9日午前の電話は米側からの提案だったが、4月の訪米と首脳会談の実施は日本側から求めた。
米朝首脳会談を前にトランプ氏と会い、北朝鮮との交渉で安易な妥協をしないようクギを刺す狙いだ。
このまま韓国が仲介する形で米朝間で交渉が進めば、北朝鮮情勢を巡る日本の影響力は限定される。
日本人拉致問題の解決が置き去りになる憂慮も強まる。

 もっとも米朝首脳会談の結果、仮に北朝鮮が非核化に応じて、
米国が射程に入る大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を止めたとしても、
米国にとっては安全保障上の脅威は弱まるが、日本にとっての脅威が大幅に減るわけではない。
北朝鮮に数百発あるとされる日本を射程に入れるノドンなど中距離弾道ミサイルはなくならないからだ。

 首相が4月のトランプ氏との会談で、日本の立場に一定の配慮をしながら金正恩氏との会談に臨むよう、
どこまで伝えることができるか。
これまで培ってきた安倍・トランプ関係の真価は、米朝首脳会談の成果で明らかになる。