吉法師「おみゃあ暇か?俺に付き合え」 [無断転載禁止]©2ch.net
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吉法師「おみゃあ暇か?俺と釣りしろ。フナ釣ったら1文やる。コイなら2文、うなぎ釣ったら10文やるで」 「お前かこの辺で金で子分作ってる言う輩わ!」
吉法師「・・・・・・ん?なんだ貴様」
「どえりゃあ幅利かせてるて聞いとるでよ・・・何様のつもりだおみゃあ・・・」
吉法師「貴様が何者よ、口がくせえで顔近づけんな下品め」
「なんだコラァ・・・鼻殴って折ってまうぞおみゃあ」
吉法師「汚い顔近づけるな、臭くて敵わんわ!よいぞ!俺と喧嘩するか!かかってこい下賤め!」 吉法師「おみゃあら暇か?俺に付き合え」
少年A「あ?なんだおみゃあコラ・・・」
少年B「・・・ええ身なりしとんのコラ・・・金もっとる?」
吉法師「今から釣りするで、ミミズ一緒に捕まえろ、来い」
少年C「は?なんで俺らがおみゃあに指図されないかんのだ」
少年B「おいコラ・・・金出せ!」
吉法師「俺とやるか貴様・・・」
少年D「・・・こいつ・・・城の奴だわ・・・」
吉法師「・・・・ミミズ一匹につき10文出してやるで、探せ貴様ら」
少年A「・・・はい」 織田信長安土から京へ向け出発、籠に乗る………
信長「止めろ!小便する!」
家臣「はっ!」
信長「・・・・・・・・・・・・・(ジョロジョロジョロジョロ」
・・・・・・・・
信長「・・・・・・・ふぅ・・・・・・・ん?」
幼女「へへへ」
幼女が足にしがみつく
信長「・・・・・ふっ、どうした?」
幼女「ふふふ」
家臣「コラぁ!!!何をやっとるか!」
信長「よいわ!騒ぐな!ふっ、どうした」
幼女「・・・おしっこ」
信長「ふっ、名は?」
幼女「・・・おいと」
信長「おいとか、放してくれんと歩けんぞわしは、ふふふふふ」
女「も!申し訳ございません!!!これ!!も、申し訳ございませんでした!!!!」
信長「・・・・・」
家臣「貴様!ご無礼にも程があ」
信長「よい!!器量ある娘であるな、大事に育てよ、行くぞ!」 こういうのは板違いでは。三戦とかでやったらいいのに。 吉法師「おみゃあらよ、暇か?」
娘A「・・・・・暇?」
娘B「さぁ、ふふふふふふ」
娘C「暇と言えば暇だで?」
吉法師「腹減ったでよ、おみゃあら家から米持って来い!俺が料理するで、ほらコイだわ」
娘A「わぁでけえ鯉!」
娘B「うちから米なんて持ち出せんわ、お母さんに叱られるで」
娘C「その辺でかやぁええでしょ、あんた身なりええしお金持っておるんと違うの?」
吉法師「おみゃあらにも鯉食わせるで、米持ってこれんか?」
娘B「急に言われても無理だで」
娘A「・・・あたし持ってくる!」
吉法師「持ってこれるか、なるべく多く持って来い!」
娘C「・・・・・・あんた偉そうだけど何者?・・・・・お侍・・・さん?」
吉法師「なんであろうな、おみゃあは何者よ」
娘C「あたしは・・・」
娘A「・・・・・お城の人だわ・・・・・吉法師様だで・・・」
娘C「・・・・ええ・・・?」 政秀「吉法師様どうなされましたそのお怪我!!」
吉法師「なんでも無い・・・かまうな・・・」
政秀「ほっとけますか!誰にやられました?!」
吉法師「・・・良いわ、いずれ仕返ししてやる・・・」
政秀「ジイにだけは教えてくださりませ!誰にやられました?!」
吉法師「・・・ふふ、野良猫だ!良い!構うな!大した事ないわこの程度!!」
政秀「若様・・・・」 家臣「のぶ・・・信長さま!!!!!!」
信長「・・・・・・・・なんだ」
家臣「のぶ・・・信秀様が!!・・・・ご他界なされました!!!早急にお戻りくださいませ!!!」
信長「・・・・・・・・・もうすぐ釣れそうな気配しておったのに、すぐに戻らなまずいか?」
家臣「このような時に何仰られておられる!!!!いい加減にしてくだされ!!!」
信長「ふふふふふふふふ、死ぬのは分かっておったわ!!慌てるなたわけめ!良い!興ざめだ、帰ってやる」 信長「父上か?・・・・・とにかく恐ろしかったわ、父上の前に行く時は恐ろしくて恐ろしくての、ただ・・・」
秀吉「はい」
信長「・・・俺の身を常に案じてくれてな、恐ろしい存在であったが・・・・優しかったの・・・懐かしいわ」 家光「お爺様、織田信長様とお話した事あるって本当?」
家康「ふふ、あるよ」
家光「どんなお方.であったの?」
家康「・・・・変わったお方だったな・・・・・何を考えておるのか・・・とんと分からんお方でな」
家光「へぇ・・・」
家康「ただ礼儀の良いお方で、わしには良くしてくださった・・・・・常にな」 信秀「吉法師おるか!呼べ!」
家臣「若様ただいまお出かけでございます」
信秀「あのたわけ!帰り次第呼べ!」
家臣「は!」
吉法師「なんだ父上」
信秀「座れ!たわけた格好しおって!父上の前ぞ!」
吉法師「ふんっ!」
信秀「貴様最近街中ふらふらしおって民の子らとあちらこちらで遊んでおるそうだな!」
吉法師「知らんの」
信秀「たわけが!!貴様ごときガキの行動など儂に筒抜けだと思え吉法師!!」
吉法師「・・・・・」
信秀「おみゃあ民に大量に米送ったそうだな・・・理由いえ・・・」
吉法師「知らんの」
信秀「言え!!!!たわけ!!!!」
吉法師「腹減った言うから送っただけだがや」
信秀「貴様・・・」
吉法師「俺は何も言わんぞ、人を無駄死にさせるだけの父上にはな!!!」
信秀「・・・たわけめ・・・よいわ!さがれ!!」
吉法師「ふんっ!!!」 信秀「信長おるか!信長呼べ!」
家臣「若様ただいまお出かけしております」
信秀「あのたわけめ!!すぐに呼べ!!」
家臣「はっ!若様遠出しておりまして・・・行方が分からぬと聞いております」
信秀「バカか!何やっとるか!帰り次第すぐに呼べ!!」
家臣「は!」
信長「なんだ父上」
信秀「たわけ!!どこほっつき歩いておった!!貴様まだそんなたわけた格好しとるか!!」
信長「ふんっ!」
信秀「座れ!!お前いくつになった!!14であろうが!!自分の身わきまええ!たわけが!!」
信長「・・・・」
信秀「・・・・信長お前も元服した身、織田家の為に身を尽くさばならぬ」
信長「・・・・」
信秀「美濃の斉藤家におみゃあと年頃のお娘がおる・・・・おみゃあとその・・・」
信長「ふんっ!」
信秀「御家の為だ!斉藤家の娘と婚姻を結ぶ!異論はあるまいな!」
信長「・・・ふっ・・・しらんの・・」
信秀「無いと取るぞ・・・承諾の使いを出す・・信長織田家の為に尽くせ!!良いな!!下がれ!!!」
信長「・・・・・」 信長「今日は鮎がよう釣れるな!川の流れも緩やかだで!」
少年A「はい、風も穏やかで」
信長「すがすがしいの・・・・」
・・ぶながさま・・・のぶながさま・・・
信長「・・・・・」
信長様!!!
