マリアは苦境に立たされる今そのさなかに充実した思いを感じていた

自分がまだテニスを始めたばかりの頃味わったあの思い

どれだけ手を伸ばしても遠のいていく球をもどかしく思う気持ちそしてそれを一心不乱に追いかけたあの日々を


猫宮との全力の中で
猫宮の全力をうけてマリアはようやく長年に渡る夢を手にしようとしていた

そして赤澤の影をまとおうとするも余力が足りず纏えずにいた

夢を手にしたマリアはよろめきながらも力強く立ち上がる
今、もう一人夢を掴み取ろうともがき立ち上がろうとしているライバルの最後に立ちふさがる壁になるために


猫宮は朦朧とする意識の中で飛び交う歓声すらも耳をすり抜けていく中で確かに聞こえていた
猫宮(おねえちゃん、、おねえちゃん、、もうすぐそこまで来てるから、、
やっと見つけたからほかの誰でもない自分にとっての何よりも大切なもの、、
だから振り向かないよ、
もう私は誰の助けもなくても生きていける、おねえちゃんがいなくても
だから、、見ていて!
失った過去は戻ってこないかもしれないけどそれでも人は前に進んでいく
私が紡いで行くあの絵本のその先の物語を、、!)


二人の少女はテニスという一つの方法で答えのない答えを互いにえがきあげ
今その導き出された道の上で交差する
生まれた国も人種も違えど二人の道ははじめから交わっていたと
互いが感じながら、その時を迎える