「なにせ初めての相手が肉親でしょう? それも自分の父親だからね。よくよく考えると、いや、わざわざ考えてみなくても、それがいかにおかしい話かっていうのは明々白々でしょう?」

 かつて自身が生まれ育った地域に存在していたという、娘に対する父からの“開通式”ともいうべき行為についてそう語るのは、現在もなお、当地からさほど離れていない地域で余生を過ごす村上喜八郎さん(仮名・89)。
村上さんの話によると、当地で初潮を迎えた女児は、その“祝い”と称して、血の繋がった父との性行為を強要され、「処女」を奪われる伝統があったのだという。

「今の時代の人からすればね、そもそも初潮のときに赤飯を炊いて祝うっていう、一昔前までなら当たり前だったことでもね、
どこか滑稽な話に思われるんじゃないかなって私は思うけれども、挙げ句、あのあたりじゃね、実の父親が初潮を迎えたばかりの娘をすっ裸にして、
それこそ嫁さん相手にしてたようなことをするんだから、信じられない話でしょう? でもね、それが当たり前のことだったんですよ、あのあたりの土地じゃ」

初潮を迎えた女児は、その「確認」ができた日の晩、他の家族が寝る部屋とは別の部屋へと連れられていき、そこで実父と共に白酒を酌み交わしながら、まず口頭で“性のてほどき”を受けるという。
その後、いよいよ夜も更けてきた頃になると、父親は愛娘をリードする形で寝床へと招き入れ、彼女たちにとって人生初めてとなる性行為を、それこそ“手取り足取り”、教え込むのだそうだ。

「私らなんかの世代から見てもね、自分の姉さんや妹たちが素っ裸にされて、父親に抱かれるなんて、想像しただけでもぞっとしますよ。
実際、そういうことをした後っていうのは、明らかによそよそしいような、なんとも言えない態度になることもありましたしね……あれは悪習中の悪習ですよ」

 もともと、なぜ当地にこのような慣わしが生まれ、それが長きにわたり続けられたのかは知る由もないが、1つの仮説として「娘をあまりに溺愛し過ぎて、あらぬ方向へと向かった父親たちの“業”の産物でしょう。
なにせ、(「処女」という状態は)大切なものですから」と、推測する村上さん。最近ではいわゆる“イクメン”よろしく、積極的に子育てへの父親の参加を促し、奨励する向きも強いが、
そうした結果、彼らにあらぬ執着が芽生え、再びこうした悪習が生まれぬよう、我々も願うばかりだ。

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