信長「・・・・はぁ・・・」
家臣「信長様!!信秀様が!御他界なされました!」
信長「ふんっ・・・今参るわ!・・・・・・・弥太郎おみゃあ俺が釣った鮎全部やるで!そのまま釣りしておけ!!」
少年A「・・・・・・・・・・・・」 信長「・・・・・すぅ・・・すぅ・・・・」
家臣「・・信長さま・・信長様」
信長「・・・・あぁ?ふぁぁぁぁ・・・・なんだ」
家臣「重要なお話でありますれば、お座りいただいてお聞きくださりませ」
信長「・・・・ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、なんだ!座ったぞ!」
家臣「今川義元が数万の兵引き連れてこちらへ向けております」
信長「・・・・・・・・・ふっ、まことか」
家臣「はい、幾たびもの報告ありまして間違いありません」
信長「・・・・・・何万だ」
家臣「はっきりと分かりませぬがおそらく3万ほどと」
信長「ふふっ!到底歯が立たぬの・・・致し方ないわ!今どこにおるか」
家臣「聞いた時点では遠江であると」
信長「間もなく三河か・・・・三河からの軍の攻めは?」
家臣「まだないようで」
信長「いつあるか分からんの、まぁ良い!ご苦労!さがってよいぞ」
家臣「はっ!」
信長「・・・・・・はぁぁぁぁぁ・・・・・どうするか・・・・・」 信長「信雄呼べ!!あのたわけ!!」
家臣「はっ!」
信雄「お呼びでしょうか父上」
信長「・・・・貴様・・・・儂の許可無しに伊賀に攻めおったとな・・・」
信雄「・・・はい・・・」
信長「・・・・・・・貴様しばらく謹慎せえ・・・下がれ・・・」
信雄「・・・はい・・・」
信長「・・・はぁ・・・・もっと・・・なぜ立て付かぬ!俺は父上に呼ばれた時もっと・・・刃向ったぞ!織田家の行く末が心配であるわ・・・」
信秀「信長!!貴様朝に帰ってきたそうだの!!何しておった!!たわけめ!!!」
信長「ふん!!知らんの!!」
信秀「たわけが!!貴様!!!たたっきるぞ!!」
信長「やれるものならやってみよ!!」
信秀「馬鹿者めが!!!!このたわけ!!!!(パシン!!!!)」
信長「・・・・・・・ふんっ・・・」 吉法師「おみゃあの母さんはうるせえの!おみゃあ連れ出すのに一苦労だで!」
少年A「・・・・」
吉法師「父さんは寝とったか?」
少年A「死にました」
吉法師「・・・・・なんで?」
少年A「今川との合戦に行ったって、織田軍のいくさで」
吉法師「・・・・親父のか!信秀の合戦でか!」
少年A「はい・・・」
吉法師「・・・・・・・・・・・・・俺と今日釣りを付き合わせて大丈夫か」
少年A「はい、全然」
吉法師「・・・・ええわ!行くでよ!・・・・すまんな弥五郎!!」
「若様のご命令!これより那古野城下高岳通右下ル下二高井弥五郎宅に兵糧10俵!干物一貫!運搬致す!者共よいの!」
「おー・・・」 信長「おみゃあ、八つの娘犯して殺したか?」
30代男「はてな、何の事か」
信長「ワシの元へ来るなど余程の事だろう?」
30代男「知りませんな」
信長「ワシも聞いた事しか知らんがよ……西の湖岸に娘の亡骸浮かんでたと聞いたんだわ」
30代男「へえとんと知りませんわ」
信長「おみゃあなぜ城まで呼ばれたか分かるか!罪人を民達の前で裁き恐れ植え付ける為よ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
30代男「こ、声掛けてその……遊んだだけです……」
信長「貴様が罪人であろうがなんだろうがよいのよ!貴様利用させてもらうぞ!札立てよ!!八つの娘犯し殺した鬼畜処刑致すとな!!ふふふたわけめ!ワシの安土で下らぬ事しおって!娘以上の地獄みせてくれるわ」 家臣「信長様!鷹匠が来ました」
信長「・・・・ふっあの娘か」
家臣「はい、あの娘信州屈指の鷹匠であると評判で」
信長「面白いの、呼べ」
お三「くーーーーーーくるくるくるるるるるるるるぅ・・・・・・・」
・・・・・・・・
美少女の腕に鷹が止まる
家臣「お三殿・・・織田信長様がお呼びですので、御前にお越しくださりませ」
お三「はい」
鷹「ぴいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!」
お三「ショウ!どうした?」
鷹「・・・・・・・ぴいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」
お三「・・・・・・・・・・・・・・何が怖い?」 信長「名はお三と申すか、信州一の鷹匠と聞いたが・・・おまえの鷹落ち着きないの」
お三「・・・・い、いえ・・・ショ、ショウ・・・」
鷹「・・・キャアア!!!・・・ピイイイイイイイイイ!!!キャアアアアアアア!!」
信長「ふふ、何を慌てておる・・・落ち着けぃ!!!」
鷹「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
信長「ふんっ!儂の方が鷹匠であるの!鷹よ!儂はてんが取れるか否かわかっておるのか?その怯え様はなんぞ」
お三「・・・・」
信長「ふっ!答ええ!儂はてんが取れるか!」
鷹「・・・・・・・・」
お三「信長様は天下取れるか?あっ!」
バッ!!鷹が空に飛んでゆく 家臣「信長様、おね殿がご挨拶に来られておられます」
信長「なに?ねねが?すぐ参る!」
ねね「おひさしゅうございます信長様」
信長「おぉ久しぶりだな!長浜より遠路大変であったろう、お体ご元気であられるか?」
ねね「はいお陰様で」
信長「そうか良かった、秀吉は今播州の方に赴いてもらっておってそなたにはご苦労おかけ致しておるな」
ねね「飛んでもございません主人も羽を伸ばせて喜んでおると思いますわきゃあ女子どもにも囲まれて」
信長「ふっ!わしの方から注意しておくわ!あのたわけ!はははははは」
ねね「此度は長浜よりお土産をお持ちいたしましてこちらは絹織物でござりまして・・・」 信長「たわけめ、ワシを殺すつもりでおったか乱破めが!」
男「ふんっ・・・」
信長「誰に頼まれたのかも言わぬとなこの者!よいわどうせその連中すべて滅ぼすつもりであるのでな!誰が差し向けたなどどうでもよい事よ!」
男「・・・・・殺すならば一思いに殺せ鬼畜め」
信長「・・・ふっ、ならばひとおもいに殺してやろうぞ!街の路地に穴を掘れ!そしてこの者を埋めよ!首から上は出してやれ・・・ふふふふ」
家臣「はっ!」
信長「ノコギリも用意せよ、行き交う民達全てに少しずつ貴様の首削らせてくれるわ!!ふふふふふ」 家臣「信長様、お酌致します・・・・あの御昼の事でございりますが・・・」
信長「・・・ふんっ!光秀の事か、あの生真面目・・・面白味の無い奴であるわ・・・」
家臣「なんと申しますか・・・・生真面目さゆえすぐに備国へというのは・・・」
信長「問題あるか?当然の事よ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・光秀か・・・・・・やがて国やろうと思うておって何も言わなんだが」
家臣「・・・・」
信長「・・・・家康の接待の事はようやった、過去の功績も踏まえて毛利の因幡伯耆与えると言え・・・・・・・あの生真面目めが!酒を注げ!!!!」
家臣「はっ!」 信長「柴田勝家!林秀貞!佐久間信盛!丹羽長秀!木下秀吉!明智光秀!その他呼べるもの全て呼べぃ!!」
信長「各々方よう集まった、堅苦しい挨拶など無用。即刻に申す!比叡山延暦寺を攻め立てる!!!!」
家臣団「・・・・・」
信長「異論などいらぬぞ・・・・攻め立て・・・滅ぼしてくれようぞ・・・・この織田上総介信長に立て付くがどのような事か思い知らせてくれるわ!!!!!!!!!」
家臣団「・・・・・」 信長「正月よ、屋敷民達に見せるわ」
家臣「・・・民・・?」
信長「こんなどえりゃあええ建物だで、見せにゃあよ、損だで」
家臣「・・はっ」
信長「そら銭は取るけどよ、わしが直に銭とるで」
家臣「・・・・・・・・は・・・・」
信長「立札とか紙書いて京にでも配れ、わしが民から直接金受け取るで」
家臣「・・・・・・・・・・」 家臣「殿、御準備は整いましてござりましょうか・・・」
信長「ふん・・・一応はな・・・・・・はぁ・・・ふんっ・・・緊張致すわ・・」
家臣「はっ、十分にご立派な御出で立ちで」
信長「・・・帝様には世に織田家ありとの事お知らせせねばならぬ・・・のでな・・・」
10数年後
家臣「信長様、帝より御使いの者おいでくださりまして」
信長「・・・」
家臣「明日にでも改めて御使い来られます由、御所に御出でくだされと」
信長「・・・ふんっ!!なんの顔見せよ!・・・・まぁ良いわ適当に口実を作ろうて断れ」
家臣「は・・」
信長「ふっ・・・つまらぬの・・・何が帝よ・・・この日の本の王はただ一人で良いであろう?ふふふふふふふふふふふふふふ」 信長「・・・なんだがやこのでけえエビは!!!」
家臣「伊勢海老でござります」
信長「これがか・・・でけえの・・・食えるんかこれ」
家臣「今宵の御食事にと取り寄せましてござりまする」
信長「・・・もうちょっと見せろ・・・でけえの・・・こんなでけえエビおるのか・・・」 信長「・・・・」
家臣「いやあおいしゅうござりますなあ!さすが京料理ですわ!」
信長「・・・・・・・・・・」
家臣「鮎などもよう味が利いておって!ああ良い味や!」
信長「味が薄いの・・・味噌汁も・・・鮎は良いが全部味が薄うて食った気にならん!」
家臣「・・・はっ・・・こ、これが京料理であるのでしょう・・・」
信長「これがか、都の者共はこれをうみゃーと食うておるのか」
家臣「た、たぶんは・・」
信長「ふっ・・・良いわ、有り難く味の無い飯食らうてやるわ!帝もこれらを召しておるのやろう?」 秀吉「おのおのがた!少し休憩だで!しっかり飯食らうてゆっくり寝て安くんでちょーでゃーよー!摂州まであともうちょいだがや!」
家臣「おのおのがた!!もう少しで摂津や!ゆっくり休め!!」
家臣2「おのおのがた!あともう少しで…」
家臣3「後ろの方伝えろ!あともう少しで…」
家臣4「みなに伝えろ!休憩じゃ!あとすぐに摂州じゃ!」
家臣5「殿様のお言葉や!あともう少しで…」
家臣6同上
家臣7同上 乞食が頭を土に付け土下座をしている
秀吉「…うぬ飯は食らうておるか?」
乞食「へ、へー…」
秀吉「…こやつに幾ばくか恵んでやれ、うぬその金で身なり整えりゃ」
乞食「ありがとう…ざい…す、あり…ごさ…ます」
秀吉「まず身を整ええ、そこからが始まりだがや」
乞食「へ、へー」
秀吉「(下賎のものには分からんか…)」 今川義元軍織田領に迫る…
家臣A「籠城致しましょう!」
家臣B「信長様籠城より他にありませぬ!」
家臣C「籠城するのが賢明、他に何がありましょう」
信長「ふっ!たわけ!ここで死ぬ事が賢明か!!儂は死なぬぞ!」
家臣C「せめて武士らしく腹かっ捌いてまで戦いましょうか!」
信長「たあけ!!誰が死ぬか!良いわ!!うぬら寝ておれ!!」
家臣「信長様!!お起きくだされ!」
信長「………」
家臣「三河へ潜らせておったものによりますと今川義元軍、田楽にて一息の休憩なさると」
信長「……ふぁあああああああ!!眠いの!!今川が休むとな!!良い下がれ!!茶漬け持て!!具足の用意もせよ!みな叩き起こせ!」
家臣「はっ!」
信長「鼓持て!馬用意しろ!舞うぞ!おなごども用意せえ!!」 信長「熱田の神達…どうか我らに勝利を願いたもう…みなも祈れ!熱田の神に祈れ!!」 家臣「大殿の〜〜おかえり〜〜!大殿の〜!おかえり〜!」
信長「おのおの!!帰ったぞ!!湯漬けくれ!腹が減った湯漬け持てい!」
家臣「先ずはお湯でもお浴びなさいませ、お食事は後程と」
信長「よしもと…今川義元の首は飯の場で晒すな!後程見てやるで飯の時は見せるな!!風呂入るぞ!」 明智光秀「…大殿を討とうと思う…討つ!」
斉藤利三「……御意…」
明智光秀「……」
斉藤利三「信長様は殿の事をないがしろに…し過ぎておるとはたから見てもそう…しかしなぜ信長様を討つtとお決めに?」
明智光秀「大殿は……………日の本を壊す………」 信長「…………………」
腹に刃物を刺し周りは火の海に
「阿呆のきっぽうしー!」
「きちほうし様お怪我なされましたか?」
「きっぽうし!!おみゃあ先代の法事すっぱらかして川遊びか!たあけ!」
「信長様!殿がお呼びでござりまする」
「信長様!平手政秀様が!見事御切腹を」
「信長様!この藤吉郎にお任せくだされば明日明後日にも櫓こさえてごらんに」
「信長様、新年明けましておめでとうございますこの勝家今後とも信長様の、織田家の為」
「信長様!」
「信長!」
「吉法師!」
信長「たわけめ…」 信長の怒りに会い侍女全員が処刑になった話
侍女A「今日は殿様遠出しておるとよ!」
侍女B「竹生島やろ?今日はお帰りせんねえ」
侍女C「そんならうち等暇やんねえ」
侍女D「町でおべべ見てえがや」
侍女A「おべべってなんやのあんたぁ」
侍女「あははははははははははは」
侍女B「みんなで町周ろう!こんな機会うちらがおばあさんになるまでないで!」
竹生島弁財天参拝を終えた信長……
家臣「信長様今宵は長浜にて御ゆるりとおくつろぎ」
信長「良い!泊まる程の距離であらぬ!帰るぞ!!」 家臣「信長様!よろしいでしょうか!」
信長「なんや!」(安土に住む信長は京言葉を意識して話していた
家臣「大和信貴山の松永弾正忠久秀謀叛と!」
信長「……ふっ……ふふふ、何度目よ、3度目か!ふふふふふふふふ!」
家臣「……」
信長「ふふ、朝飯を先に食わせてくれ!あの変人ワシの手に負えんわ!あははははは」 竹生島より織田信長安土に帰宅
家臣「殿様の〜お帰り〜!!」
信長、門が開き籠から飛び降りる
男衆「お帰りなさりませ」
信長「………………」
男衆「お湯御用意しておりますので御体の方御暖めください」
信長「待て、女はどうした?女どもどうしたか……」
男衆「…………」
信長「どうしたか?………………………………誰か答ええや!!!!」
家臣B「……女たち、安土の町へと……遊びに」
信長「遊び?……わしが帰らぬと思うてか?」
家臣B「………はい
…」
信長『……蔑ろにされたんか……ワシは……』
信長「腹減ったわ!風呂浴びて飯たあんと食わせえや!」
信長『……女……普段そのように見ておったか!!!!』 信長「此度の馬揃えな、南蛮の衣服武具着て行く!」
村井貞勝「……南蛮ので……それはまた民達仰天しますわな!」
前田玄以「…馬揃えは伝統ある行事でありますので出来れば…」
信長「出来れば何や!ふふふふふ、目的は民達への武の見せ付けであろうが!あはははは!千の武人と南蛮の武具つけたワシが出れば天下が誰か!一目瞭然であるわ!!ワシはやるぞ玄以よ……」
前田「はい」
織田信長「古い仕来たりどおりの行いも気を保てるには良いがな、見たこともせんもっと勢いよいもの見た方が人間の心は動くのよ!」 徳川吉宗「織田の信長殿のお話もう…ちいっとお聞かせ給りますかな?」
上杉宗房「はい、天正十年の春、甲斐に逃げ帰った武田家は織田家に攻めいられ、哀れこの世のより滅びてしまいました」
吉宗「………」
上杉宗房「これも世の中の条理と言うものでござりまするなあ」
吉宗「続きはよう」
上杉宗房「続きはまた来週に」
吉宗「………『は?この糞めさっさと言え…………はよう続き聴きたいの………」 信長「ふっ、わしが口出さんでもええか、皆のものよようやっておるわ!特に秀吉な、こいつ目につく程のものだで」 上杉宗房「この屈辱よ!これはいかなるものぞ!おのれ織田信長め!その首切ってくれようぞー!」
徳川吉宗「うん……………」
上杉宗房「そして明朝、京に襲来した光秀殿、本能寺を囲みこう言われた!おのれのぶなが!我の名を塵と同じに取り扱いしその業、その身その首討ち取り焼き付くすとも怨みはらせようかー」
徳川吉宗「……うん……」
上杉宗房「以上にござりまする」
徳川吉宗「……はあ?」
上杉宗房「………」
徳川吉宗「………ん?続きは?」
上杉宗房「………」 織田信長「お初にお目にかかりまする。織田三郎信長と申しまする」
斎藤道三「………………あ、さ……」
信長「……」
道三「斎藤道三と申します。お初でござる……」
信長「はい」
道三『なんと言う美男………うつけどころの騒ぎではない肝の座りようやし……話が違うぞ』 明智光秀「お初にお目にかかりまする、明智光秀と申しまする」
信長「家内から聞いておるわ。濃、帰蝶と血縁であるとな?」
光秀「はっ!…………お顔を拝見さてお話などは……記憶を辿れども幼少の頃もしやあったかと言う程の疎遠でごじりまして」
信長「濃はうぬの事知っておると申しておるわ!」
光秀「はっ!」
信長「…………おい、光秀殿へのおもてなしの準備せえ!酒もな!面白いお方であるな光秀殿、酌でも交わしながら………………」
光秀「……」
信長「語りましょうぞ!」 織田信長と明智光秀が酌を交わして数刻後………
光秀「と言う訳でして女房はただ一人と思っており」
信長「ふふふははははは!子は残さぬのか!女一人のみに子はたくさん産めぬわ!明智家の!家督譲るもの守るもの作らず一人の女のみに子を産ますか!!」
光秀「そのように言われれば聞こえは悪うござりまするが人ひとりに女房は一人で充分であると思いまして」
信長「たわけめ!!!!あははははは、古い唐か天竺かの教えか?!ふふふ、面白いのうぬよ!!光秀殿に酌をせよ!!!!」 信長「………ふぁああ……ええ天気だで、ちぃっと話あるでよ、光秀殿まだおるか?」
家臣「はっ!」
信長「光秀殿と目ぼしい物全て上に連れてこい!わしは寝て待っておるわ」
信長「来たか、明智小十郎光秀殿よ、貴殿を織田家が補佐し将軍家の復興に努めるよう全力を持って尽力致す。光秀殿の御意見をお聞き致したい」
光秀「はっ!このような待遇、私にとって身に余るほどの事と覚えますれば、今後将軍義昭様の一刻もはよう名誉の回復を我が身粉にして尽力致しとうござりまする」
信長「良きかな光秀殿!!すぐに足利義昭公岐阜にお呼びくだされよ!!!この信長!責任を持って再び義昭公のてんがにしてみせましょうぞ!!!!!」
光秀「…はっ……(怖いのこのお方………)」 信長「あの光秀とか言うもの面白いの!なかなか見どころのある者やの、秀吉と比べて競わせると面白そうだで!ふふふふふ」 吉法師「………ふぁああああ
………(全く釣れんの……)」
娘「………………」
吉法師「……なんだどうした」
娘「釣れますか?」
吉法師「釣れんの、今日は昼飯食って帰るわ」
娘「………(着物をはだけて片乳と太ももをあらわにする)」
吉法師「暑いか?もう秋だでよ!俺は帰るわ!俺を誘うなたわけめ!!!!」
娘「すいません……」 侍女「信長様今宵はご機嫌でありますね」
信長「ふふ分かるか?あした秀吉と光秀が顔合わせするんだわ!ふふふふふ」
侍女「へえ……」
信長「あいつらどんな話するんだろう……顔見てなんて思うんか……ふふ」
侍女「……」
信長「寝るぞ、はよう寝な寝付けんわ!あははははははは」 忍「六角様に言われて忍びました!」
信長「ふん!つまらんの貴様、あるじの名やすやすと出すな!殺す価値もない者め、もうええでこいつ放て!処刑は無しと致す」
忍「……そやけどわしは……帰れまへん」
信長「ならば死ぬか、阿呆め、琵琶湖で魚釣りでもしておれ!」
忍「はぁ」
信長「待て!うぬ甲賀の出であったな!甲賀の忍どもの手の内教えよ……嫌と申すなよ?言わば城下に家ひとつ呉れてやるで」
忍「……飯は」
信長「貴様!!ふふふはははは!正直に申せば餓えはさせぬ程食わせてやるわ!たわけめ!!」 信長「取り囲んだか!!!きゃつら1匹たらず逃すな!!!よいな!!藁を巻け!!!四方藁で巻き尽くせ!!!
油の用意!!!きゃつらに手当たり次第油かけい!!!……………………最期であるわ、一向宗どもに念仏のひとつでも唱えさせてやれ」
信長「済んだの、火放て…焼き尽くせ……消えよ!!!!!焼き尽くせ!!!!邪魔者どもめ!!!
織田家の旗立てよ!!!!織田のこののぶな!ゲホ!ゲホ!肉の焼ける臭いするの……
ゲホ!信長にさから!ゲホ!くっせえがや!!ふふふふふ」 家臣「天下さま!京の蛮族の頭捕らえたとの一報が天下さまにお届きいたしております」
秀吉「……京の?…………ああ盗賊どもか、うーん……」
家臣「…………」
秀吉「……派手にやるか!!油で釜茹でにでもしたらよ!!面白そうやでよ……油五貫ほど用意しとけ!!」
家臣「はっ!!」
秀吉「ふっ……面白い見世物やるで……ふふふふ」 秀吉「ほんならよ!!いっちょうやったるでよお!!官兵衛!!全兵に京に戻るよう言えや!!!わしは毛利と話し合いするでよお!!!」 秀吉「勝ったか……光秀に勝ったか!!……(ワシが信長様の跡継ぎだと?)」
家臣「はい勝ちました」
秀吉「……これからが大変よ!まずは光秀の首を!!そのあとは…………(勝家の堅物をどうするか……)」 清洲会議
勝家「織田家の事を深く思う者であるのならば!筋を通す事を考えれば!」
秀吉「………」
勝家「この!!大殿信長様の亡き今に置いて!!唐突に!この……予想もせぬかの出来事」
秀吉「……(ようぐだぐだ喋れるのう……さっさと進めりゃ)」 秀吉「満場一致で秀信様が御跡継ぎにと決まったがなぁ……勝家殿がなぁ……」
勝家『お主は新参の身ながら大殿に情け受けて仕事をしておったな』
秀吉『はぁまぁ情けとは思うておりませんが』
勝家『なにもなき時代から岐阜で手柄立てて、大殿に目を付けられてずいぶんと御立身で』
秀吉『はぁまぁありがたき事と』
勝家『この織田家お主の傀儡にはさせませぬぞ……秀吉殿!!』
秀吉『…………ん?』
勝家『織田家をお想いか!それだけ!御免!!!』
秀吉『………………ふふ』 秀吉「弱者など叩き潰してしまいましょう信長様のおちから」
信長「秀吉」
秀吉「があれば武田北条毛利長宗我部と討ちほろぼ」
信長「秀吉」
秀吉「して!すぐにも鎮西へと織田の兵」
信長「秀吉よ」
秀吉「を集め……高麗……」
信長「秀吉、先の話するな」
秀吉「はっ!」
信長「天望は高いが良いがなぁ、先々話をするな!」
秀吉「はっ!」
信長「ふっ!しかしお主はよう喋りおるな、止まらなんだわ」 吉法師「弥五郎!?起きておるか?弥五郎!?」
ドンドン!
ガラガラ……
吉法師「……弥五郎は?」
母親「今日は勘弁してくださいまし……」
吉法師「なんでだ?起きとるんだろう!?釣り行くで」
母親「今日は……今後勘弁してくださいませんか?」
吉法師「…………理由は……」
母親「今後……勘弁してくださいまし!今日はこれでご勘弁を」
ガラガラガラ……
吉法師「………………はぁ…(俺とつるむのが嫌か……つまらんの!)たあけ!!!アホ!!!」 波多野秀治が囚われ安土に連行され、織田信長の御前に連れ出される
信長「波多野か、うぬら手こずらせてくれたなぁ、それだけは褒めてくれるわ!」
波多野秀治「…………ふっ」
信長「うぬらのお蔭でてんがへの道少し遅れたがな!大した足踏みにもなるまい!言いたい事ないか?うぬら潔く腹かっ捌く覚悟おありのようやのう」
波多野秀治「アホウめ……貴様なぞ誰をも認めておらんのじゃ!アホウめ!!信長!!アホ!信長!」
信長「……………………」 波多野秀治「アホウめ!うつけ者!たわけ者!畜生!!」
信長「………………」
少年A「アホウ!!アホウの吉法師!!アホウめ!!うつけー!」
少年B「たわけー!おみゃあいつも一人だの!誰も周りおらんのかアホウの吉法師!」
少年C「石投げりゃあ!石石!アホめ!当てろ石当てたりゃー!!」
あははははは…………
波多野秀治「あははははは!アホウめ!貴様なぞ」
信長「黙れ貴様!!!!!!ここで叩ききるぞ!!!!!」
秀治「…………………………ふふ、アホウめ…………」
信長「この者……今日にでも処刑致せ!!!!!!殺せ!!!!」 家臣「殿!よろしいでしょうか!!」
秀吉「…………ほうれ……」
娘「いやぁ…………うふふふふ」
家臣「殿!!よろしいでしょうや!!火急の事でありましてすぐにお聞きくだされ!!」
秀吉「(毛利が攻めいりおったか……)なんや!今忙しいで後にせえ」
家臣「ではこのままお聞きくだされ!!京にて!!大殿明智光秀の奇襲に会い!!御他界なさられました!!」
秀吉「………………は?!」
家臣「無念にござりまする!」
秀吉「はあ?!!!!何言うとんだぎゃ!おみゃあ!!!たぁけた事申しておるでねぇがや!!!」
家臣「無念にござりまする……」
秀吉「…………官兵衛呼べ……呼んでちょ……」 家臣「南蛮渡来の珍しき御食べ物ご用意しておりまする、こちらで」
秀吉「なんや、これ……」
家臣「南蛮渡来の唐黍(トウモロコシ)と申す物で美味であると」
秀吉「黄色い米のようやなぁ………………うーん」
家臣「……いかがですか?」
秀吉「………………まぁ…うまいよ、うーん(味が薄いのう)」
家臣「それはそれは」
秀吉「悪くはないわ、まあ……悪くはない味やな……幼子らにはちょうどええ味と思う、献上致した者に褒美授けるよ、下がってくだされ(不味くはねえがうまくもねえがや……)」 信長「門前町全て焼き払え!遠慮いらん!おなごやろうが子供やろうが全部殺してしまえ!消せ!燃やし尽くせ!!」 ドン!!!!ドン!!!!!!ドン!!!!!!!!
女『・・・な・・・なに・・・』
ドゴオオン!!!
女「・・・・・・」
ガラ・・・ガラガラ・・・
少年「吉法師が来た言え!!」
女「・・・・・・え・・・」
少年「吾朗作に吉法師が来た言やぁ!!はよしやぁ!!!」
女「(子供か・・・)なんだぁあんたぁ!こんな朝はよに!!みんな寝とるんよ!?」
少年「うっせえで!!!!はよう呼びゃあ!!吾朗作!!!!来たぞ!!!出てこやあああ!!!!!」
向かいの老婆「どないしましたん・・・えりゃあ大声で・・・ふっふっふ」
女「・・・お城の・・・子がなんか喚いとるんです」
向かいの老婆「どないしましたん?おみゃあさんえろう声張り上げまして」
少年「ふんっ!!喧嘩売られたで来ただけだわ」
向かいの老婆「まぁまぁ元気ですなぁ信定さまもよう元気でおられまして、よう似とりますわ」
少年「・・・・大先代のか、知っとるのか」
向かいババア「よう塩畑にもな、来られましてな、ここの通りもな、歩きなされてなぁ」
少年「・・・・そうか・・へぇ・・・」
ババア「まだ朝もはええで、えらい音聞こえまして何があったんか思いましてなぁ、まぁ朝早いで今日はお戻りなられたら?」
少年「・・・チッ!!!!!・・・・・」
ババア「ほうらお空も曇って来まして一雨きそうだで、はよう今のうちにお戻り・・」
少年「しゃあねえのう!!!!!!たああけえええあほおおおおおお!!!また来るで!!!来るの嫌なら木曽川のいつもんとこ来やあああああああ!!!来なんなら又来るぞ!!!たあああけえええ!!!吾朗作!!!」
女「・・・・」
少年「ばあさん帰るわ!起こしたか!悪かったの!」 川辺で少年が一人釣りをする
少年「・・・・・・・・・・・・・・・ん!」
パッと竿を上げると小ぶりな銀色の鮎が現れる
少年は手馴れた手つきで鮎を針から外し網の壷の中に入れる
猫「にゃああああああああんん・・・・・」
少年「・・・・・・・ほら」
網の壷から魚を一匹取り出し傍に座った猫に放り投げる
少年は猫を少し見た後また川に向かって竿を振りかざす ある曇りの日、10歳の少年が釣竿を持ちいつもの河原へ向かう
河原に見た事のある少年3人程が石を持ち何かを取り囲んでいる
少年「・・・・・・」
近づくと少年達の足元に血の飛び散った後が目につく
少年達が竿を持った少年に気付きこちらを振り向く
彼らの足元にはいつも魚をあげていた猫の変わり果てた姿があった
吉法師「・・・・・何しとんだぎゃおみゃあら」
少年A「・・・・おみゃあこそなんだぎゃ」
少年B「・・・・・」
吉法師「・・・・俺の釣り場だで、よぉここは」
少年C「・・・・」
少年A「行こ」
少年達が血のついた石を放り投げ立ち去ろうとする
吉法師「待て!誰がやった?言え!言え貴様ら!!白状せえ嘘付くな?誰だ?言えぁあ」
少年A「何がだぎゃ!猫殺したぐらいで!きっぽうし!おみゃあの事などよ恐れもせんで!みんなおみゃあの事馬鹿にしとんで!いつも猫に餌やって・・・」
吉法師「おう、それでどうした」
少年A「・・・・お・・・い・・・いてえ・・・・」
吉法師「死ね貴様」
少年の腹部に刃物が刺さる
少年A「・・・は・・・・」
吉法師「・・・・・・死ね」 信秀「・・・吉法師呼べ!」
家臣「はっ!」
吉法師「・・・・・・・」
信秀「・・・父上の前ぞ!まず何か一言でも言え!」
吉法師「・・・何用でござりますか」
信秀「今日木曽の河原で何か起こしたと?人を殺生したと?」
吉法師「・・・」
信秀「目付け達より耳にしたが、まことであるか否か」
吉法師「・・・・」
信秀「言わねば分からぬ!」
吉法師「酷い仕打ち受けたでやり返しただけです」
信秀「仕打ち?」
吉法師「石で大勢で殴られたで仕返したら死にました」
信秀「・・・・・・・・・殴られたか」
吉法師「殴られましたがやり返しました」
信秀「ふん・・・・(そのような話聞いておらぬぞ・・・このガキめ)」
吉法師「・・・・・」
信秀「今宵は遅いでもう良い。下がれ」 少年A「作一が吉法師と喧嘩しとるんだと!」
少年B「えりゃあ喧嘩聞いたで大丈夫か作一……」
少年A「行こまい!殺されとるかもしらんが……」
作一「吉法師!殺してやるで!観念せえ!」
少年が吉法師に馬乗りになり刃物を右手に持ち粋がる
吉法師「……」
作一「いにゃあ!吉法師!」
武士A「待て貴様!」武士B「止めりゃ!たたっ斬るぞ」
作一「…………ちかよんでねえて!ちかよりゃあは吉法師殺すぞ!」
吉法師「この!!!」
隙を見た吉法師が作一の喉に脇差しを突き刺す
武士A「若様!お怪我は!」
吉法師「邪魔するでねえで!!たあけめ!!…………親父に言うな!いちいちうるせーで!」
武士A「これ程の大事隠しきれませぬ!」
吉法師「なら言やぁええがや……どうせこの衣服の血見てバレるでよ!」 ババア2「……」
ババア3「あれあれあれ!……吉法師様だかや」
ババア1「……(あら、わきゃーて勇ましい)」
ババア3「………吉法師様!今日はどちら行かれますのん?」
吉法師「………」
少年は女の声など無視し通りを歩いて行った
ババア連中「なんだあれ!」「やはりうつけだで!な?よう聞いてたで!」「妙な格好しなさって!阿呆だがやあいつ!」
吉法師「おう!来たで!」
寺の小姓「き、きっぽーし様が来られましたで皆お顔ご拝見のほど」
吉法師「よいわたあけ!はよう相撲とりゃーせ!……おう!!おのおの方!こたび集まりゃーて俺、それがしもうれしく思お!殊勲の者織田家より褒美とらす!取り立ててもやるでたあんと力尽くせ!」 吾郎作「こ…こたびはご、御機嫌うるわしゅうぞんじまする!」頭を床に付けて答える
信長「うん…久しぶりだのう!そなたの事よう覚えとるぞ!」
吾郎作「あ、ありがとうござります!」頭を床に付けて答える
信長「そなた、まず清洲まで来られたか?そこを答ええ…」
吾郎作「はっ………その……」顔を上げる
信長「……ふっ!(褒美が欲しかったか?何もやらまいでな)」
吾郎作「……ご……御機嫌いかがかと、お、おま、おもういまして」
信長「ふっ!それは恐縮であるわ!!あの時のそなたは凄まじかったな!百人力の力士であったわ!吾郎作!そなたに米3俵の褒美取らせる!」
吾郎作「は……」
信長「しかしの、来るのがおせえで、ごろさ!」
吾郎作「はい!」
信長「もう少し早やきゃー米5俵ほど贈らせ取り立ててやったがよ!おみゃあなんも来なんだな!で、その分はよ、取り立ててはせんがよ、米9俵やるで!そっから身を立てて俺んとこへ来ゃあ!吉法師ではなく信長の所へよ!」
吾郎作「はい!!」
信長「(取り立てる程の者でもないか……足軽大将が関よ)」 家臣「此度の美濃御討伐、御大将織田信長様が御率いてなられます第一部隊大将知多大右衛門、第二部隊大将大貫泰昭、第三部隊大将大谷吾郎作」
信長「…………」
家臣「第四部隊田中作豊、第五…」
戦後……
家臣「此度の面な功績御報告とさせていただきまする!勲功!第一部隊隊員与官衛!敵二部隊副大将の股に手柄!勲功第一部隊尾介!敵第一部隊軍三名の手柄!無念敵により討死!第二……」
家臣「第三部隊大将大谷吾郎作!部隊大将見事討ち取り」
信長「……」
家臣「無念敵により討死!」
信長「……」 羽柴秀吉「相手を乗せて乗せて笑りゃーええんだわ!そしたらよ、向こうも笑うでなんも心配せんでええで!
