>>169
一言で表すと「猪木がやる理由」、つまり大義名分が必要だったのではと考える

例えば76年2月の猪木対ルスカの頃を思い出してほしい
それまでNWFはことある毎に「猪木はシンの挑戦を受けよ」と兆発
シンもこれを受けて「オレがNWFの刺客だ!イノーキ!オレと戦え!」とアピール
ところがルスカ戦が決定するや否やNWFは態度を一転
「プロレス代表としてNWF王者の猪木が出るのであれば、NWFは猪木を支持する」
これで干された格好となったシンはブチ切れて福岡、大阪と大暴れ
猪木はいずれも自身最大級の流血に見舞われ、ルスカ戦直前に黄色信号が灯ってしまった
にも関わらずケガのハンデを乗り越え、ルスカに快勝

これさ誰が考えた筋書きか知らんけど、全員win-winなんだよ
NWFにしてみれば単に猪木に勝ってもらえればそれだけでNWFの株も上がる
シンは猪木を徹底的に痛めつける理由ができたので、ヒールとしての仕事に全力で専念できる
ルスカは敗れたものの、異種格闘技というシリーズ一番の興行をシンから奪った
猪木においては言わずもがな

それと似たような状況が91-92年当時にできつつあったと思う
元々猪木対馳で決まっていたのか、それとも対猪木戦の権利を後から馳が本当に奪ったのかは分からない
だがいずれにせよ巌流島血戦を経て猪木対馳が盛り上がったのは間違いない事実だろ

シンにしてみれば敗れたものの、巌流島で戦ったという箔が付く
後にFMW電撃参戦の際、関ヶ原血戦として再び注目を集めることにまで繋がる

馳にしてみればあのシンと交渉をし、直接対決に勝利してシングル戦の権利を獲得
誰が見てもドームでの対猪木戦の相手に相応しいと言える状況を築いた
そんだけの状況があるんだから猪木が戦う理由としては十分すぎるよな

ちなみに引退後に馳がこんなことを言っていた
「互いに潰し合うのではなく、共存共栄することをシンから学んだ
 シンはプロ中のプロだ」と