>>549  その話には前段があってね。その話から語らねばなるまいて

【 力道山 と 前田山英五郎(八代高砂親方) 】

巡業中のある日、横綱前田山は力道山と些細なことから喧嘩になり、前田山が張り手一発で失神させたと伝わる。
粗暴な性格は大相撲時代より知られており、戦前にも岡山と香川を結ぶ連絡船の上で泥酔して暴れていたところを
止めに入った前田山がガチの張り手で失神させたという逸話(これには諸説あり)が相撲界に伝わっている。

一説には、力道山が自身の陰口を叩いたことを前田山が知って騒ぎになったという。
しかしコノ一件以来、前田山は力道山を気に入り、可愛がり、力道山が殺害される当日まで飲み仲間として交流したと伝わる。
珍記録としては、3場所連続で同じ相手(前田山)から不戦勝をあげるなどした。
また、力道山は前田山の最後の優勝旗手になった力士でもある。

事の真偽は不明だが、張り手の威力は、古くは福の花孝一が北の富士勝昭を、20世紀末では旭道山和泰が久島海啓太を、
21世紀では、暴行事件で引退した日馬富士公平が稀勢の里寛をそれぞれ本場所の取組中に張り手で失神させたことがあるので、
あながち不可能な話ではない。 何にせよ「 空手チョップ 」の源流は、紛れも無くこの「張り手」にある。

現在の横綱白鳳が反則や禁じ手でも無いのに【かちあげ】という名前のエルボースマッシュや
【張り刺し、突っ張り、張り手】を横綱の品格の名の下に「封じ手」とされる所以である。