笑わん奴はあれだ。あれあれ、もう知らんで!」 酔った家臣「天下様ぁ!もうこの世の中怖れるものはなーにひとつござあませんね!」
秀吉「……阿呆か!まあ色々あるわ!」
酔った家臣「例えるならば?どのような?ねね様とか!」
秀吉「…ふっ…(確かにねねは厄介ではあるな、ふふふ)」
酔った家臣「……徳川殿とか?」
秀吉「………………(大丈夫にしとるはず)阿呆め!口を慎め!」
酔った家臣「ははっ、大殿が化けてでるかも!!」
豊臣秀吉「…………ふっ!出るなら出るがよい!!織田信長殿であろう?わしは関白じゃ!!出そうか?!!ならば出せ信長殿を!!」
家臣「……」
秀吉「このもの捕らええ!よくぞここまで皮肉込めてくれたな!」 家臣「天下様、盗賊の頭領、石川五右衛門への刑、御準備整いました!」
鴨川を挟んだ河原に10人ほどのワカイ女が倒れ、或いはしゃがみこんでいる
綱に繋がれた男が大きな釜の前に歩かされる
秀吉「……ふ…あやつら全て盗賊どものたぐいか?なら……全員罰を与ええ!あと、京中に、関白京を荒らす大悪党討伐す、と知らせ!」
家臣「はっ!」
秀吉「…………うわ……ふふふ、見てみい、あやつ生きたまま茹でた釜に入っとるわ!見てられんなあ……わしは戻る!!あの男の関わりのあるもの!おなごやろうが幼子やろうが処刑せえ!ただしあれのようなむごい事はしてやんな……見てられんわ!」 信長「この球はなんぞや?!」
ポルトガル人「コチラ、コノヨノスベテ?アー、スベテ二ゴザリマスル」
信長「……全て言われても分からん!そなたらがどこから来たのか!天竺!明!高麗の事も深く話せ(ワクワクワクワク」
ポルトガル人「ハイ、アー、コチラ……リスボン、デゴザイマス」
信長「ふん……(ワクワクワクワク)」 家臣「御前様……先日捕らえました者いかが致しましょう」
秀吉「…………先日?ああ……(信長の名を出した)あの者か」
家臣「かの者酔っての事でありそれがしもよく知った者に御座りますれば無礼事など口にもせぬ者と勝手知っておりまする!どうか免罪を頂けないでしょうや」
秀吉「…………」
酔った家臣(ははっ!大殿が化けてでるかも!!)
秀吉「(ムカアアアア!!!)……そ、それ以上あの者庇うならば貴様もあやつと同じ目に会うと思え!」
家臣「……はい、申し訳御座りませんでした」
秀吉「いね!はよ!胸糞悪い!」 犬「わんわんわんわん!わん!」
吉法師「・・・・ふふ!おい!」
犬「わん!!」近づいてきた少年に近寄り尻尾を振りまくる
吉法師「おみゃあ今日も元気だな!・・・のう?!」
犬「はっ・・・はっ・・・・はっ!」喉を撫でられて上機嫌
吉法師「腹減ったか?お?腹減った?」
犬「はっ・・はっ・・」尻尾振りまくる
吉法師「待っとれ」少年がすぐ傍の屋台を出した団子屋へと向かう
おばさん「いらっしゃいませ・・・」
吉法師「一本くれ!]
おばさん「はい・・・」
金も払わず団子一串を持って犬の元へと向かう
吉法師「ほら、食え!」
女「すんません、えろう迷惑かけて、これお代で」
女が団子代をおばさんに渡そうとする
おばさん「ええて、おみゃあさんのせいでねえもん」
女「そう言われましてもなぁうちの犬の・・・せいで毎度毎度」
おばさん「ええんだわあんたのせいでねえし何とも思っとりゃあせん。それより団子買うて行って」
女「それなら10本いただきます」 信長「あの店の団子かっぱらってこいおみゃあ!」
少年A「・・・・・・」
信長「はよいけ!!あははは」
家臣「信長様よろしいでしょうか!」
信長「なんだ!今おもしれえ所なのに!あれ見てみい!あいつ団子屋で団子かっぱらうでよ!あははははははははは!」
家臣「・・・・・火急の事にござりますればお耳お貸し頂きたく存じまする!」
信長「・・・・・なんだ・・・(また親父の呼びつけか?)」
家臣「平手政秀様!本日みごと御割腹なされました!」
信長「・・・・・・・・・・・・・・」
家臣「御遺体平手様の御屋敷に・・」
信長「あ?!!」
家臣「・・・・・」
信長「・・・・・・あ?!!政秀の爺やがどうした?!!貴様・・・」
信長「・・・・たあけ!!!!!!!じい!!!!!!!!俺が何も考えんと遊び呆けて思うたか!!!!!!俺がなんもせんとふらついておった思うたか!!!!!!あほうめ!!!!!じいい!!!!!」
信長「うああああああああああああああああああああああああああああああ」
信長「平手政秀ですら見抜けん事ならこの世の全てだませよう!俺は変わるぞ・・・じいが望んだ事であるなら変わってやる・・・」 家臣「此度の事!逆賊めを御前に出しましたる事大変申し訳ござりませんでした!」
信長「・・・・ふんっ!たわけめ!良い!つまらぬものに時間わずらわせたワシにも問題があるのでな!よい!下がれそなたらの責任など微塵もあらぬ!」
家臣「はっ!申し訳ござりませんでした!」
信長「ただ、わしはあの者にもう二度と顔合わせ致さぬので処罰は各々方が勝手になされ!良いな!」
家臣「はっ!」
信長「あやつらもああ見えて武士よ、最期ぐらい割腹でもさせてやるがよいわ!それだけである!下がれ!」
少年A「信長様、勝端の連中生意気だで夜更けに火でも付けて懲らしめてやらめぇか?」
信長「・・・・」
少年B「そうだで、あいつら一度こらしめねぇとあかんわ!信長様火つけて殺してやりましょう!」
信長「・・・・・」
少年A「向こうもわしら殺そうと思うてずっと策練っとりますで!今のうちにこちらか」
信長「うるせーわ!」
少年A「・・・・」
信長「阿呆め!あそこ一体親父が占めてんだわ!そんなどえりゃあ事すりゃ殺されるで!殺されんでも屋敷に閉じ込められるわ!」
少年B「あぁ・・・」
信長「だもんでよ、そんなだいそれた事は・・・無理だで他の策考えてちょ・・・」 信長「ええかおみゃあら!今より三河のたあけ共に仕返しするで!殺してまっても構わんで全力で尾張の力見せりゃあて!!」
少年達数十名「おーーーーーーーーー!!!」
信長「あっちも用意しとるで、ゆっくり近づいてよ・・・囲んで一人殴ってやっつけてそれ繰り返せ!ええか?行くぞ・・・静かに行きゃあ・・・俺が声出したら一斉に行くで・・・・・・・かかれ!!!」
信秀「信長呼べ!!!!!!」
信長「・・・・お呼びでしょうか・・・」
信秀「座れ貴様!!!!!」
信長「・・・・・」
信秀「いつまで父の顔に泥塗るか!!!!たあけめ!!!!!たたっ斬るぞ信長!!!!!!!」
信長「・・・・・ふっ・・・・」
信秀「・・・・何をしておった・・・3人殺傷したと?貴様・・・・・!!!今川領の三河であるぞ!!!」
信長「・・・・申し訳いたしませんでした」
信秀「たわけめ!!!切腹ものであるぞ貴様!!!!!」
信長「・・・・ふんっ・・・・」 信秀「・・・はぁ・・・・はぁ・・・・わしの声・・・聞こえておるの・・・」
家臣団「はっ!」
信秀「・・・・家督の事・・・・遺言通り・・・のぶなが・・に継がす・・・そなたら・・・のぶながを支えたもう・・・・」
家臣団「はっ!」
信秀「・・・あいつ・・・・のぶながめ・・・・わしの・・・祖父によう似ておって・・・」
家臣「・・・・・」
信秀「・・・・・お頼み申す・・・」
信長「本日より織田家頭領である織田三郎信長である!先代の頃よりおのおの方尽力致した事御感謝申し上げそうろう!これよりも我が織田家の為に御尽力なされる事それがしよりお願い申し致しそうろう!」
家臣A「はっ・・・・(ふんっ・・・大うつけめ!)」
家臣B「はっ・・・・(このような者に織田家任せて良いのか)」
家臣C「・・・・・(・・・・・・)」
家臣D「はっ・・(織田家も終わりか・・)」
柴田勝家「はっ!(・・・大殿は盲目であられたのか・・・・なぜこのようなたわけ者に家督を!)」 尾張 熱田神宮
信長「各々がた揃うたか!これより東の田楽へと向かう!!神へはワシが祈ったで無用!!一気に参る!一気に今川義元が首獲る!!覚悟ええな!参る!」 騎乗中の信長 雨が降りだす中、田楽狭間へと向かう
信長『負けてもともと!ここで終わらば俺はその程度』
ザーーーーーーー(雨が強まる
信長『熱田よ!ワシに御加護たもう!たのむぞ!』
ザーーーーーーー 田楽狭間の脇の小高い丘
村人「こちらからよう見えますで」
信長「…………」
ザーーーーーーー…(雨と霧でよく見えない
村人「……」
信長「よう見える!よい!よくやったぞ!名を申せ!あとで褒美とらす!!よくやった!!!!」
ザーーーーーーー(今川軍の様子霧で全く見えず
村人「ありがとうござあます…」
信長「これより!!!今川義元が首頂戴いたす!!!一気に攻め立てる!!まとめて潰せい!!参るぞ!!かかれ!!!」
武士軍「おーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」 軍隊長「かかれー!!!」
足軽隊「おーーーーーーー!!!」
ザーーーーーーー……
永禄三年5月19日(1560年6月12日)尾張国桶狭間村付近田楽で起こった織田信長の今川義元軍への奇襲作戦は豪雨のなか行われた……
酒が入ってきた今川義元
義元「…………ねむい」
家臣「と、殿!義元さま!!!なにやつかが陣中をと、と、突然!!!!」
義元「な……なんだ……」
家臣「すぐに!!お逃げなされ!!!はよ!!」
ザーーーーーーー……
義元「ん…………」
毛利新介「今川義元公!!!!!お印頂戴致す!!!」
義元「…………な、なにやつ!!」
毛利新介「御免!!!!」
義元「…………」
毛利新介の刃が今川義元の喉を貫く……
毛利新介「はあ!はあ!」
今川軍本陣内に織田軍が乱入する
毛利新介が今川義元の遺体の首を切断し掲げる
毛利「今川義元!!討ち取ったりい!!毛利新介が義元公が首取ったりいい!!!!!」
足軽「おおおおおおおお!!!!!」 木下藤吉郎「ほら!来たで!」
河原の草むらで寝そべってた子猫たちの1匹が駆け寄る
藤吉郎「…………」
夢中で子猫を撫で回す
藤吉郎「ほら分けてやりゃあ」
煮干しを一握り放り投げると他の子猫たちも集まって食べ始める
藤吉郎「ふふ」 少年A「阿呆!阿呆のきっぽーし!釣れとるかー!」 
土手の上から少年達が一人河原で釣りしてる少年に声をかける 
少年BCDEFG「ははははははは」 
少年A「釣れとるかー!はよう言やぁー!」 
吉法師「……」 
ちらっと土手の上を見たが視線を川に移す…………が 
吉法師「全然釣れとりゃーせん!!おみゃあら川入って魚追い込め!!」 
少年A「…………たわけ!!だーれがおみゃあの手助けするか!!」 
少年Aが石を拾い河原の少年に投げつける 
周りの少年達も面白がり石を拾っては河原の少年に投げつける…… 監視役の武士「若様!!若様!御怪我どうなされました!!」
頭、顔、腕、足から出血する吉法師
吉法師「………………蜂に刺された」
武士「蜂!手当て致しましょう!」
吉法師「……おみゃあ見ておらんか……」
武士「……」
吉法師「よい、このまま帰る!屋敷で手当てを……」
武士「はっ……」
吉法師『あやつら……必ず仕返ししてやるで!!このままで終える俺と思うな!!』 少年A「あれ見てみりゃー!!」
土手から川を指す
少年BCDEFG「…………」
少年H「吉法師だ!!」
少年が一人川を泳いでいる
少年C「あっ!あれ!着物!」
川辺に脱ぎ捨てられた着物とわらじと脇差しが置かれている
少年D「あれかっぱらってまお!!」
少年達は土手を駆け降り河原にやってくるなり着物や脇差しを手に取る……
川で泳ぐ少年はそれに気付いてか気付かずか泳ぎに夢中になっている
吉法師「…………ふっ!」 突然10名程の武士達が土手から駆け降りる
武士A「貴様らその御着物類どなたの御品と心得ておるか!!」
武士B「そなたらか!!若様に御怪我負わせた不届き者どもめわ!!」
武士全員が刀に手をやり近づいてくる
少年A「………………」
着物を持つ手が震える
武士C「無礼者どもが!!貴様ら全て切り捨てる!親も全てぞ!」
少年B「すいませんでした!」
武士D「ならぬ!!」 少年C「堪忍してください!」
少年D「すみません!」
少年E「俺は良いんで!親は!どうか!」
少年F「……ご免なさい…」
少年G.H「すんませんでした!」
少年A「………………」
武士A「赦すかたわけ者!!」
吉法師「あはははははは!!おみゃあらどうした!たあけども俺が来たでよ」
少年A「……」
吉法師「おみゃあら俺が一人思うとったな?俺は百人力なんだがや、ははははははは、与助!」
少年A「……」
吉法師「おみゃあだけ何も言わんの? 少年A「……吉法師!勝った思うなよおみゃあ!」
武士B「貴様!!!」
吉法師「ええわ、面白れえのおみゃあ!おみゃあの石だけでりゃあ痛かったでよ!あとのもんのはかすり傷だわ!」
少年A「…………」
吉法師「おみゃあ面白いで俺が召し抱えてやるで」
少年A「こいつらは俺が誘ったで勘弁してくりゃ……」
吉法師「ふふ…………たあけめ!!!!!」
少年BCその他「!!!」
吉法師「雑魚になど用はにゃあて、こいつら帰してやれ」
武士A「しかし……信秀様の御言いつけで……」
吉法師「良いわ!!!帰せ!!」 吉法師「与助!おみゃあも一先ず帰す!またなんか俺にやってこい!いつでも相手なったるで!」
少年A「……」
吉法師「ほんならまた一泳ぎするわ!おみゃあら与助斬るなよ?帰せ!」
そう言い残し11歳の少年はまた長良川に入って行った…… 少年A「阿呆!阿呆のきっぽーし!釣れとるかー!」
土手の上から少年達が一人河原で釣りしてる少年に声をかける
少年BCDEFG「ははははははは」
少年A「釣れとるかー!はよう言やぁー!」
吉法師「……」
ちらっと土手の上を見たが視線を川に移す…………が
吉法師「全然釣れとりゃーせん!!おみゃあら川入って魚追い込め!!」
少年A「…………たわけ!!だーれがおみゃあの手助けするか!!」
少年Aが石を拾い河原の少年に投げつける
周りの少年達も面白がり石を拾っては河原の少年に投げつける…… 織田信長安土城裏の湖岸にて
信長「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
織田信長が湖を泳ぐ
湖岸には20人ほどの関係者が様子を伺う
そしてその周りには10人ほどの村人達も見つめる
信長「・・・・ふぅぅぅぅぅ」
信長が家臣達より少し離れた浜に上がる
男の子A(7)「・・・・」
男の子B(4)「・・・・」
幼女C(6)「・・・」
3人の子供が織田信長を見つめる
信長「ふっ!ええ天気だの!お前達も泳ぐか?」
男の子B「・・・」
信長「気持ちええぞ?ん?」
幼女Cが何かを差し出す
信長「・・・・ふっ・・・ワシにくれるのか?」
信長が幼女から貝殻を受け取る
家臣「信長様、お体お拭きなされてくださいまし」
信長「名はなんと申すか?」
幼女C「・・・きぬ」
信長「ありがとうのう、わしは城に帰るで、おみゃあも家帰り?」
幼女C「・・・・」
信長「ふふっ!帰るわ!」 家臣「信長様、昨日捕らえました盗人の事、いかがいたしましょうや」
信長「・・・・・もう一度確認致す、4名であったか!畑より胡瓜漁っておった者であるな」
家臣「はっ!」
信長「牢屋敷におるか、ちょっと見に行くか・・・籠いらんで、ワシ直に降りてくわ」
安土城下僻地
掘建て小屋・・・
家臣「こちらで・・・」
信長「・・・・」
小屋内に少年3人と少女がしゃがみこんでいる
信長「・・・・・・・・・この者らいくつよ」
家臣「それが・・何も話さないようでよくは・・・」
信長「おい!・・・おい!お前!今いくつや?!」
少年A「・・・・・14です・・・」
信長「他のもんも似たような年か?」
少年A「これが・・13でこれが12で・・・こいつは14です・・・」
信長「ふんっ!!たわけめ・・・畑から盗んだらいかんぞお前ら・・よう分かったか」
少年A「すいません・・でした」
信長「良いわ!!!!!こいつらもう返せ!出してやれ、もうええでよ」
家臣「はっ・・・」
信長「情けでねえわ!殺すに値せぬ!罰を与える程の者でもあらぬわ!!もう放せ!帰してやれ!」 少年A(7歳)「あっ!あづちのとのさまやー!」
少年B(5歳)「ほんまやぁ・・・」
信長「・・・・・止め!!!」
籠から信長が降りる
少年A「・・・・」
少年達の元に歩み寄る信長
信長「・・・ふっ、うんこするで、お前ら少し離れてくりゃ!ふふふふふふふ」
家臣「殿!」
信長「よい!!くんな!おみゃあらここいらのもん?」
うんこをしながら少年に話しかける信長
信長「わしの事知っとる?親に聞いた?」
少年A「はい」
信長「不自由しとらんか?食うもん食っとる?」
少年A「はい」
信長「腹減らんな?良いな?!よしっ!!」
布でケツを拭きその場に布を捨て再び籠にもどってゆく
少年B「・・・・・・・・・・・・」 玉「ととさま〜!ととさまはなんで御優しいんん?!」
光秀「なんでやろなぁ」
玉「ととさま〜!ととさまはなんでたまのこと好かれておるのぉ?」
光秀「なんでやろうなぁ」
玉「ととさまはなんでおだのぶながさまのこと聞いたらあかんのぉ?」
光秀「・・・・・・・・・・誰に聞いた?」
玉「・・・・・」
光秀「二度とその事口に致すな!!!!!」
玉「うわあああああああんんんんん!!!!」 信繁「太閤様の御意向尊重致しますれば!!!この度の戦!!!!討って出てこその事やと存じまする!!!!」
秀頼「うーん……」
淀「…………」
信繁「……」 真田信繁「参るぞ!!!徳川家康が首狙え!!!!かかれーーーーー!!!」 信繁「此度の戦!!!最期と思え!!
ただ豊臣家の事のみぞ胸に秘め!!てんが様!!
太閤秀吉様が御恩授かりし事胆に銘じましょうぞ!!!覚悟決められたならば豊臣への御恩胸に徳川家康公に一泡!二泡!三泡吹かす!!
この真田信繁が力奉らん!主ら我ら豊臣へ御力奉られる事この受け合い!!」 家康「な、なに!!!何事ぞ!!」
家臣「豊臣方の奇襲が!!突然!!引き!!ましょうぞ!!」
家康「え!!何者!!なんや!!引け引け引け!!!引け!!!はよ引け!!!豊臣が攻めとる!!」
家臣「引ける所ありませぬ!!落ち着きましょう!」
家康「………………ふううううううううう…………な、何があった」
家臣「豊臣方の真田が我らに突入したと!まだ予断出来ませぬ!」
家康「まだか!!引けぬのか!!」
家臣「すぐに今より引くと他への士気にも影響致しまする!」
家康「その奇襲!真田信繁か!」
家臣「はっ!伝達の者によれば六文銭の紋でありましたと!」
家康「………引けぬのか!!」
家臣「踏みとどまりましょうや!」
家康「………」 家康「回り固めよ!!何が起きようと守り固めよ!!」
家臣「はっ!!」
家康「…………」
家康「よいの!一気に大坂攻め立てる!!!」
家臣「お待ちください!!!!」
家康「なに……」
家臣「豊臣方の残党奇襲にござりまする!!!!」
家康「……ま、た?」
家臣「はよう!!!避難!!」
信繁「徳川家康公!!!!!!御首頂戴!!!!!!!」
家康「相手は誰ぞ!!またあやつか?!」
家臣「六文銭の紋であると!!」
家康「逃げろ逃げろ!!逃げえはよ!!!」
信繁「かかれー!!!!!家康が首狙えい!!!!!」 慶長20年5月……
家臣「こちら、真田信繁公が御しるしにござりまする……」
家康「…………良いお顔をなされておるな!真田信繁公!!!日の本一のつわものであったわ!!!(感極まって家康も泣き出す」 信長「・・・先ほどより備えておる、貴様の後方の黒き者は何者であるか」
通訳「Quem e ele?」
宣教師「Ele e um servo.Foi trazida da terra do extremo sul de Lisboa.」
通訳「・・・奴隷にござりまする、と。リスボンの遥か南より連れて参った、と。」
信長「ふん!人、であるか」
通訳「Ele e humano?」
宣教師「E claro, ele e humano. Mas ele nao tem e sido tratado como um escravo, como nos, seres humanos, tais como a」
通訳「・・・・人ですが、奴隷であって我らのような扱いは受けておりません、と。」
信長「で、あるか」 信長「・・・共の者ではあらぬ・・・・お蘭!!見てまいれ!!」
蘭丸「はっ!!」
信長「・・・・・」
パパーン!!!!
信長「・・・・・・(喧騒の類ではあらんな)」
蘭丸「うえ!!上様!!!!!!門外に紋所確認致しますれば桔梗の紋!明智の桔梗紋とおぼえまする!!」
信長「明智・・・?光秀か・・・・」
信長『光秀??????????・・・・・・・・・・家康の接待の事か・・・いや・・・・・・・・・・天下への欲出たか・・・・はたまた・・・・近畿の何者かの差し金・・・いや・・・・光秀の単独であろう・・・」
信長「たわけめ!!!!!!!寺に火かけよ!あちらこちらにかけい!」
信長『光秀め・・・・貴様の思い通りにはさせぬわ・・・・わしが死して誰が次に・・・・信忠、勝家、秀吉、信孝、一益・・・家康か・・・・キンカ光秀・・・貴様の思い通りにだけはさせぬぞ!」
信長の居る間が炎に包まれる・・・・・ 家臣「殿様!」
秀吉「ほぉれほぉれ」
女「うふふふふふふ」
秀吉「お前愛嬌のある顔しとるのぉ」
家臣「殿!!よろしいでしょうや!」
秀吉「・・・・・なんだ!!やかましいのぅ・・」
女「うふふふ・・・」
家臣「火急の事にござりまする!半刻ほど前に城下で播州より安芸へ赴くと申す不審なる商人捕らえましたる所この様な書を携えておりまして!
家臣が秀吉に手紙を差し出す
秀吉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんやと!!!!!!」
家臣「・・・・」
秀吉「すぐに確認を取れ!!!京に向けて伝令遣わせ!!!あ、あと官兵衛呼べ!!!はよ!!!」
家臣「殿様!京より伝令がまず届きましてござりまする!」
秀吉「うむ・・・なんと・・・・」
家臣「明智日向守!京にて六月二日明朝御大将信長公がご宿泊の本能寺を急襲、御無念大殿御自害」
秀吉「え・・・・」
家臣「並びに総大将信忠公がご宿泊先二条へも明智の手が回り御無念御自害なさられたとのご報告ござりました」
秀吉「・・・・・・嘘だで・・・あの・・信長様が・・・嘘だぎゃ・・・」 秀吉「聞いたか!!官兵衛!!聞いた?!嘘だで!!大殿が討たれたとよ!!嘘だぎゃ!!なぁ!!どうする!!どうするよ!!何すりゃええんだワシは!!」
官兵衛「・・・・・・」
秀吉「のう!!嘘だ!あの大殿が死ぬ訳ねーがや!!のう!!官兵衛!!なんとか言うてちょう!!!どうすんの!!どうすりゃええって!!!」
官兵衛「・・・・弔い致しましょう」
秀吉「何言うてらっしゃる・・・弔いできねえで!毛利どうすんの!どうすんだがや!!」
官兵衛「まずは落ち着きなされませ、話はその後程にござる」
秀吉「落ち着けねえて!!!あの織田信長様が・・・!!嘘だぎゃああ!!!うわああああああああああ!!!わしどうしたらええんだがや!!!うわあああああ!!!!」
官兵衛「落ち着きなされよ!!殿!!!!」
秀吉「うわあああ!!!!もうダメだ!!!なんも出来んて!!!うわああ!!!」
官兵衛「落ち着きなされ!!!落ち着け!!!聞けえええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
秀吉「・・・・・・・」
官兵衛「このような好機に!!!!そのように取り乱されていかがなさる!!!!!これは殿への好機にござるぞ!!!!!!」
秀吉「・・・・・・」
官兵衛「情けなや!!!!この好機に泣き叫ばれて何と致す!!!大殿の弔い!!!誰よりもはよう上げられようもの!!羽柴秀吉様より他におられませぬぞ!!!!!!」
秀吉「・・・・・」
官兵衛「しっかりなされえ!!!!!」
秀吉「弔い・・・」 秀吉「・・・茶を飲んだら・・・少しならずとも心安らいだわ・・・」
官兵衛「良き事と」
秀吉「・・・・まずは毛利をいかがかせんとな、考えてる暇など無い!あちらもすぐに和議を結びたい事であるわ!高松の清水が首ひとつで和議と致す旨も毛利に伝える!書を書かす!
そうして姫路、加古川、明石、垂水、と京までの要所で食料の調達するよう手はず致せ!!
して、兵どもに伝えよ!!今より京へ!!戻る!!!今のうちに休息せよ!!一気に京へ戻る故覚悟致すように!!今のうちに休息せえ!!」
官兵衛「兵達に御訃報伝えましょう、みなで弔い合戦致すと伝えましょう、悪党明智を討伐す、と伝えましょう!」
秀吉「・・・ならばそうしよう。官兵衛!!」
官兵衛「はっ!」
秀吉「貴様・・・ご感謝申し上げそうろうぞ!」
官兵衛「はっ!!」
秀吉「わしが・・・信長様の跡継ぐんか・・・」
官兵衛「今の現状を見た限りにおいて秀吉様より他におりません。まず間違いなく秀吉様が大殿の御跡を」
秀吉「・・・・・わしがか・・・・ふっ、ほんならよぉ・・・いっちょやったるでよぉ!!!」 家臣「殿、細川殿、筒井殿の御助力無しにしてどのようにお考え遊ばれますか」」
明智光秀「・・・・うん」
家臣「・・・・・」
光秀「・・・敵の出は?」
家臣「今、一方の報告もござりませぬ・・が」
光秀「・・・勝家殿の動きがまだであられるならばもう少しは余裕もあろう」
家臣「はっ・・・・・」
伝令「御一報!!!!」
家臣「何事?!」
伝令「備州より羽柴筑前守!!軍率い京に向けておりまする!」
家臣「何!!」
光秀「・・・・・兵の支度せよ!早急に!・・・・・秀吉・・・早急に兵の支度いたせ!!」 農民A「侍見かけたら何者かまず聞け!答えられん奴は刺せ!刺してまえ!」
農民B「明智言うたらすぐ刺せ!!ええの!逃がさずすぐ刺せ!!」
光秀「・・・・・・待て!音がする・・・・あれは・・・・」
農民C「・・・・侍がおるぞ!!」
農民D「明智の侍か・・・」
農民A「待て!!!!名を名乗れー!!!」
光秀「・・・・」
家臣「何者ぞ!!無礼であろう!!こちら!!!!・・・・・」
農民A「・・・・・」
槍を構える
家臣「無礼であろう!!!下がれ!!」
光秀「・・・・・」
農民C「明智の家紋や!間違いない!!」
農民B「明智やぞ!!構うな!!行くで!!!」
光秀「む・・・」
家臣「貴様ら!!無礼であろう!!」
農民A「行け!!刺せ刺せ!!!!明智!!!!!!!」 家臣「明智日向守光秀が首実検の程よろしいでしょうか」
秀吉「よい!運んで参れ!明智光秀殿が首、余が検分致す!・・・・・・」
家臣「しからば、先程申しました三つが首を御検分の程!」
秀吉「・・・・・・」
頬の皮がずれ落ち赤い筋に覆わされた生首が運び込まれる
まぶたの皮もずれ落ち剥き出しの目玉が宙を見つめる
秀吉「・・・・・・」
家臣「明智これとう光秀殿とおぼしますか?」
秀吉「・・・・・・次!!」
家臣「はっ!!次!!」
また顔が赤ただれ皮膚が腐りかけ目玉が飛び出しそうな生首が運び込まれる
秀吉「・・・・・(匂いがきつい・・・・)」
家臣「こちら伏見の南、小栗栖で討ち取りました明智の残党で!光秀殿であると献上せし者が申しております」
秀吉「・・・・・・うーん・・・・」
生首は腐敗し顔の皮は剥がれている
家臣「では次の首御前にお持ちいたしまする」
秀吉『・・・今の者が光秀・・・のような気がしたが・・・』 秀吉「摂津の大坂に町作りてえがや」
ねね「それはそれは」
秀吉「おみゃあ大坂がどんなもんか知っとりゃーせる?」
ねね「いえ、ですがおみゃーさんが選ばれた地ならばええ所でしょう?」
秀吉「なんもねえ、坊主どもが作った町やけど信長様・・信長殿がたいそう気に入っておった場所なんだわ」
ねね「それはそれは」
秀吉「わしは・・・信長殿のおっしゃった事を成し遂げ明の王にまでなる!」
ねね「それはそれは」 秀吉「摂津の大坂に町作りてえがや」
ねね「それはそれは」
秀吉「おみゃあ大坂がどんなもんか知っとりゃーせる?」
ねね「いえ、ですがおみゃーさんが選ばれた地ならばええ所でしょう?」
秀吉「なんもねえ、坊主どもが作った町やけど信長様・・信長殿がたいそう気に入っておった場所なんだわ」
ねね「それはそれは」
秀吉「わしは・・・信長殿のおっしゃった事を成し遂げ明の王にまでなる!」
ねね「それはそれは」 伝令「備州より羽柴筑前守!!大軍率いて京へと向けておりまする!」
光秀「え?!!もう?!!」
伝令「確かな事でござりまする!」
光秀「・・・・・・・・・・・・皆呼べ・・兵も集める・・・(これは死も覚悟せねばならぬな」 酔った信長「日の本手中にした折には!朝鮮!明!果ては天竺までワシのものしてくれようぞ!これぞ天下統一というものよ!!!」
秀吉「・・・・・・(す、すごい・・・・)」 安土城天守閣から遠くを眺める織田信長
信長「・・・・・・・はぁ・・・・」
信長『・・・この国ワシがものになったとして何が変わるのであろう・・・ちいさき世界よ・・・』
信長「・・・つまらん・・・」 老婆「織田信長は恐ろしい!死ななあかん!恐ろしい!」
信長「ふっ!ババアよ、二言はあるまいのう!」
家臣「殿、どうかお情けの程を!このおばば呆けており、まともな事など話せません!」
信長「たわけめ!!!この信長に楯突く者侮辱する者すべて成敗せねばならん!!情けなどかけよう事、過去成敗した者へ顔向け出来ぬ!!」
老婆「信長しね、化け物だ、妖怪だわ」
信長「容赦などいらぬ!この者の首斬れい!!!」 幼児「のぶながー!」
家臣「これ!殿お側におわすれば……声静めえ…」
幼児「のぶながーうつけー!!」
家臣「!!!黙れ……殺されるで!もう!おとなしくせえ…」
信長「……よい」
家臣「か!かの者齢まだ5つの子なれば口にし事本心とはぞ」
信長「よい!!!!!」
家臣「…」
信長「わっぱ!わしはうつけか!信長は阿呆か!」
幼児「……うつけもの、たわけ」
信長「ふっ!まことその通りよ!!たわけたうつけでのうては誰が将軍様を追い出すか!!!!!
天下一のうつけものよワシは!!ふふふふ、このガキ面白いの!米5俵くれてやる!」 吉法師「父上、竹千代の首跳ねるとお聞き致しましたが誠でしょうや!」
信秀「・・・・まだ決めとらん、誰に聞いた」
吉法師「殺すのであれば吉法師にくださりませぬか!」
信秀「・・・あのような幼子どうする」
吉法師「幼くとも筋の通った事を申す子、どうせ始末するのであればそれがしが面倒みとうござる!」
信秀「ふんっ・・・殺す事はせぬでくれてはやらぬ、が聡明な子だで面倒見る事は許す、遊んでやれ吉法師」
吉法師「ありがとうござりまする」
信秀「・・・(何をする気だがやこのガキは)」
吉法師「竹千代!おるか!三河の竹千代!」
侍女「これはこれは若様、ようこそおこしく・・」
吉法師「よい!竹千代おるか!入るぞ!」
軒先でボーっと座る3歳児
吉法師「竹千代!起きとったか!ほら見りゃあて!でけえだろう!鯉じゃねえでフナだで!」
竹千代「・・・・」
吉法師「えれえだろう?噛ませんて、おみゃあ食わしたる思うて持ってきたんだわ」
竹千代「ありがた・・しあわせにぞん・・まする」
吉法師「ふっ!ええぞ!こんなでけえフナ滅多に釣れんでよ!また何か釣ったら持って来てやるでな
たんと食って大きくなれ!ではな!」
竹千代「ありがとござ・・まする」 竹千代(のちの家光)「ねぇー、ごいんきょ様」
家康「なんだ?」
竹千代「おだのぶが・・のぶがな・・・のぶ」
家康「のぶなが」
竹千代「のぶなが公ってどのようなおひとであったのー?」
家康「背が高くての・・・鼻筋が通って端正なお顔立ちのお方で・・・」
竹千代「・・・・」
家康「・・・・いつもワシを助けてくれた恩人だわ」
竹千代「へー」
家康「・・・変わったお方ではあった・・・・何を考えておるのか・・・・とんと分からんお方で・・・・・・礼儀は良くよく笑いよく話すお方で・・・頭があがらんかった・・・なつかしいの・・・」
竹千代「・・・・」 信長「貴様・・・ワシにたて突くか・・・」
家臣「いえ・・・とんでもございませぬ」
秀吉「上様!この者は実はそれがしの考えを口走っただけでござりまする!この者に罪はござりません!それがしの責任にござる!」
信長「・・・・ふんっ!よいわ!秀吉!貴様がそう申すのであればそうなのであろう!下がれ」
秀吉「ありがとうござります」
信長「下がれ!そして貴様!二度とワシの前に面を見せるな!見せらばその首跳ねようぞ!!!!」
家臣「・・・は・・はい・・・・」 蘭丸「門外におわす旗の門!桔梗にごさりまする!察するに明智光秀の手勢であると心得まする!」
信長「………(光秀だと?……)……………光秀がか?!」
蘭丸「はっ!!おそらく直正門破り兵ども寺内に押し寄せると存じすれば!
大殿様奥へ待避し、万が一の事ござりますれば御覚悟のほど」
信長「たわけめ!!ふふふ、寝て起きればこのざまよ!!光秀だと?!あやつ!…………奥へ向かう、各々火をかけるように伝ええ!!」
蘭丸「はっ!!」
信長「………………」 信長「そなた、ワシを愚弄するか(吉法師「おみゃあ、俺馬鹿にするんか!」)……………」 
信長「貴様、面白いの名を申せ(吉法師)おみゃあたあけとるの、なんて名だぎゃあ」 
信長「我が名は吉法師だぎゃあ!おみゃあら聞けい!俺に歯向かわず俺に楯突かずおとなしゅうしとりゃーせえ!!!」 家臣「若様!御来城致しました!」
信秀「………」
吉法師「お呼びとお耳にし、吉法師参りました」
信秀「……たわけ!!どこほっつき歩いておった貴様!!!」
吉法師「……」
信秀「吉法師……元服はいつか分かっとるな……来年ぞ!たあけた格好して!ぶらぶらほっつき歩きまわりゃあて何しとんだおみゃあ!!!」
吉法師「……」
信秀「おみゃあ武士の子であられる事分かっとりゃあせるか!!たあけめ!!」
吉法師「……」
信秀「……はあ…はあ…たわけめが……貴様の事が心配で…はあ……しかたねえわ……わしの寿命縮めさせたいか……はぁ…」
吉法師「…」
信秀「…たわけた事せんと寺に通い学べ…たあけた格好せんと民の子らとぶらぶらほっつき歩くな…頼むで」
吉法師「はっ」
信秀「…はぁ…さがれ」
吉法師「はっ(ふんっ!)」 信秀「……はぁ……誠であるならば信長呼べ!」
家臣「はっ!」
家臣「信長様……遠出なされておられますようで行方分からぬとの報告が」
信秀「…たわけめが!!目え離すなと申しておったろう!!」
家臣「若様夜が明けぬうち馬に乗りいずれかへ参られたると!」
信秀「はぁぁぁ…(またか…)」 信長「この信長に楯突く不届き者どもよ!!赦す事など出来ぬわ!!」
家臣「…」
信長「一向衆ども火焙りにしてくれる…灰になるまで燃やし尽くしてくれようぞ!!女子供容赦するな!!全て灰にしてくれるわ!!!」 伊勢一向一揆討伐前……尾張万松寺織田信秀墓前……
信長『父上…此度御前に参上奉りましたる、それがし三郎信長に楯突きし敵打ち破らん事の御報告にごさりますれば
どうぞ我が勝鬨をご覧いただきとう存じまする!
父上!我が信長に御力添えくださられるようおん願い奉る!』 伊勢一向一揆討伐前……尾張万松寺織田信秀墓前……
信長『父上…此度御前に参上奉りまする事、それがし三郎信長に仇なし伊勢一向衆打ち破らん事の御報告に存じますれば
どうぞ我が勝鬨をご覧いただきとう存じまする!
父上…此の信長に御力添えくださられまするよう御願い申し上げま奉りまする!』 桶狭間の戦い2時間前
尾張熱田神宮
信長『熱田の神よ、織田三郎信長今より一斉一代の賭けに出る!どうぞ我に助力のほど願いたまわん!』
………………ザー…………突然豪雨が降りだす
信長「勝つ!!!」 信長様!今川の軍田楽の狭間にて休止し明日までとどまると!民達酒だるを献上しておると!
信長「……ご苦労、のちほど褒美やるで下がって良いぞ!(田楽狭間か……うまくやりゃ勝てる……勝つ!)」 町人「信長様起こしになられた言え!はよ!」
信長「ははっ!ええがや!相撲の事だで!そのまま岐阜の王清州に来たと伝えればええで!」
町人「はっ!!!」
信長「そないたいそうに!ふふふふふふふふふ!たかが奉公相撲よ!されど相撲!神仏への奉納でもあられる、蔑ろになどもっての他、この上総介信長、いくらでも御奉納してごらん奉らん、の?ふふふふふふふふふ」
町人「はっ…」
信長「ふっ、良い、わしも御奉納させて頂きますと申し上げたかっただけだわ、彦宇右衛門であられた?大義、下がって良い、わし少し眠いで寝るわ!ふふふふ」 家光「聞いてよろしいですか?」
家康「ふふ、なんや?」
家光「秀吉殿はどのようなお方だったの?」
家康「はははははははははは、秀吉殿か!秀吉殿はな」
家光「はい…」
家康「それは戦にたけ知能に富み人を操るのにたけた飛んでもないお方だったわ!
わしなど手も足も出んほどの!出んほどにな…」
家光「へー」 少年A「卑怯者の吉法師!正々堂々勝負せえ!」
少年B「おみゃあ侍に頼らななあんも出来んのか!」
吉法師「……」
少年A「なんか言やぁ!」
吉法師「おみゃあらを守るもの誰だがや!親だけだろ!俺は百人の者が守っとるで!」
少年B「それが卑怯なんだぎゃ!」
吉法師「阿呆!多く守られる方が勝ちなんだわ!おみゃあらには分からん!去れ!!!たわけが!!」
侍A「去れ!若様への狼藉許さんぞ!」
侍B「帰れ!おみゃあらごときが大きゃあ口叩くでないわ!」
少年A「……」 信長「光秀呼べ!!!」
信長「貴様この様式なんとする!(この立派な内装はどういう事だ)」
光秀「はっ!徳川様への御足労を思い精一杯のおもてなしを表しましたる所存にござりまする」
信長「たわけ!!!!!もてなす方気使わせてなんとするか!!!!!」
光秀「……はっ!(またか……なぜ……」
信長「うぬ!!ようよう考え明日改め家康殿におもてなしてみよ」
光秀「……」
信長「ん?」
光秀「は……」
信長「よい!!さがれ!!」 農婦A「見りゃあ!ありゃあ!」
農婦B「…城の若だがね」
農婦C「若様だがや!若様!」
農婦D「なんちゅーたあけた格好しとんの…若いもん中で流行っておんの?」
農婦B「流行っとりゃあせんがね
あいつだけがあんなたあけた格好しとるんよ!若様でねえて!バカ様だで」
農婦一味「あははははははははははは!」
農婦A「若様!!!!お天気もよう晴れましてなあ!!よろしようで!!」
吉法師「…おみゃあらさっさと食いもんに肥やし掛けとけ!!たあけ!!」
農婦一味「!…」
農婦A「なんだぎゃ!あの小わっぱ!」
農婦B「おみゃあがクソ食らえ!」
農婦C『お美しいお顔…頬も真っ白だで……床を共にして頬舐めたいよ……』 信長「 各々がた此度よう集まられた!堅苦しき挨拶など無用、率直に物申す!朝倉の事どのように思われるか!」
信長「浅井の事心配いらぬ、あれの憂いなどござらぬ、朝倉家よ、まこと目障りな事、我が織田家の世直しの邪魔立てする者のひとつならば!!!」
家臣団「…………」
信長「此度越前討伐致す事各々がたへ申し使わす!!!」
家臣団「はっ!!!」
秀吉『でえりゃあ事だきゃ…市様になんもなりゃええが……』 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています