【小説】転生したらサスロ・ザビだった件
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一章 蛇の目
1
ストロングゼロを飲んで風呂に入ったら
揺り篭の中にいたでござる。
気が付いたら揺り篭の中にいた。
なんにせよ、俺は転生したのだ。とにかく前世の記憶がある。
正直、この記憶がいつまでもつかはわからんが、とにかく今、流行の転生ものだ。
前世の記憶のあるチートスタートだ。
さて、どんな世界に生まれたのか?セオリー通りに異世界なのか?
セオリー通りに勝ち組スタートなのか?ならいんだが。
流石に最近は飽和してたから、裏をかいてとんでもない負け組スタートかも知れない。
まどマギみたいなやつだよ。ほら。セオリーの裏かっえしの。
が。
しかし、その心配は無用。
なんせこの揺り篭だ。普通じゃない。金の装飾とかあるぞ。これ。
超いい感じ。絶対に金持ち。 2
乳母とか普通にいるしな。
とにかく親が金持ちなのは間違いない。
みんなとんでもなく、いい服着てる。
籠から抱き上げられて部屋を一瞥した時にはもう確信した。勝った。圧倒的に勝った。みたこともない調度品。
普通子供の部屋にこんなの置くかね。壺やら絵画やら。 l \,ヽ / \/
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私、赤い彗星ことシャア・アズナブルが>>2げっとした。
>>1糞スレとは、まだ甘いな。(ププププププwwwwwwwwwwww
>>3このプレッシャー、アムロか・・・
>>4君の父上がいけないのだよ
>>5坊やだからさ・・・
>>6似てる、アルテイシアに・・・
>>7ララァを返せ!
>8-1001 オールドタイプは逝け!忌まわしい記憶とともに 3
言葉に関しては、最初わからなかったから、完全な異世界だと思ったね。
英語でもないしな。フランス語やスペイン語だって習ってないけど、聞けばなんとなくわかるだろ?
まるで聞いたことの無い言葉だった。
こりゃファンタジー系だな。そして俺は王侯貴族なわけだな。
俺の家族が喋ってるのがヘブライ語だってわかるのはもっと先だ。
おっと。それなのに俺は日本語でこれを書いてるな。てことは俺の記憶、前世の記憶が生涯もったことはもうネタバレだな。
まぁ前世じゃ碌な生き方してなかったから、あんまし役に立たなかった……
と言いたいが、この古い地球の知識は、大事な友を得るのには役に非常に役にたった。 4
続けようか。
当時、俺の限られた視界に入るのは
乳母のデボラ
やたら顔色の悪い禿かかった父親。名前は「旦那様」。
たまに顔を見せる母。ほんとにたまにだ。あまり愛されていないのかも知れない。名前すらわからない。
そして、ギョッとした。
初めて見た時には本当にギョッとした。
俺を見下ろす、その少年の目はまるで蛇のようだった。
俺を見ながら笑いもせず、ただ無感情に見えた。そして最後にフッと笑って去っていった。
蛇は兄だった。 5
たまに姿を見せる蛇は最後にいつもフッと笑った。
冷笑というか軽蔑というか、まさに「一瞥」という感じだった。
本当に不可解な少年だった。
「こんなくだらないものどうでもいい」という態度ではあるが
「こいつをどう使うか」のような関心も持っていたのだろう。だから何度か俺を見に来てたんだとは思う。
まぁ少年と言っても、こちらは赤ん坊なわけで、
まさに俺からすると巨人だったわけで、まさに兄だったわけで、俺は基本的に蛇に睨まれた蛙のような気持ちだった。
蛇に関してはいまだによくわからない。わかった部分もあるが、それが演技だったのか、本当の姿だったのか。
とにかく、おいおい書いていくが。孤独だったんだとは思う。いや孤高なのか。
とにかく、乳母のデボラが蛇の名前を呼んだ時に
全てが判明した。
「ギレン坊ちゃま。サスロ様がおびえていますよ。ほどほどに」 6
確かに、俺はサスロと呼ばれていたが、何分、最初は言葉がわからんかったしな。
赤ちゃんとか坊ちゃんみたいなもんかと思ったし。さする。みたいでヨシヨシかと思ってたよ。
親父はみんな「旦那様」だしな。
だけど「ギレン」の名を聞いて全てが判明した。
こりゃとんでもないことになった。とね。
俺はガノタだから知っていたんだ。俺が戦争の始まる世界に生まれたこと。
この世界がいわゆる、ディストピアだってこと。
そして、そもそも戦争が始まる前に俺は爆破テロで暗殺されること。
こりゃとんでもないことになった
とんでもないことになった
俺は揺り篭の中でジタバタした。泣きたかったが、泣いてもミルクを飲まされるか、オムツを替えられるだけだ。
本当にまいってしまった。
とりあえず生き延びよう。
生き延びたい。
君は生き延びることができるかって?やかましいわ。 二章 落ちこぼれ
7
いやー本当に幼年期はなんとかなったんだよ。
前世のパワーもあってさ。せめて中学生までは秀才扱いかと思ってたよ。
全然ダメだった。この世界の奴らは基本的に理系の天才だらけ。
いわゆる、技術職に特化した教育制度、エリート制度もあるんだろうけど、
宇宙で人類が生きていくための必要な素養を皆がもっている感じだ。
あとからサイド3の教育水準、知的水準は特に高いことがわかったんだが
俺は数学が完全にミドルスクールの最初でついていけなくなった。
その先の工学や理学も当然だ。宇宙工学?何それ食べれるの?状態。
「あいつの弟だから、期待してたのに」
これが俺の評価になった。
兄貴の関心も次第に俺からは薄れていったね。
ドズルが産まれた後は猶更。
ドズルは巨躯のやんちゃものだったけど、意外に勉強はできた。もちろん、理系がな。
ドズルの評価は
「あいつの弟なのに」
「あの見た目なのに」
だった。
そして「いやいや、そもそもギレンの弟だし」「いやいや、そもそも体はサスロもでかいし」
と言った言葉が続くわけで、俺は完全に、一家の落ちこぼれになった。
IQ240の天才児の兄と
獣みたいなのに意外と知的な弟に挟まれた
無能な俺
親父はそんな子供らを責めもせず、褒めもせず、相変わらず家の中では「旦那様」で
そういう兄弟達を傍観していた様子だった。
正確には「観察」だったんだろうけどな。 8
そんなわけで俺は早いうちに進路を文系に決めた。
地球の歴史の「特定の時代」の知識がもともと豊富だったし
将来は20世紀博物館の名誉館長にでも親父パワーでなれればいいと思いだしたね。
必然、一家の「家業」から離れれば、俺が暗殺される危険も減るわけだ。
無能なことと、生存戦略が一致した完全な方程式だ。
馬鹿が方程式とか言うと、余計に馬鹿っぽいけどな。
とにかく、俺は「自分のできることだけしよう」と、文系、とくに地球の歴史の専門化にはなっていくことになる。
ただ、やはり気になるのは、この世界、この時代の理系偏重だった。
サイド3以外にもそうだが、スペースノイドはとくに、人文学的な教養があまりなく
地球時代の歴史にも無知で、政治的に蒙昧な印象があった。
生存のために、宇宙という過酷な空間で生きるために、
スペースコロニーという高度で不安定な技術の結晶を維持し運用するために、
全住民が全員、技術者を目指すような教育制度で、所謂、人権理解や民主制度、権力分立などを
ほとんど理解していない。それらを地球の制度の模倣で、前時代の残滓とすら思ってる風潮がある。
軽視どころではない。無視だ。
「そんなものに構っていたら、魚は釣れない」「そんなものに構っていたら、コロニーは動かせない」と言った感じだ
ジャーナリズムの空白、メディアリテラシーの低さ、議会制度の形骸化、それだけではない、文芸的な文化も余り盛んではない。
社会の不安定さ。社会の稚拙さ。
俺はこの世界に、成長するとともに感じ始めた。
「やはり、この世界は、ディストピア前夜なんだ」と。 サスロがんばれ
とりあえず死亡フラグ回避のためにキシリアと仲良しにならないと 悪役令嬢ものは美人だから主役張れるけど
サスロはビジュアル的にどうだろ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています