分からないように言われてみろ
…興味より、恐怖が勝つ…どっちにしろ俺にはどうしようもなく、否、メンドクサくなった時の事を考えてみたら対処しきれない自分の姿が手に取るように分かった
鞘ヶ谷
「あらあら…先輩に対してお前呼ばわりなんて、最近の若者はなってないのね、私の事は「鞘ヶ谷」って呼びなさいよ?いいわね?」
空
「わ…分かった、その…鞘ヶ谷」
鞘ヶ谷
「うふふ、なにかしら?」
空
「あれから幽霊って見つかったのか?」 別に俺は微塵も興味はないさ、ただ一応だ一応…聞いてみたほうがいいじゃないか?海岸の平和のためにも
鞘ヶ谷
「うーん、私自身で確認は出来てないのよね。ただやっぱりなにかあるのだと思うのだけれど、恥ずかしがりやなのかしら…?うふふ」
空
「意外とあっけない結末だな…やっぱり噂は噂だ、てゆうか暇してるなら塵取りでも持って掃除手伝ってくれよ」
鞘ヶ谷
「噂は嘘と断言しきれないんじゃないかしら?
それに加えて掃除を手伝ってって?ふふ
いい?眼に見えない、自分が見ていない、確認していない、だから「信じない」「無い」「普通はありえない」なんて言い切る
宇宙とか恋愛の両思いだから。好きだから付き合うの過程だってそう。
貴方はどうなの?あなたは本質を分かるのかしら?
誰かが宇宙に行ったから?そう記録が証明している?
貴方は行ったこと、実際に見た事があるのかしら…?
無いわよね…でも信じるのよね…ふふ
恋愛からいずれ結婚して愛し合い、そして一生を誓い合い、それを全うする人もいれば、そうでない人もいる。性衝動だけで子供を作り、なのにそれは「愛」だと謳い、自分を正当化する。 この世界に当たり前なんて存在するのかしら?
人類はそう繁栄、発展などしていない!と否定できかねるのも、事実よね。
それを「知らない」「認識していない」って人には無いのと同然なのよ。
信じ合う、信頼、個々の能力。
私が言いたいのは、存在してるという事実=だけどそれは不確かな物でもある。
事実なら納得、分からないなら否定、なんて素っ気なく答えを出すのは些かおかしいと思うのよ。
どちらにしても私は興味を引かれるのよ。
「嘘」か「誠」かなんてどーでもいいじゃない?ふふ 話は変わるけど、ここの教室の窓からの景色が好きなのよ、もう一度ちゃんと。一から見届けたいの
暇な訳じゃないわよ?まだ日差しが強くないこの時間帯しか私は見れないのよ
あんまり太陽の光を受け付けない体質みたい」
納得できない訳じゃない、この子の同世代より一回り、いや…二回りは、この世界に関心を持っているんだろうな、皮肉とも受けとれる
(太陽を受け付けないって…マンガの話じゃああるまいし…)
空「はいはい、もういいよ、手伝わないでいいから…窓からの景色なんて何時でも見る機会あるじゃないか、一年はまだまだこれからなんだから…てか学校来いよ…」 鞘ヶ谷
「聞いてなかったのかしら?まあいいわよ
私は学校なら毎日来てたわよ」
空
「それはもしかしてこの時間帯だけって事か…そんなんだから留年しちゃうんじゃないか?…」サッサッサ
(なら俺と会わなかったのにも納得だ…いや、日向は卒業する気あるのか!?)
鞘ヶ谷
「いい?私は此処の窓からの景色が好きなの?一年とは、とても短い。二年生になったら階が下がっちゃうのよ?この三階の教室からの窓が好きなのよ、それに違う教室になったとしても貴方たちの代は人数が少ないって聞いてたし、またここのクラスになれるかもって思ってね
それに実際三組しかないじゃない?うふふ」
空
「……?」 (そんな事だけで、留年したのか…そして見事にまたこのクラスになれたのか。
なんか凄いとしか言い表せない)
鞘ヶ谷
「まあ私の事はいいじゃない、そんなに私の事気になるの?」
空「いや…また日を改めてお願いします…」
プルルル
空「あっ渡からだ…すまん電話してくる」
鞘ヶ谷「気にしないで」
ガラガラ
空「もしもし?」
渡「おい!空、今日は、ずる休みか?待ち合わせの時間過ぎてるぞ!お前が休むなら俺も休む!!」
(朝から元気ヤツだな…正直めんどくさい、俺はもう学校だっての)
空「はぁ…で、今どこにいるんだ?」
渡「家に決まってるだろ〜?」
ガラガラ
空
「お…おい!鞘ヶ谷どこ行くんだ?まだ話は終わってな… 」
鞘ヶ谷
「ちょっとそこら辺ブラブラしてくるだけよ?お気になさらず電話を続けててどうぞ」 渡「は…お…。お前学校にいるのか!それと鞘ヶ谷ってなんだ!!日向と一緒にいるのか?なんで呼び捨てなんだ?!渡様を差し置いてなにリア充してやがる!?」
空
「いいから早く学校に来いよ。遅刻するぞ」
プツ
はあ…まったく…
日頃の恨み晴らすどころか色々勘違いしてしまってるようで色々メンドクサくなってしまいそうだな…
なら素直に日直だったから早く学校に来てたって言えば良かったのかもな……あれ?そういえば、無言電話の向こう側で波の音が聞こえてた…よな?海岸には鞘ヶ谷しかいなかった 空
「あれはもしかして…鞘ヶ谷…なんじゃないか…?」
(あれは鞘ヶ谷が渡にきっと電話番号を教えてもらったんだろ…俺が日常に飽き飽きしてるとでも言ったのだろうか…はたまた興味を見いだし、こんな俺を試すような形で出会ったのか…。
そして俺は海岸に知らず知らずのうちに呼ばれて行ったみたいじゃないか…
なら根本的に嘘をついてたのは鞘ヶ谷…?
すべては、鞘ヶ谷の思惑通りってか?
なんなんだ…日向鞘ヶ谷ってやつは…)
鞘ヶ谷
「クシュ……誰か私の事でも「噂」してるのかしらね?ふふ」
お風呂、記録と記憶では今の所こんな感じ
誰も見てないだろうけどね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています